日本醸造協会誌
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117 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 渡邉 剛志
    2022 年 117 巻 5 号 p. 319
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/09/13
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  • 森田 友岳, 雜賀 あずさ
    2022 年 117 巻 5 号 p. 320-326
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/09/13
    ジャーナル フリー

    微生物が生産する界面活性剤(バイオサーファクタント)が,化粧品や洗剤などの分野で実際に利用されている。著者らは,担子菌酵母 Moesziomycesが生産するバイオサーファクタントについての研究を進めており,化粧品分野への応用に成功している。本稿では,そのような酵母の探索技術(スクリーニング)から,培養,生産までを概説いただいた。また,酵母開発の現状と今後の課題についても詳細に記載いただいている。酵母を利用したものづくりの魅力を感じることができのではないだろうか。

  • 眞榮田 麻友美, 平良 東紀
    2022 年 117 巻 5 号 p. 327-334
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/09/13
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    泡盛の香気成分の生成については,酵母や乳酸菌の影響のみならず,麹菌による関与も示唆されていますが,未だ明らかとなっていない点も多く存在します。数ある香りの中でも泡盛を貯蔵した古酒の特徴香の一つであるバニラ香についてはこれまでも注目され,その出発物質とされる4-ビニルグアヤコール(4-VG)についても生成要因の解明が期待されていました。本稿では,黒麹菌が生産するフェノール酸脱炭酸酵素(AlPAD)の諸性質をはじめとして,製麹時間との関係性,そして泡盛醸造における4-VG生成への寄与について,筆者らの研究成果を基に非常に分かりやすく解説いただいております。

  • 編集部
    2022 年 117 巻 5 号 p. 335-347
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/09/13
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    令和2年における味噌の研究業績としては,原料大豆・麦品種の育種,微生物の遺伝子機能,機能性物質,ゲノム情報を活用した研究,味噌に関する医科学,疫学,調理科学や食育学等の研究が実施された。

    原料大豆,麦等の研究は基盤研究として着実に実施されており,味噌原料としての大豆品種が開発され,品種登録が期待される。

    味噌製品の機能性については,科学的根拠に基づいた評価や基礎研究を確実に実施するために,より精密な分析技術や解析方法が活用され,メタボローム解析研究が発表されている。おいしさや食育からの味噌利用に関する研究は,単年度で完結するものではなく,継続して着実な実践研究が行われ,日本型食生活への回帰,食育や若年層の健康を考えた発酵食品の重要性がより強く認識されている。機能性研究においてはヒト介入試験や疫学研究が求められ,着実に研究成果が報告されている。コホート研究データを解析した研究により,中高年層の人々の生活への味噌の効能の研究が実施された。味噌の役割は,健康と食品機能にくわえて,調理科学や食育の面からも重要性が高いことに注目される。さらに近年の味噌の海外展開に向けて,製造技術における研究の進展が期待されている。

  • 大森 大陸
    2022 年 117 巻 5 号 p. 348-351
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/09/13
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  • 高山 清子, 喜田 珠光, 山本 英樹, 水谷 政美, 藤原 絵美, 梶原 康博, 髙下 秀春
    2022 年 117 巻 5 号 p. 355-363
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/09/13
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    宮崎県内の焼酎製造場18場から焼酎もろみ110試料を採取した。腐造性乳酸菌の指標とされるmleP遺伝子は,焼酎一次もろみ1試料及び二次もろみ33試料で検出され,そのうち32試料は芋焼酎もろみであった。mleP遺伝子が検出された焼酎製造場において汚染状況を調査したところ,もろみ輸送ポンプや一次もろみと蒸した甘藷の混合機でmleP遺伝子が検出された。mleP遺伝子が検出された菌株はクエン酸資化性が確認され,培地中のクエン酸を全て資化し酢酸を生成した。なお,mleP遺伝子が検出された焼酎もろみのアルコール分,有機酸に異常は認められなかったが,これらの製造場では常に腐造のリスクがあると考えられる。

  • 谷本 昌太, 近藤 留未, 岩佐 美月, 大石 綾乃, 田辺 詩織, 古田 歩, 馬渕 良太
    2022 年 117 巻 5 号 p. 364-373
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/09/13
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    酒粕の機能性に及ぼす貯蔵の影響を明らかにすることを目的に,吟醸酒,純米酒,普通酒など精米歩合や製造方法の異なる酒粕を貯蔵し,それらのDPPHラジカル消去活性,ORACおよびACE阻害活性の変化を比較した。DPPHラジカル消去活性,H-ORACおよびTotal ORACは,5 ℃および20 ℃の両貯蔵温度においてすべての精米歩合の試料で貯蔵中に有意に増加した。L-OARCは5 ℃の貯蔵においてすべての精米歩合の試料で貯蔵後に有意な増加が認められたが,20 ℃の貯蔵では,60%純米酒の酒粕を除いて有意な増加は示さなかった。ACE阻害活性は純米酒で両貯蔵温度において,大吟醸酒で20 ℃貯蔵においてのみ有意な活性の増加が認められた。フェノール性化合物,酸度,アミノ酸度,L値およびa値がDPPHラジカル消去活性,H-LORACおよびTotal ORACと強い有意な相関を示した。一方,L-ORACおよびACE阻害活性は,フェノール性化合物,ペプチド含量およびb値を除く項目と有意な相関が認められたが中程度の相関であった。階層的クラスター分析の結果は,貯蔵後の精米歩合の高い酒粕がいずれの貯蔵温度においても高い抗酸化性およびACE阻害活性を有する可能性を示唆した。以上の結果から,親水性物質による抗酸化活性は,酒粕の貯蔵中に増加するが,脂溶性物質による抗酸化性およびACE阻害活性は,精米歩合(製法)や貯蔵条件によることが示唆された。

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