昭和医学会雑誌
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64 巻, 4 号
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  • 後藤 昇, 中西 亮介, 綾部 真一, 鈴木 淳, 海野 誠
    2004 年 64 巻 4 号 p. 323-331
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    頚部変形性脊椎症の形態学的検討について現在まで明らかになっている事実をまとめた.本症は加齢とともに起きる頚椎の変化が基盤にはあるが, 椎骨の問題よりも, むしろそれに伴う脊髄や頚神経などへの影響のほうが重要な問題である.解剖学的な背景と, 頚部変形性脊椎症の形態学的検討に分けてまとめてある.
  • 中島 修, 福地 邦彦, 五味 邦英
    2004 年 64 巻 4 号 p. 332-339
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    昭和大学病院において2001年2月から7月の6カ月間にMIC測定とクラブラン酸抑制試験により検出されたE. coli205株のうち5株 (2.4%) , K.pneumoniae93株のうち3株 (3.2%) とK. oxytoca52株のうち2株 (3.8%) がESBLs産生と判定された.ESBLs産生と判定されたE. coli, K. pneumoniaeおよびK. oxytocaのSpe I消化後のパルスフィールド電気泳動パターンによる分子疫学解析を行ったところ, E. coliの2株, K. pneumoniaeの2株, およびK.oxytocaの2株が同一のゲノム型であった.しかし, 同一ゲノム型であってもE.coliK. oxytocaはそれぞれ異なるMICパターンを示した.さらに, これら分離菌のTEM型β-1actamase遺伝子の存在をPCRで確認したところ, 同一ゲノム型を示したE.coliの2株と, K.pneumoniaeの1株で検出された.これらTEM型β-lactamase遺伝子の塩基配列解析の結果, これらは既知のESBL変異とは一致しておらず, さらに, 3株由来のTEM型β-lactamase遺伝子配列は同一ではなかった.
    ESBLs産生グラム陰性桿菌は, 耐性責任遺伝子が多数あるため, MICパターンや, 耐性責任遺伝子解析では感染経路に関わる十分な情報が得られない.このため, ESBLs産生グラム陰性桿菌による院内感染防止のための疫学解析にはゲノム型解析が必須といえる.
  • ―嚥下障害の改善と治療成績との関連について―
    水谷 好秀, 北原 規
    2004 年 64 巻 4 号 p. 340-346
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    進行性胸部食道癌の症例において, 嚥下障害の改善が化学放射線治療後の生存率に影響を及ぼすかどうかをretrospectiveに検討した.進行性胸部食道癌で嚥下障害が治療前に認められた46症例を対象とした.化学療法と放射線治療を同時に施行された症例は39例で, 放射線治療単独は7例であった.治療前の嚥下障害の程度を5群 (スコア0から4) に分けて, 治療後の生存率との関連性を検討した.治療後固形物の摂取が可能になった症例 (スコア0群と1群) は46症例中30症例 (65.2%) であった.それらの症例における生存期間の中央値は12ケ月, 1年生存率は53.2%であった.しかし治療後に嚥下障害が改善しなかった16症例の生存期間の中央値は4ケ月, 1年生存率は17.9%であった.嚥下障害が改善された症例は改善されない症例と比較して有意に生存率が高かった (p=0.0002) .食道癌の部位別では, 上部食道癌ほど生存率が低かった.進行性胸部食道癌の化学放射線治療においては, 嚥下障害の改善は患者の生存率を左右する重要な因子の1つである.
  • 北見 由季, 小倉 美代子, 北見 周, 末木 博彦, 飯島 正文
    2004 年 64 巻 4 号 p. 347-353
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年Lichen Planus (LP) の病変部においてCDla陽性樹枝状表皮細胞が増加していると報告されているがその意義については不明な点が多い.今同我々は, LPにおける表皮Langerhans細胞の動態を明らかにすることを目的として以下の検討を行った.LP10例, 対照としてdermal typeのerythema exsudativum multiforme (EEM) 10例の生検皮膚と10例の皮膚良性腫瘍の切除時に採取した正常皮膚について抗ヒトCDla抗体を用いて, 蛍光抗体間接法を施行した.画像解析装置により表皮1mm2あたりのCD1a陽性樹枝状表皮細胞数, 細胞質突起の長さを計測, 同時に電顕的に観察した.LPではCD1a陽性樹枝状表皮細胞数, 細胞質突起の長さとも対照群より有意に増加および伸長していた.電顕的にLPでは表皮Langerhans細胞の細胞質に豊富な細胞内小器官が見られ, 一部のLangerhans細胞では多数のBirbeck顆粒が充満する所見が得られ, 活発な細胞内代謝が示唆され免疫病理学的所見を裏づける結果と考えられた.
