sodium laurate (SL), thiamine dilauryl sulfate (TL), laurylamine (LA), sodium lauryl benzenesul fonate (LBS), methyl laurate (LMe), ethyl laurate (LEt), lauryl chloride (LCl), sodium laurate (LNa),
p-hydroxybenzoic acid lauryl ester (pHBAL) の計9種類のラウリル系化合物の清酒に対する防腐作用を検討した.
1. 清酒中での薬剤の火落菌に対する抗菌性, 溶解性の点でLAとLEtがもっともすぐれていた. とくにLA添加清酒のタービデテー (清酒の濁度の度合をあらわす数値) の増加はまったく認められなかった.
2. LA, LEtの各火落菌に対する最少発育阻止濃度 (M.I.C.) は4~6ppmであり, 3~4ppmの濃度で大部分の火落菌に対してサリチル酸 (250ppm) と同程度に有効であった.
3. 官能検査の結果からLAは3~4ppmの添加で酒にまったく異味異臭を与えなかったが, LEtは同濃度で異臭を与えた.
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