日本透析医学会雑誌
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30 巻 , 12 号
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  • 大平 整爾
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1347-1362
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 林 春幸, 林 秀樹, 村田 紀, 奥田 邦雄, 大竹 喜雄, 横関 一雄, 鹿島 孝, 入江 康文
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1363-1368
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    1987年1月から1997年8月までに三愛記念病院ならびに市原分院にて慢性維持透析を行った979例 (男性614例, 女性365例) を対象に悪性腫瘍の罹患率を人年法により検討した. この間に57例 (男性39例, 女性18例) の悪性腫瘍が発生し, 内訳は大腸癌14例, 胃癌10例, 腎癌7例, 肺癌6例, 甲状腺癌5例, 乳癌4例, 卵巣癌, 食道癌が各2例, 肝癌, 膀胱癌, 十二指腸乳頭部癌, 多発性骨髄腫, 悪性リンパ腫, 中咽頭腫, 悪性黒色腫が各1例であった. 各腫瘍の罹患率は, 大腸癌で男女それぞれ人口10万人年対272.9, 329.6であり, 胃癌が272.9, 109.9, 腎癌が204.6, 54.9, 肺癌が136.4, 109.9, 甲状腺癌が136.4, 54.9と高頻度で, 全部位では1330.3, 988.7であった. 千葉県の特定地域の1991-1993年の年齢階級別悪性腫瘍罹患率を用いて, 対象の罹患期待数を求め, 実際の罹患数と比較した. その結果, 男女合わせて罹患数/期待数の比は悪性腫瘍全体では2.6倍 (p<0.05) であった. しかし, この比は各腫瘍でかなり異なっており, 甲状腺癌が24.2倍と最大であった. しかし, 甲状腺癌はすべて副甲状腺摘出術の際偶然見つかった潜在癌であるので, 検討から除外すべきと考えられた. 次に多かったのが腎癌で16.2倍, 大腸癌が4.2倍, 胃癌2.1倍, 肺癌2.1倍であった. 一方肝癌は0.42倍と唯一罹患数の方が期待数より少ない腫瘍であった. 以上より, 維持透析患者においては, 非透析患者に比し, すべての腫瘍の発生頻度が増加するわけではなく, 腎癌, 大腸癌などの特定の腫瘍のみ高頻度で発生する可能性が示唆された.
  • 栗山 哲, 中山 昌明, 友成 治夫, 沼田 美和子, 林 文宏, 疋田 美穂, 川口 良人, 細谷 龍男
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1369-1373
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    現在, 除水不全を呈するCAPD患者に有効に作用する薬剤はない. 本研究では, 除水不全を認めるCAPD患者において, 抗プラスミン剤であるトラネキサム酸 (tranexamic acid: TNA) が改善効果を有するか否かを検討した.
    限外濾過不全I型の除水不全を認めるCAPD患者5例において, 先行するCAPDスケジュールを変更せずにTNA 1500mg/日を2週間経口投与し, その薬理効果を検討した. その結果, 1) TNA投与で一日総除水量は全例で有意に増加した. また, 体重は5例中3例で有意に減少した. 2) TNAはCAPD排液中の電解質, UN, Cr, アルブミン等の総除去量に影響を与えなかった. また, PETのD/PcrやKT/V, PCRにも影響を与えなかった. 3) TNA投与により血中およびCAPD排液中のブラジキニン濃度, 血中の組織プラスミノーゲンアクティベーター (tPA) 濃度は有意に低下した.
    以上, TNAは除水不全を呈するCAPD患者で除水量を増加させる. その機序は不明であるが, ブラジキニン, tPAの抑制を介した腹膜透過性の変化が関与している可能性が示唆された.
  • 幾高 敏晴, 石黒 源之, 江原 英俊, 石原 毅, 平野 高弘, 橋本 和明, 早川 幸博, 藤原 久義
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1375-1379
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    Blood accessの血栓除去に対し, new type Fogarty器質化血栓除去 (Adherent Clot) カテーテルを使用し, 本カテーテルの有用性を基礎的, 臨床的に検討した. balloon catheterもAdherent Clot catheterのどちらも, 兎大動脈に対する血管内膜への傷害は, 肉眼的にも組織学的にも認められなかった. また, 臨床における摘出血栓の剥離面には, 血管成分は含まれていなかった. 臨床におけるAdherent Clot catheterは, 器質化血栓除去において有用であった. 動物実験, 臨床例とも術中, 血管損傷およびカテーテルトラブルは認められなかった.
    Adherent Clot catheterは透析症例におけるシャント血栓除去において有用であり, balloon catheterと併用することにより, より確実な血栓除去が可能である.
  • 山中 達彦, 川西 秀樹, 桧田 真, 宮本 和明, 松野 清, 山根 修治, 八幡 浩, 杉野 圭三, 土肥 雪彦
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1381-1385
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持透析患者の食道癌手術は侵襲が大きいと考えられるが, 今回我々は縦隔鏡, 腹腔鏡補助下食道抜去術を施行し, 良好な術後経過を得たので報告する.
