日本透析医学会雑誌
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33 巻 , 10 号
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  • 春木 繁一
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1297-1302
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 秋葉 隆, 山崎 親雄, 秋澤 忠男, 佐藤 千史, 吉澤 浩司
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1303-1312
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析医療における感染の現況を把握し感染防止の実態の調査を行った. 郵送によるアンケート法により, 日常的に慢性血液透析を行っている本邦の医療施設2910施設を対象とした. アンケート回収は1681施設57.8%と良好だった. 回答率の偏りは, 私的施設の回答率 (44.8%) がその他の施設の回答率 (51.7%) より低かったが, 地域, 施設規模別では差がなく, おおむね偏りのない調査が行われた.
    81.6%の施設が, 感染対策マニュアルを自施設で作成しており, 施設の74.5%に感染対策委員会が設置され, その3分の2の施設で感染対策委員会が毎月開かれているなど, 多くの施設で, 院内感染予防に対する積極的な対策が講じられていることが明らかにされた.
    HBs抗原の測定率は施設の94.3%, 患者の97.1%の, HCV抗体測定率は施設の93.3%, 患者の98.9%と良好だった. 患者陽性率はHBs抗原で2.84%, HCV抗体では22.4%だった.
    HBs抗原, HCV抗体施設陽性率は7地域間で異なり (p=0.00515, p<0.0001), 設立母体でも異なっていた (p<0.0001, p<0.0001). HBs抗原, HCV抗体施設陽性率は施設透析期間と相関を示した (p=0.00308, p<0.0001). HBs抗原施設陽性率とHCV抗体施設陽性率には弱い相関が認められた (r=.145, p<0.0001).
    一方, HBワクチンは本邦施設の24.3%でしか実施されておらず, HBs抗原陽性患者の別室隔離は1.88%, ベッド固定でさえ59.0%の施設でしか実施されていなかった. HCV抗体陽性患者では別室隔離は0.674%, ベッド固定は43.2%で実施されていた. 薬物投与に用いた注射器の再使用 (2.06%), 返血で余った生理的食塩水を別の患者への使用 (0.908%), エリスロポエチンの同一アンプルの分割投与 (5.54%) などが報告された. HBs抗原陽性患者に対する日常生活の注意, HCV抗体陽性患者のベッド固定, HCV抗体陽性患者への告知, HCV抗体陽性患者に対する日常生活の注意を行っている施設のHCV抗体陽性率は低く, これらの診療行為を行うことで, HCV抗体陽性率を下げる可能性が示された.
    本邦の血液透析施設では依然として血液透析患者のウイルス肝炎感染が高頻度にみられること, 院内感染予防のために一定の努力が行われていることが明らかとなった. 今後, 基本的な感染予防策実施を徹底と, 診療内容の危険度と予防措置の効果に関する前向き研究が必要である.
  • 水口 隆, 衣笠 えり子, 鈴木 正司, 秋澤 忠男, 斎藤 明, 血清トランスフェリンレセプター研究会
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1313-1320
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    recombinant human erythropoietin (rHuEpo) 投与中の血液透析 (HD) 患者における鉄欠乏の指標としての血清トランスフェリンレセプター (sTfR) 値の有用性を多施設共同研究で検討した.
    対象はrHuEpo投与中の維持期HD患者で, 過去3か月以上rHuEpo投与量の変更や鉄剤の投与がなく, 他の血球減少症, 炎症性疾患, 溶血性疾患, 高度の副甲状腺機能充進症や肝機能異常の合併がなく, 鉄欠乏が疑われた80例に対して静注用鉄剤を投与し, 投与前後に血液学的検査, 鉄動態検査, 血液生化学検査およびsTfR値を測定した. 鉄剤の効果判定は, 鉄剤投与前Ht値と投与2-8週後の最大Ht値どの差をΔHtとし, ΔHt値3%以上を鉄剤有効例, 3%未満を無効例とした.
    鉄剤有効例 (n=43) は無効例 (n=37) に比してsTfR値 (1078±253 vs 917±241ng/ml, p<0.005), sTfR/Hb値 (11.1±3.2 vs 8.8±2.2μg/g, p<0.0005) と有意に高値で, 血清フェリチン (sFt) 値 (58±25 vs 82±36ng/ml, p<0.001) と有意に低値であったが, トランスフェリン鉄飽和率 (Fe-Sat) や網状赤血球数および網状赤血球比率には差はなかった. また, ΔHt値はsTfR, sFt, Fe-Sat値に比してsTfR/Hb値と最も良い相関性を示した (r=0.672).
    鉄欠乏診断の診断効率は, sTfR/Hb (cut off 10μg/g) が67.5%と最も高く, sTfR (1000ng/ml), sFt (50ng/ml), sFt (100ng/ml), Fe-Sat (20%) の順であった.
    sTfR/Hb値はrHuEpo投与中のHD患者の鉄欠乏に対する鉄剤投与の必要性を判断する上で最も良い指標になると考えられる.
  • 広重 欣也, 孫田 淑代, 秋吉 睦子, 園田 敏子, 木村 文男, 吉永 みどり, 大谷 晃
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1321-1324
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    腹膜透析患者の出口部感染の発症へのムピロシン軟膏の鼻腔内塗布の効果について, 前向きに検討した. 鼻腔にブドウ球菌が検出された21名の腹膜透析患者を対象とし, 1日3回, 1週間のムピロシン軟膏の鼻腔内塗布を2か月毎に1年間行った. 過去1年で, 出口部感染の発症頻度は, 1.10回/患者 (13人に22回発生) で, ムピロシン鼻腔内塗布後の1年では, 0.57回/患者 (6人に12回発生) と有意に減少した (p<0.01). 鼻腔塗布後の除菌不良は8名みられ, 原因として使用忘れによるコンプライアンス不良であった. 除菌良好の13名では, 1人1回の出口部感染を発症したのみだが, 除菌不良例では, 8人のうち5人に11回認められた (p<0.01).
