昭和医学会雑誌
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49 巻, 5 号
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  • 根岸 雅夫
    1989 年 49 巻 5 号 p. 415-421
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 寺田 秀夫
    1989 年 49 巻 5 号 p. 422-429
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―主として糖代謝について―
    香川 豊明
    1989 年 49 巻 5 号 p. 430-439
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    高齢者の麻酔管理は各臓器の機能低下や合併症などの点から問題が多く, 術中輸液についても若年者より慎重な管理が要求される.今回, 65歳以上のASAのPhysical Status1~2の開腹術例を対象として, 輸液剤には乳酸リンゲル液 (LR) , 5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液 (LR-D) , 酢酸リンゲル液 (AR) , 5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液 (AR-D) の4種類を用い, 輸液速度はそれぞれにつき5ml/kg/hか10ml/kg/hで行って, 対象を8群に分け, 各群につき10例で合計80例で検討した.麻酔の導入, 気管内挿管はサイアミラール, サクシニルコリンを用いて行い, 麻酔の維持は酸素, 笑気, ハロセンで行った.一般状態, 循環動態のチェックとともに, 採血, 採尿を, 術前, 1時間後, 2時間後, 3時間後の4回行い, 電解質, 酸塩基平衡, 糖代謝, 腎機能などに及ぼす影響を検討した.ARの酢酸は肝臓だけでなく末梢組織でも代謝される利点があるが, 今回の結果では腎機能の面からはLRより尿量が多く良いと思われたが, 脈圧の減少など循環系の抑制傾向がみられ, 高齢者ではLRより優れているとはいえなかった.5%ブドウ糖添加に関しては, LR-DとAR-Dの5ml/kg/hの輸液速度では300mg/dl以上の異常高血糖を示す例が, 3時間値で, それぞれ6例, 4例であった.LR-DとAR-Dの10ml/kg/hの輸液速度では2時間値, 3時間値で300mg/dl以上の高血糖を全例で示し, さらに乳酸, ビルビン酸とともに上昇し, アシドーシスの傾向がみらた.これは, 高齢者では耐糖能の低下が進行しているため, ブドウ糖の投与量が過量になったことを示し, ブドウ糖は, 異化作用防止, エネルギー補給などの点で必要であるが, 5%のブドウ糖濃度は, 高齢者には高すぎ, 適切ではないと考えられた.輸液速度は5ml/kg/hでは過少と考えられ, 10ml/kg/h位が高齢者でも総量として必要と考えられた.高齢者に対する術中輸液としては, 輸液剤はLR主体でよく, ブドウ糖添加は低濃度が望ましく, 輸液速度は麻酔の状態に応じて変えていくのが良いと思われた.
  • 楠本 盛一, 岡 壽士, 宮山 信三, 小嶋 信博, 鈴木 快輔
    1989 年 49 巻 5 号 p. 440-443
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    当院にて, 治癒手術を施行し得た原発性直腸癌80例について, 壁深達度を中心に検討を行った.1.直腸癌の壁深達度別の内訳は, m, smは, 12.5%, pmは28.8%, ss, a1は17.5%, s, a2は36.3%, si, aiは5%であった.2.腫瘍径の増大に伴い, 壁深達度は深くなる.3.CEAの陽性率はm, smおよびpmでは低いが, 深達度の深いものは陽性率が高い.4.組織型では高分化腺癌が多かった.深達度が深くなると, 中分化腺癌及び低分化腺癌の占める割合が多くなる傾向がみられた.5.静脈侵襲, リンパ管侵襲は壁深達度に伴い増加する傾向にある.6.深達度が深くなるにつれて, 3年生存率も低下する傾向にある.7.リンパ節転移は, pmまでの症例ではリンパ節転移は少ないが, ss, a1以上になると転移陽性率が, 50%を超えた.pmであってもリンパ節転移が認められたものは, 3生率50%以下と予後不良であった.8.壁深達度は予後判定の上で重要な因子であり, リンパ節転移と関連がある.