    症例は59歳, 男性で, 透析歴は1年10か月, 原疾患は糖尿病. 下血, 嚥下困難を主訴として入院となり, 精査の結果, 食道胸部中部の進行食道癌と診断し, 食道抜去術を施行した. 手術用縦隔鏡を用い頸部から食道の剥離を行い, 腹腔側からは腹腔鏡補助下に剥離を行った.
    術中出血量は350mlと少なく, 本術式は維持透析患者に安全かつ侵襲の少ない食道癌術式と考えられた.
  • 安森 亮吉, 松山 和弘, 渡部 純郎, 明石 光伸, 古城 正人, 石井 孝典, 友 雅司, 柴田 哲雄, 那須 勝
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1387-1390
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    化膿性肝膿瘍は比較的稀な疾患で, 敗血症・DICなど重篤な合併症をきたし予後不良とされている. 症例は, 69歳女性. 原疾患糖尿病性腎症による腎不全にて, 週3回血液透析施行中. 平成6年12月17日頃より39℃台の高熱が持続し, 血液培養にてKlebsiella pneumoniaを検出し, 腹部CTにて多発性肝膿瘍を認め, エコーガイド下に膿瘍ドレナージ施行し改善を認めたが, 1年後, 急性腹症, イレウス, DIC等発症時, 再度化膿性肝膿瘍を合併したが, ドレナージ施行にて改善を認めた. 胆石症の合併があり頻回再発の可能性が考えられ, 根治のため胆嚢摘出術を施行し改善を認めた.
    化膿性肝膿瘍に対して, エコーガイド下膿瘍ドレナージの有用性が示唆されたが, 胆石症の合併に際しては, 根治には胆嚢摘出術が必要であると考えられた.
  • 町田 詩子, 岩本 彩雄, 天野 正道, 松下 啓, 大池 裕美子, 杉本 徳一郎, 多川 斉, 高梨 利一郎
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1391-1395
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は19歳男性. 1996年4月10日右側腹部痛が持続するため造影CTを撮影したところ, 右腎に8.5×6cm, 左腎に5×3cmの腫瘤が認められた. その後無尿となり, 嘔気出現. 急性腎不全の診断にて4月16日より血液透析を開始した. 腎腫瘍生検にて, B細胞性非ホジキン悪性リンパ腫と診断し, 化学療法 (CHOP) を施行した. 開始24時間後より利尿があり, 72時間後には血液透析より離脱できた. CHOP療法6クール施行後, CT上両側腎腫瘤は消失し, 腎機能は正常化した. 両側腎以外に明らかな悪性リンパ腫の浸潤部位はなく, 本症例は腎原発性悪性リンパ腫であると診断した. 腎実質にはリンパ組織が存在せず, 両側腎が原発となる例は極めて稀であるが, その場合は本症例のように急性腎不全を伴うことが多い. 予後1年以内の報告例が多いが, 本症例は化学療法のみにより完全に腎機能が回復した.
  • 大城 望史, 田中 一誠, 住元 了, 石川 哲大, 宮本 和明, 札場 保宏, 藤本 伸司, 角舎 学行, 伊藤 孝史, 板本 敏行, 山 ...
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1397-1401
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    CAPD患者にとって, 開腹術後もCAPDを継続できるか否かは重要な問題である. 今回我々は, CAPD施行中の早期胃癌合併例に対して, 大網を温存した幽門側胃切除を施行したが, その後もCAPDを継続し得た症例を経験したので報告した. この際, 腹膜機能の評価, 早期発見による縮小手術の実施, 術後管理の工夫が重要である.
  • 児玉 敏宏, 坂口 恵子, 小畑 拡嗣, 角門 真二, 阿部 富彌, 大谷 尚子, 仲野 良介
    1997 年 30 巻 12 号 p. 1403-1407
    発行日: 1997/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年, 透析療法の著しい進歩や, エリスロポエチンの使用によるquality of lifeの向上とともに, 血液透析患者の出産例の報告が散見されるようになった. 今回, 我々は過去6年間に2例の慢性血液透析患者および1例の保存期腎不全患者の出産を経験し, 妊娠経過に及ぼす因子について検討したので報告する.
    症例1は23歳, 透析歴7年, 子癇発作と思われる痙攣発作にて妊娠20週当院入院し, 妊娠34週で帝王切開にて870gの女児を出産した. 児はApgar score 8-10, 奇形等は認められなかった. 症例2は24歳, 透析歴1.5年, 妊娠後期に高血圧症の合併が見られたが, 39週で経膣分娩にて2856gの男児を出産した. 児はApgar score 9-10, 狭頭症を認めたが他に奇形は見られなかった. 症例3は38歳, 慢性腎不全 (Cr 4.2mg/dl, BUN 54mg/dl, 24hr Ccr 15.6l/日), 高血圧症, 貧血にて当院入院. 38週で帝王切開にて2202gの女児を出産した. 児はApgar score 9-10, 奇形等は認められなかった.
    慢性腎不全患者の出産例の合併症には種々の報告があり出産時はもとより妊娠中も細心の注意が必要である. 特にBUN値を60mg/dl以下に保つべく食事療法, 頻回の透析を行うことや貧血, 血圧のコントロール等が重要と考える.
    また, 妊娠経過や奇形の危険性を回避するために, 計画的な妊娠, 出産を行うことが今後の課題であると思われた.
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