    ムピロシン鼻腔内塗布は, 出口部感染の発症予防に有効と考えられるが, コンプライアンスを含め除菌効果の厳重なモニターが必要と考えられた.
  • 鈴木 昌幸, 大河原 晋, 斎藤 幹郎, 矢作 友保, 田部井 薫
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1325-1327
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    目的: 血液透析の際, 除水施行にもかかわらずHt, TPが低下する症例が存在するが, このことに立位から臥位への体位変換がどれだけ影響するかについて検討した. 対象および方法: 安定維持透析中の男性症例 (n=10) を対象に5分間立位後と30分間臥床後にHt, TPを測定し, 循環血液量変化率 (%ΔBV) を演算により求めた.
    結果: 1) 30分間臥床によりHt, TPはそれぞれ, 臥床直後32.6±2.1%, 6.68±0.12g/dlから30分間臥床後29.7±1.9%, 5.81±0.10g/dlと全例で有意に低下した. 2) 30分間臥床により%ΔBVは9.1±0.8%増加した. これは正常人を対照とした30分間臥床による%ΔBVの増加に比し有意に高値であった. 結論: Ht, TP, %ΔBVの評価において体位変換の影響を十分考慮する必要がある.
  • 大塚 容子, 黄 泰奉, 石川 智恵, 池田 裕次, 冨吉 義幸, 酒見 隆信, 力武 修
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1329-1332
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は, 33歳男性. 1993年痛風腎による慢性腎不全にて血液透析に導入され, 維持透析が行われていた. 1996年6月30日より, 発熱・紅色皮疹が出現. 著明な炎症所見と透析中のショックのため緊急入院. 入院時, 低酸素血症, ビリルビン上昇, DIC疑いなど, 敗血症による多臓器不全の兆候が認められたため, エンドトキシン吸着療法を行った. しかし効果なく, ショック状態続くため, 血漿交換療法を行ったところ著明な改善がみられ, 抗生物質投与により炎症所見も改善していった. 血液培養より, 起炎菌は検出されなかったが, 発熱・特徴的な皮疹・ショック状態から, A群β溶血連鎖球菌によるtoxic shock-like syndrome (TSLS) を発症していたことが考えられた.
  • 津田 聡, 青木 大勇, 澤瀬 健次, 錦戸 雅春, 古賀 成彦, 斉藤 泰, 金武 洋, 原田 孝司, 松尾 良一, 橋口 純一郎, 船越 ...
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1333-1336
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    患者は54歳, 男性. 慢性腎不全にて1990年血液透析導入, 以後3回/週にて維持透析. 多嚢胞化萎縮腎 (acquired cystic disease of the kidney; ACDK) の診断にてCTにて経過をみていた. 1998年2月23日突然の左側腹部~背部痛を認め, CTにて左腎周囲血腫を認めたため当科緊急入院. 同日左腎動脈造影施行. 明らかな出血源は認めなかったが血腫が大きいことを考慮し腎動脈塞栓 (transcatheter arterial embolization; TAE) 施行した. 出血性の貧血を認めていたため, 輸血にて対処した. 悪性腫瘍も否定できず, 腎摘出も考慮したが, その後の画像上も明らかな所見はなく, 保存的に経過観察し, 3月30日当科退院. 6月4日のCTでは左腎は萎縮しており周囲の血腫は吸収されていたが悪性腫瘍の所見は認めなかった.
    維持透析例における急激な側腹部, 背部痛では腎周囲出血を疑うことが重要で, 出血が激しい症例では塞栓術もしくは腎摘出術を考慮すべきである. 画像上悪性所見を認めないなら腎摘出術は施行せず経過観察可能であると思われた.
  • 松本 尚子, 服部 元史, 高橋 和浩, 近本 裕子, 渡邉 誠司, 秋岡 祐子, 三宮 彰仁, 石田 英樹, 渕ノ上 昌平, 槙村 浩一, ...
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1337-1341
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は8歳女児で, 原発性巣状糸球体硬化症を原疾患として95年7月に腹膜透析導入となった. 98年11月にアスペルギルス腹膜炎 (起炎菌は真菌のrRNA解析よりAspergillus (Neosartorya) fennelliaeと同定) を発症し, 途中空腸壁の穿孔を合併した. 直ちに, CAPDカテーテルを抜去するとともに, 従来のnon-lipid Amphotericin B (AMPH-B) よりも副作用が少なく投与量の増量が可能であるliposomal AMPH-Bや, 胃酸の作用を必要とせず腸瘻からの投与が可能なItraconazole (ITCZ) oral solutionを導入, さらに適切な栄養管理 (経静脈栄養に空腸人工肛門肛門側からの経腸栄養を併用) など集学的治療にて救命し得た.
    アスペルギルス腹膜炎は稀な疾患であるが致死的であり, 早期診断と適切な治療が必要であるため, 今回使用したIiposomal AMPH-Bが本邦でも臨床使用できることが望まれる.
  • 深川 雅史, 冨永 芳博, 貴田岡 正史, 秋澤 忠男, 黒川 清
    2000 年 33 巻 10 号 p. 1343-1345
    発行日: 2000/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
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