  • 植竹 照雄
    1989 年 49 巻 5 号 p. 444-453
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    筋線維構成の筋内部における位置的な相違の存否を明らかにするためにカニクイザルの大腿四頭筋およびハムストリング筋各筋の各部位 (近位部, 中央部, 遠位部) における筋線維構成を検討した.研究対象は雌のカニクイザル2頭で, 10%中性ホルマリンにより灌流固定されたものである.各筋の三断面から得られた薄切切片について, Sudan Black B染色を施して三筋線維型, すなわち, 白筋線維, 中間筋線維, 赤筋線維を分別, それらの断面積の計測を行うとともに, 単位面積中の筋線維数を求め, 三筋線維型の比率を算出した.結果は次のとおりである.1) 大腿四頭筋およびハムストリング筋の各部において, 白筋線維比は三筋線維型中最も高く, 40-70%を占めたが, 中間筋線維比および赤筋線維比については筋, および個体により一定しなかった.2) 筋線維型比の部位差については, 大腿四頭筋では白筋線維比は遠位部が, 赤筋線維比は近位部がそれぞれ他よりも高い傾向がみられ, 外側広筋, 内側広筋, 大腿直筋においては著明であった.3) 一方, ハムストリング筋群では白筋線維比は近位部が, 赤筋線維比は遠位部がそれぞれ他よりも高い傾向がみられ, 大腿二頭筋, 固有半膜様筋において明らかであった.4) ハムストリング筋中, 副半膜様筋では大腿四頭筋と同様の傾向がみられた.5) 各筋における筋線維断面積は一般的に三筋線維型ともハムストリング筋の方が大腿四頭筋よりも大きく, 検査した筋の中で最大は半腱様筋で, 大腿二頭筋がこれに次ぎ, 最小は中間広筋であった.6) 筋線維断面積を各筋の部位別に比較すると一般に三筋線維型とも遠位部は他の部位より小であったが, 半腱様筋のみは遠位部と近位部の間には差がみられなかった.
    以上のことから筋線維構成においても筋内部で機能的分化が現れることが考えられた.
  • ―血液凝固線溶能の検討―
    大塚 邦子, 笠原 多嘉子, 小口 勝司
    1989 年 49 巻 5 号 p. 454-458
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ヒト胎盤水解物製剤Laennec (LAE) は, 肝疾患に対して皮下あるいは筋肉注射によって用いられてきた.SD系雄性ラットによるCC14急性肝障害に対するLAE静脈注射の影響を血液凝固能ではHPT, PT, PTT, フィブリノゲン, 凝固XIII因子, AT III, 線溶能ではPLG, α2PIについて検索した.肝障害の指標としてはGOT, GPTを測定し, その他, Ht, 肝重量対体重比も測定した.CCl4 0.5ml/kgに対してLAE1.0ml/kg, 同日に2回静注投与ではPTおよびPTTに改善が認められた.またCCI41.0ml/kgに対してLAE1.0m1/kg, 前投与, 4日間静注ではPTおよびPTTには改善がみられなかったが, 肝重量対体重比の増加が抑制された.
  • 有馬 澄子
    1989 年 49 巻 5 号 p. 459-470
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    人体の形態や姿勢の把握と表現の方法は, 家政学, 医学, 人類学等の研究調査に欠くことができないにもかかわらず, 骨格計測を主体としたMartin法によるものの他に, 適切な方法は確立されていない.本研究は, 若い女子の身体形態特性に着目し, その把握と表現法の開発を目的に実施したものである.研究方法は, Silhouetter写真を用いるSilhouetter法, Slidinggaugeによる水平横断面輪郭図を用いるSlidin ggauge法, Laserによる自動描画装置で描いた水平横断面輪郭図を用いるLaser法の3つの方法を選んで, 体型を採取し, この実験データを用いて, 体型の表現方法について検討した.研究調査対象は, Silhouetter法は205名, Sliding gauge法は7名, Laser法は20名で, いずれも18~23歳の若い女子とした.結果および考察1) 8方向のSilhouetter写真によって, 下半身 (腹部最小囲計測位置より下部) の形態特性を明らかにする中で大腿前部, 側部ないし下腹部において, 最外突出点を持つ者があることを明らかにし, 従って, 殿囲計測位置以外にも存在するこれらの突出点を考慮すべきことを明らかにした.2) Slidinggauge法による殿囲周辺の形態観察の結果は, データの因子分析から「前面」「側面」「前側後側面」「後面」のそれぞれの特徴を表わす4つの因子が抽出され, それによって殿囲周辺の形態的特徴を明らかにした一すなわち, 「前面因子」は腹部の形態特徴, 「側面因子」および「前側後側面因子」は大腿部の前後および側部の形態特徴, 「後面因子」は殿部の形態特徴を表現するものであることを明らかにした.3) Laser法によって, 乳頭位胸囲, 腹部最小囲, 殿囲のThreesizesの計測位置における水平横断面を用いて, それらの相互位置関係を検討した結果, 身体の形態を把握.表現する4つの形態因子を抽出した.これによって腹部水平面を基準にして胸部水平面, 殿部水平面のずれによる身体の形態特性の表現方法を明らかにした.また, この4つの形態因子によって, 6つの身体形態グループに分かれることが明らかとなった仏以上のように, 1) と2) の方法は, 下半身の形態を把握.表現するには適切なものといえる.3) の方法は, 身体全体の形態特性の表現法として適切なものといえる.今後は, さらに被験者の層を拡げ, 本研究によって得られた身体特性の表現方法を用いて, 性別及び年齢別の身体形態の比較研究に発展・継続させて行きたいと考えている.
