昭和医学会雑誌
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65 巻, 5 号
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  • ―スキーボード外傷と“エア外傷”について―
    塩谷 英司, 栗山 節郎, 渡辺 幹彦, 星田 隆彦, 山本 茂樹, 石川 大樹, 宮岡 英世, 阪本 桂造, 雨宮 雷太, 田中 宏典
    2005 年 65 巻 5 号 p. 385-393
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    当教室ではスキー・スノーボード外傷の特徴や, その予防について報告してきたが, 近年, 新たな動向がみられたので検討した.スキー外傷の発生機序は比較的画一的で, 最近はスキーボード (ショートスキー) の出現により, 下腿骨の螺旋骨折が急増した.一方, スノーボード外傷は競技種目が多彩で, 独持の滑走フォーム (サイドウェイ・スタンスで, 両足を同一平面上に固定していること) により, その発生機序も多岐に及ぶ.また, スノーボード外傷では中級者によるジャンプ着地失敗や, 初級者による緩斜面での『逆エッジ』による転倒が目立つ.ゲレンデにおけるスキー・スノーボード外傷による全体の受傷率減少を達成させるためには, いかにスノーボード外傷の受傷率, つまり, スノーボーダーにおける“エア (ジャンプ) 外傷”の受傷率を減少させるかが鍵である.
  • 前田 崇, 柳沢 孝次, 碓井 隆子, 中嶋 秀人詞, 服部 憲路, 下間 順子, 安達 大輔, 斉藤 文護, 久武 純一, 川上 恵一郎, ...
    2005 年 65 巻 5 号 p. 394-400
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    造血幹細胞移植は造血器腫瘍に対して有用な治療法であるが, 従来の骨髄移植 (bone marrow transplantation: BMT) ではドナーの負担, 選定など問題点が多かった.そのため臍帯血が, 造血幹細胞移植において骨髄, 末梢血に次ぐ第三の造血幹細胞供給源として注目されるようになった.臍帯血は当初小児造血器腫瘍に用いられてきたが, 近年成人に対する非血縁者間臍帯血移植 (unrelated cord blood stem cell transplantation: UCBT) として適応が広がっている.今回我々は19例のUCBTを経験したので治療法及び結果について報告する.対象は2003年8月から2005年4月までにUCBTを施行した19例で, 原疾患はAcute myelogenous leukemia (AML) 9例, Acute lymphocytic leukemia (ALL) 3例, Myelodysplastic syndrome (MDS) 2例, Adult T cell leukemia/lymphoma2例, Chronic myelogenous leukemia (blastic crisis) 1例, Myeloproliferative disorder (MPD) 1例, Follicular lymphoma 1例である.骨髄破壊的臍帯血移植 (myeloablative cord blood stem cell transplantation: M-CBT) を8例, 前処置の強度を弱めた骨髄非破壊的臍帯血移植 (reduced-intensity cord blood stem cell transplantation: RI-CBT) を11例施行し, Graft versus host disease (GVHD) 予防は15例でCsA±short term MTXを, 4例でFK506を使用した.臍帯血の平均輸注細胞数は2.43×107/kgで, HLA適合度は6/6matchが1例, 5/6matchが6例, 4/6matchが12例であった.白血球生着 (好中球>500μ1) は15例 (平均日数22.6日) に認め, GVHDの発症頻度はgrade0~IIが8例 (53%) , grade III~IVが7例 (46%) であった.Complete remission (CR) はhigh risk群症例5例を含む8例で得られたが, 一方で再発は4例に認められ, 移植後100日以内の早期死亡も6例みられた.UCBTでは一般にBMTに比べて生着の遅れや生着不全が問題となる.しかし今回の結果から必要細胞数が保たれていれば充分な生着が得られると考えられた.また重症GVHDの発症頻度はUCBTでは一般に低いとされているが, 当科では46%に重症GVHDがみられた.このことは当科でのhigh risk群症例に対する免疫抑制剤の早期減量が原因として考えられた.今後Graft versus leukemia (GVL) 効果を期待しつつも, GVHDコントロールを慎重に行っていくことが重要であると考えられた.High risk群症例でもCRを32%に得られたことより化学療法ではCR困難な症例に対してUCBTの有用性が示唆された.また50歳以上のRI-CBTにおいて5例中3例でCRとなったことは, 今まで移植適応外であった高齢者に対しても有効であると考えられた.