  • 阿部 裕美子, 青柳 順, 安倍 徳寿, 荒川 香, 有馬 秀英, 石田 千晶, 渋谷 まさと
    2004 年 64 巻 4 号 p. 354-359
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    息こらえの学習効果の持続時間を8名の健康成人で測定した.連続して5回息こらえを施行した.毎回の息こらえ前, 5分以上安静状態を保ち, 一定の終末呼気CO2濃度から息こらえを施行した.また, 数日後, 1ヵ月後に同じプロトコールをくり返した.初日, 息こらえ時間は初回, 33.0±10.7秒, 5回目, 51.5±14.4秒であった.数日後, この学習効果は持続し, 初回の息こらえ時間39.1±14.4秒は初日の初回より有意に延長していた.2回目以降の息こらえ時間は初日と同等であった.1ヵ月後, どの回の息こらえ時間も初日と同等であった.息こらえに影響をおよぼしそうな因子 (健康状態, 食事量, 飲酒量, 睡眠時間, 喫煙, 服薬, 運動) はほぼ一定であった.息こらえ自体, および/または, その後の換気亢進が呼吸筋に作用して, その後の息こらえを延長させ, その作用は数日は持続するが1ヵ月は持続しないとの仮説が, 文献的検討からも, 可能と思われた.
  • 石井 康夫, 菊池 雷太, 野村 憲弘, 五味 邦英
    2004 年 64 巻 4 号 p. 360-367
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    真菌感染症では, 原因真菌の検出が最も正確な真菌感染症診断ではあるが, 真菌性敗血症, 真菌性肺炎などでの真菌の分離培養は困難な場合が多い.今回, カンジダ敗血症の補助診断として行われている血清マーカーの, (1→3) β-D-glucan, 易熱性蛋白抗原 (カンジテック抗原) 測定の有用性を培養検査と関連付けて検討した.血液培養の結果, 真菌陽性であった症例において (1→3) β-D-glucanを測定した症例はすべて (1→3) β-D-glucan陽性であった.一方, 血液培養陽性16症例でカンジテック検査を施行した9症例中, 6症例でカンジテックが陽性であった.しかし陰性の3症例のうち2症例では, (1→3) β-D-glucanが300pg/ml以上であったにもかかわらずカンジテックは陽性とならなかった.敗血症症例での (1-3) β-D-glucan値の変動と血液培養の結果の相関は16症例中10症例 (63%) で明確に現れており, (1→3) β-D-glucan値が病勢の推移をも反映しているといえた.カンジダ敗血症の診断において, (1→3) β-D-glucan測定により, 血液中のカンジダの存在を見逃すことはないといえる.
  • 普光江 嘉広, 李 雨元, 村上 雅彦, 清水 喜徳, 草野 満夫, 北之園 高志, 橋本 東児, 後閑 武彦
    2004 年 64 巻 4 号 p. 368-372
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年, 各種内視鏡検査機器の進歩により, 消化管出血の多くは, 内視鏡下に診断および止血処置が可能となった.しかし, 未だ全ての消化管出血に対して内視鏡検査・治療が有効とはいえないのが現状である.今回, 消化管出血に対して内視鏡検査を施行後, 引き続き行った腹部血管造影によるInterventional radiology (IVR) が有効であった3例を経験したので, 文献的考察を加え報告する.
  • 2004 年 64 巻 4 号 p. 373
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 久慈 一英
    2004 年 64 巻 4 号 p. 374-381
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 小野 賢二郎, 山田 正仁
    2004 年 64 巻 4 号 p. 381-385
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 新井 平伊
    2004 年 64 巻 4 号 p. 385-392
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 2004 年 64 巻 4 号 p. 392-397
    発行日: 2004/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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