  • 村瀬 永策, 坪水 直子, 菅田 文夫
    1989 年 49 巻 5 号 p. 471-479
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    各種肝疾患患者にタウリンを経口的に投与した際の胆汁酸動態を検討するために, 慢性肝炎 (CH) , 代償性肝硬変 (CLC) , 非代償性肝硬変 (DLC) , 原発性胆汁性肝硬変 (PBC) 患者, および健常者に対して, 経口的なタウリン負荷試験を行い, その血中胆汁酸動態ならびに血清総コレステロール, リン脂質の変動について検討を行った.血清総胆汁酸濃度 (TBA) は, CLC, DLC, PBCで健常者に比し有意な高値を示したが, タウリン負荷の影響は認められなかった.健常者, CH, CLC, PBCでは, タウリン負荷後有意なG/T比の低下が認められたが, DLCではタウリン負荷後も有意なG/Tの低下は認められず, 肝細胞におけるタウリン抱合能の低下等が示唆された.CAICDCA比はPBCにおいて他疾患に比べ高値を示したが, タウリン負荷による一定の変動傾向は認められなかった.血清総コレステロール, リン脂質に関してはタウリン負荷による影響はとくに認められなかった.今回の成績より肝疾患の種類によりタウリン負荷後のGIT比の変動に差がみられることが明らかであり, 経口タウリン負荷試験は, 肝疾患の病態把握にある程度役立ち得るものと考えられた.
  • ―環境温との関係について―
    久住 武, 石井 香志恵, 久住 真理, 新井 景子, 石崎 文雄, 浅賀 英世, 岡本 途也
    1989 年 49 巻 5 号 p. 480-487
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    鼻部皮膚温は鼻症状と関係し, 鼻が通っている状態では周囲の皮膚温より低く, 鼻閉の状態や鼻汁分泌が多い場合には高くなり周囲との差がなくなる.鼻にはさまざまな生理学的機能があり, 吸気に対する加温作用もその1つである.逆に考えると, 鼻腔粘膜は外気によって冷却を受けていることになる.この現象が鼻部皮膚温に反映していると考えられている.そこで, 環境温と鼻部皮膚温との関係をみる目的で約1年間を通じて両者の関係を観察した.また, 短時間で室温を上昇させた場合や綿栓負荷を行なった場合の鼻部皮膚温の変化についても検討した.対象は, 鼻閉患者94例と鼻正常者135例とした.方法は, サーモグラフィを用いて顔面の皮膚温を測定し, 前額部・鼻部・頬部について比較を行った.検査室の条件は, 1) 特別な温度調節をしない状態 (季節性変化) , 2) 低い環境温から短時間で室温を上昇させた場合, 3) 室温を15℃に固定した状態で鼻入口部に綿栓を行った場合の3通りとした.その結果, 鼻正常者では季節的に環境温が高くなるにしたがって鼻部皮膚温も徐々に高くなる傾向が認められた.しかし, 環境温が24℃~25℃になると鼻部皮膚温は前額部皮膚温との差が小さくなり, 高温のまま安定した状態になった.鼻閉患者ではどの季節の環境温でも前額部皮膚温との差が小さく高温であった.短時間で室温を上昇させた場合の鼻部皮膚温は, 僅かな室温の上昇でも高くなり, 前額部皮膚温との差がなくなる傾向を示した。15℃の環境温下で綿栓負荷を行った場合の鼻部皮膚温は綿栓負荷で前額部皮膚温に近い値まで上昇し, 綿栓負荷の除去で元に戻った.前額部皮膚温や頬部皮膚温は鼻正常者群・鼻閉患者群に関わらず, 自然環境温の中でも短時間で室温を変化させた場合でも, さらに綿栓負荷を行った状態でもほとんど変化しなかった.