  • ―食事調査と血清コレステロール値との関連について―
    鈴木 章記, 福田 祐典, 白澤 貴子, 神山 吉輝, 川口 毅, 星山 佳治
    2005 年 65 巻 5 号 p. 401-409
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    (財) 全国保健福祉情報システム開発協会が開発したコンピュータドックの調査結果を用いて, 健康診断の結果得られた血清コレステロール値とアンケート調査の結果得られた生活習慣行動との関連について多変量解析の手法を用いて分析した.その結果, 男女とも肥満については全年齢階層において有意な関連が認められた.このことはx2検定の結果とほぼ一致していた.自覚的健康感については男性の60歳以上と女性の39歳以下を除いて全ての年齢階層において有意な関連が見られた.しかし食生活との関連についてはx2検定結果では男性では60歳以上を除いた全ての年齢階層において有意差が認められたが, 女性では有意差は認められなかった.次に運動習慣と飲酒・喫煙習慣については一部の年齢階層で有意な関連が認められた.また, ストレスとの関係ではx2検定結果では男女とも50歳以上の年齢階層において有意差が認められたが, ロジスティック回帰分析の結果では60歳以上の女性でしか有意な関連は認められなかった.総合的な生活習慣指標についてのスピアマンの相関の検定の結果では, 60歳以上の男性と39歳以下の女性を除き, 全ての年齢階層に有意な関連が認められた.しかし, x2検定結果では男性の40歳代から50歳代と女性の50歳以上に有意差が認められたが, その他の年齢階層では有意差は認められなかった.x2検定とロジスティック回帰分析の検定結果が多くの年齢階層では一致していたが一部の年齢階層において必ずしも一致していなかったことについては今後検討する必要がある.以上の結果から血清コレステロール値は肥満度以外にも多くの要因が総合的に作用して値の上昇に関係しており, そのことが脳卒中や虚血性心疾患の危険因子につながっていることが推察される.従って今後の予防対策として食事だけでなく総合的な観点からのアプローチが必要であることを意味している.
  • ―構造方程式モデリングを用いた検討―
    鈴木 久義, 神山 吉輝, 川口 毅
    2005 年 65 巻 5 号 p. 410-420
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年, 本邦において医師や看護師等の保健医療従事者にストレスによるburnout (燃えつき症候群) に罹患する者が増加している.特に作業療法士については, その実態は明らかでなく, 職業性ストレスに関する研究は極めて少ない.本研究においては東京都およびその近県に在勤している作業療法士を対象に計291名について職業上のストレスとその要因について調査を行い, 職業性ストレスモデルを作成した.本邦における作業療法士の職業性ストレス要因は, 英国やスウェーデンにおける研究と比較すると, 保健・医療・福祉の供給体制の違いを越えて, ほぼ同様のストレス要因が存在すると同時に, 本邦特有と思われるストレス要因も存在することが示唆された.これらの要因について因子分析を行った結果, 「職務遂行」, 「職場内の人間関係」, 「多忙な業務」, 「待遇」, 「職務特性」, 「意志決定への参画」の6項目がストレス要因として抽出された.さらに, それらの背後にある潜在要因として「職務の円滑な遂行に関連する要因」と, 「作業療法という職業に内包される要因」の2つの潜在要因が想定され, それらが最終的に職業性ストレスにつながるとする最適なモデルを提案することが出来た.本研究の結果, 作成した職業性ストレスモデルは, 作業療法士の職業性ストレス要因とそれらの要因間の関連性を明らかにすることによって職場の管理者や作業療法士自身のストレスコーピングに寄与するものと思慮する.