  • ―施灸, 施鍼および漢方方剤黄連解毒湯のマウス遅延型過敏症への影響の比較検索―
    笠原 多嘉子, 呉 育興, 王 〓, 桜井 淑子, 小口 勝司
    1989 年 49 巻 5 号 p. 488-495
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    遅延型過敏症 (DTH) は免疫反応によって惹起される炎症反応であり, 個体の細胞性免疫の総合されたものがin vivoで観察しうる実験系である.この反応は生体防御の重要な一機構で, 感染症や腫瘍免疫とも密接な関係がある.このDTH発現の増幅, 抑制が, 生体への直接刺激という東洋医学の手法, すなわち, 艾の燃焼による熱刺激 (施灸; Moxibustion, Mox) , 鍼刺激 (施鍼Acupuncture, Acu) でいかなる影響を受けるかを, 薬物として抗炎症, 抗浮腫, 止血作用を持つとされる漢方方剤の黄連解毒湯 (Ohrengedoku-toh, Oh) の経口投与を行い, その作用と比較検索した.実験動物は6~9週齢ddY系雄性マウス, 抗原は塩化ピクリル (PC) を用いた.生体刺激部位は中医理論において, 免疫と密接な関係があるとされているヒト命門穴 (後正中線上で, 第2~第3腰椎棘突起間) 相当部位とした.Moxは艾10mg/bodyを5個に分け, 同一部位で5回燃焼させた.Acuは鍼を30゜の角度で約2mm刺入し, 低頻度通電刺激を行った.Ohは自製し, ヒト投与量の5倍量を経口投与した.ddY系マウスは2次反応が著しいため, PC-DTHは第1次および第2次の2回の免疫反応について耳介腫脹を測定した.また, 第2次反応測定後, 耳介, 肝, 副腎および腫脹耳側の頸部リンパ節の組織像の観察と血液一般検査を行った.DTHの有意な増幅は, Mox, AcuのPC感作前3日間処置で認められた.DTHの有意な抑制はMox, AcuおよびOhのPC惹起前3日間処置で認められた.このとき, 末梢血の単球の変動や頸部リンパ節の免疫反応がみられた.以上の結果より, 生体特定部位直接刺激法であるMoxとAcuでは処置の時期によって免疫応答の促進と抑制の両作用がみられ, 漢方方剤Ohでは抑制作用のみが認められた.これら東洋医学的療法には, 細胞性免疫反応を有意に修飾する作用があるものと考えられる.
  • 熊谷 一秀, 安井 昭, 西田 佳昭, 真田 裕, 増尾 光樹, 吉利 彰洋, 中山 旭, 田崎 博之, 平瀬 吉成, 小林 建一, 崔 相 ...
    1989 年 49 巻 5 号 p. 496-500
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    高齢者社会の到来により必然的に70歳以上の高齢者の胃癌切除例も多く経験されるようになった.今回は胃癌の年齢別特徴という観点より高齢者胃癌の臨床病理学的特性の検討を行った.当科で切除された胃癌186例中70歳以上の高齢者26例 (14%) を対象とした.早期胃癌の頻度は11例 (42%) と他年齢層と同様であった.これら高齢者群を70歳未満の年齢群と比較しつつ検討し以下の結果を得た.1) 肉眼型: 早期癌は高齢者群で隆起性癌が36%と多いが, 70歳未満では隆起性癌20%と少なかった.2) 癌巣の大きさ: 高齢者早期癌例では11例中6例 (56%) が長径2cm以下の小胃癌であり, 70歳未満群では2~5cm大の中胃癌が多い傾向にあった.3) 組織型: 高齢者群は70歳未満群に比し分化型腺癌が多く, 特に早期癌では11例中9例が分化型腺癌であった.4) 占居部位: 高齢者早期癌で11例中7例 (64%) がA領域にあり, 70歳未満群ではM領域に過半が占居していた.5) 占居腺領域: 高齢者群の臨床病理学的特徴は癌固有の性質にもよろうが, 多くは癌巣の背景胃粘膜によって特徴づけられていることが想像されることから早期癌症例の背景胃粘膜を検討した.高齢者群は11例中8例 (73%) と多くが幽門腺領域, 残り3例が中間帯領域にあり, 胃底腺領域癌は存在しなかった.一方, 70歳未満群は胃底腺領域癌13%, 中間帯領域34%, 幽門腺領域53%であった.以上70歳以上の高齢者早期胃癌は限局性の小型の分化型腺癌が多く, 占居部位はA領域, 幽門腺領域に大部分占居するという特徴を認めた.
  • 宮坂 圭一, 菱田 豊彦, 石川 昌澄, 小笹 潔
    1989 年 49 巻 5 号 p. 501-504
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    露出血管を伴う消化性潰瘍73例について検討した.なお, 急性胃潰瘍, Dieulafoy潰瘍は除いている.露出血管を伴う消化性潰瘍は, 男性の場合40~59歳に多く, 女性は50~69歳に多くみられた.自覚症状は, 胃潰瘍の場合吐血が多く下血, 腹痛の順であった.十二指腸潰瘍の場合, 下血が多く腹痛, 嘔気・嘔吐の順であった.部位的には, 体上部後壁側が多く体下部小轡, 胃角部小轡後壁側の順であった.潰瘍底における露出血管の位置は, 胃角部で潰瘍底の中心部に多く, 体部では潰瘍底の口側後壁側にみられることが多い.十二指腸では, 口側前壁側に多く認められることがわかった.
  • 中野 浩, 生田目 公夫, 広瀬 忠次, 浜井 直人, 佐々木 栄一, 小野村 義文, 大久保 雅彦, 幕内 幹男, 清水 浩二, 池田 忠 ...
    1989 年 49 巻 5 号 p. 505-509
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    胃と膵胆道系の重複癌の頻度は少なく, 中でも異時性重複癌の手術例の報告はほとんどみられない.今回, 胃と十二指腸乳頭部の異時性重複癌の1手術例を経験したので報告する。症例は70歳男性.昭和57年3月, 前庭部後壁のBorrmann1型胃癌にて胃亜全摘術を施行した.術後外来にて経過観察中, 60年11月末に突然に皮膚の黄染が出現し来院.生化学検査にてT-Bil.12.3mg/dlと高値であった.入院後のPTCD施行時の造影にて乳頭部の異常所見が認められ, 内視鏡検査にて乳頭部癌と診断された.61年1月に膵頭部十二指腸切除術を施行した.切除標本ではOddi筋に浸潤を認める十二指腸乳頭部癌であった.
  • 中野 浩, 生田目 公夫, 中村 豊英, 高 用茂, 広瀬 忠次, 浜井 直人, 佐々木 栄一, 小野村 義文, 大久保 雅彦, 幕内 幹男 ...
    1989 年 49 巻 5 号 p. 510-514
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    症例は83歳女性.昭和61年4月健診にて胸部食道の約1cmの小隆起性病変を指摘され, 当科入院となった.生検では中分化型扁平上皮癌であった.深達度smの表在隆起型食道癌と診断したが, 高齢, 低肺機能のため手術困難と判断し, レーザー内視鏡治療, 放射線療法, PANA Oil BLM経口接触療法等の治療を施行した.当初, 局所コントロールは良好であったが, 63年になり病変進行が著明となり内視鏡下食道内挿管術を施行したが, 63年6月消化管出血にて死亡した.内視鏡治療を中心とした集学的治療により比較的有効な在宅療養期間が得られた症例と考え報告する.
  • 児玉 恭子, 辻 まゆみ, 大泉 高明, 小口 勝司, 真柳 誠, 小口 勝司, 濱田 健司, 酒井 均, 甲斐 研一, 飯田 茂幸, 植田 ...
    1989 年 49 巻 5 号 p. 515-520
    発行日: 1989/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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