  • ―HIV検査相談施策の充実に向けて―
    橘 とも子
    2005 年 65 巻 5 号 p. 421-432
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    東京都自発的HIV検査相談定点センターにおける自記式質問紙調査から受検者の特徴を明らかにした.対象は2000年1月~2002年12月の匿名非感染受検者, 延べ21, 406人.回答は男: 女=2: 1, 過半数が20歳代, 複数回受検41.8%.感染不安要因は男性で異性間性的接触70.2%, 同性間性的接触26.0%, 女性で異性間性的接触94.7%.10歳代において過去1年間の性交におけるコンドーム使用頻度は低く, 全年齢階級における献血経験率は東京都住民基本台帳人口あたり年齢階級別献血率1) より高く, 検査目的献血の存在が示唆された.
  • ―2年間のフォローアップ研究による―
    宇佐美 千恵子, 渡辺 理江, 菅原 崇博, 白澤 貴子, 神山 吉輝, 川口 毅, 星山 佳治
    2005 年 65 巻 5 号 p. 433-442
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    健康な者がよりよい食生活行動をとることによって, 血液成分や血中脂質値等にどのような影響を与えるかを明らかにすることは, 健康教育を行っていく上での基本的な事柄である.しかし, これらの食生活行動の変化や継続が健康診断等による生化学的検査成績や肥満度等にどのような影響を与えるかについての追跡研究は少ない.そこで看護短期大学生を対象に入学時点と2年次, 3年次にわたって健康行動と身体検査成績をレコードリンケージし, プロスペクテイブに疫学研究を行った.その結果, 1年次と3年次で共に「朝食をほぼ毎日食べる」群では, 1年次と3年次共に「週2~5回食べる」または「ほとんど食べない (週1回以下) 」群に比較して, 血清鉄が有意に高かった.同様に1年次と3年次で共に生野菜を「ほぼ毎日食べる」群は, ヘモグロビン値と血清鉄が有意に高かった.以上の結果から, 代謝系に障害のある高血圧や糖尿病のような生活習慣病の患者の場合とは異なり, 健康者での食品摂取と血中の臨床生化学的検査値との関連は, 人のホメオスターシス等が働くため, 食生活の内容の変化がそのまま検査値の変化には必ずしも直結しないが, 朝食や生野菜の摂取について長期的に観察すると臨床生化学的検査値に変化が現れることが推察された.
  • 渡辺 英靖, 水間 正澄, 川手 信行, 笠井 史人, 真野 英寿, 依田 光正, 北川 寛直, 豊島 修, 高崎 幸雄, 松宮 英彦
    2005 年 65 巻 5 号 p. 443-448
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    1991年~2000年までの9年間, 当科で内反尖足・槌趾の観血的治療を行った脳卒中片麻痺患者12例について, 手術に至るまでの保存的治療法, 手術術式, 手術後の足関節可動域・歩行状態・日常生活動作をレトロスペクティブに調べた.保存的治療は, 運動・温熱療法, 薬物療法, 装具療法が行われた.手術術式はアキレス腱延長術11例 (vulpius法3例・Z延長法8例) , 足指屈筋腱切離術8例 (前者併用7例) であった.術後の関節可動域, 歩行状態・日常生活動作も改善した.手術に至った症例は9年間で12例と少なく, 観血的治療法は, 保存的治療の効果をみて決定すべきであり, 最終的な手段として行われるべきと考えられた.
  • 2005 年 65 巻 5 号 p. 449-450
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 洋
    2005 年 65 巻 5 号 p. 450-455
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 川本 篤彦
    2005 年 65 巻 5 号 p. 455-459
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 中村 雅也
    2005 年 65 巻 5 号 p. 459-461
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 大橋 一夫
    2005 年 65 巻 5 号 p. 462-467
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 65 巻 5 号 p. 467-472
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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