食品衛生学雑誌
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34 巻, 6 号
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  • 福田 伸治, 小川 博美, 門田 達尚
    1993 年 34 巻 6 号 p. 491-495_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    広島県の旅館, 飲食店及び仕出し屋において, 1965年から1991年の5~10月に発生した食中毒について, 発生規模 (1件当たりの患者数で3群に分類) と月及び曜日の違いにより生じるカレンダー効果との関連性を対数線形モデルを用いて検討した. 1件当たりの患者数の分布をみると, 月及び曜日による有意な差 (Kruskal-Wallis 検定) は認められなかった. しかし, 規模と月及び曜日の相互作用をみると, 小規模 (患者数7名以下) の事例及び大規模 (45名以上) の事例では, 5月及び6月との, 更に大規模の事例では10月との相互の関連が強く, 中規模 (8~44名) の事例では, 7月, 8月及び9月との相互の関連が強いことが認められた. また, 小規模の事例では, 金曜日, 大規模の事例では月曜日及び火曜日との相互の関連が強いことが認められた.
  • 宮田 昌弘, 鎌倉 和政, 平原 嘉親, 成田 美加子, 岡本 浩一郎, 長谷川 真住, 鯉口 智, 山名 孝善, 外海 泰秀, 伊藤 誉志 ...
    1993 年 34 巻 6 号 p. 496-507_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    野菜, 果実, 茶について凝固法を用いたアセトン抽出を行い, 穀類, 豆類についてアセトニトリル抽出し, ヘキサンで脱脂を行う方法を用いて, NPD-GC, GC/MSにより12種ピレスロイド系農薬を, またFPD-GCにより29種有機リン系農薬を, 同時に分析する多成分一斉分析法を作成した. 本法により輸入レモン及びオレンジからクロルピリホスをそれぞれ175ppb及び83ppb検出した. また輸入ウーロン茶からフェンバレレートを157ppb検出した.
  • 安井 陽子, 松下 純雄
    1993 年 34 巻 6 号 p. 508-511_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    イタリア産ワインに土壌くん蒸剤のメチルイソチオシアネート (MITC) が発酵調整剤として使用されていることが判明し, 多くのワインが検査されたが, MITCの検出率は非常に少なかった. そこでMITCの反応性から考え, ワイン中のエタノールとMITCとの反応物をGC/MSで解析した結果, メチルチオウレタンが生成されることが判明した. 著者らはイタリア産ワイン34検体についてMITCの定量を行い, 3検体にMITCが検出 (0.06~0.09ppm) され, 同時にメチルチオウレタンが検出 (0.10~0.17ppm) された. しかしMITCが検出されなかった31検体では, メチルチオウレタンは検出されなかった.
  • 尾関 尚子, 岡 尚男, 猪飼 誉友, 大野 勉, 早川 順子, 佐藤 猛男, 伊藤 求, 鈴木 亮而
    1993 年 34 巻 6 号 p. 512-516_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    12種類の食用タール系色素の試料濃縮法を用いた逆相TLC/FABMSによる同定法を検討した. TLC/FABMS用のマトリックスとしてはマジックビューレットが最適で, 食用青色2号を除く11種の色素のTLC/FABマススペクトルを測定することができた. 逆相TLCの展開容媒としては, メチルエチルケトン-メタノール-5%硫酸ナトリウム水溶液=1:1:1 (キサンテン系用) 及びメタノール-アセトニトリル-5%硫酸ナトリウム水溶液=3:3:10 (その他の色素用) を使用した. 本法を市販食品に応用したところ, 容易に色素を同定することができた.
  • 岡 尚男, 猪飼 誉友, 早川 順子, 原田 健一, 益田 勝吉, 鈴木 真言, 姫井 るり子, 堀江 正一, 中澤 裕之
    1993 年 34 巻 6 号 p. 517-523_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    はちみつ中残留テトラサイクリン系抗生物質 (TCs) の試料濃縮法を用いたTLC/FABMSによる同定法を確立した. FABMS用のマトリックスとしてはチオグリセリンが, TLC条件はC8プレートを用いた逆相TLCが最適であった. また, TLC上で試料スポットの濃縮を行う試料濃縮法は, 50倍の検出感度の向上が認あられた. TCsのクリーンアップ法はC18カートリッジとカルボン酸 (弱陽イオン交換) カートリッジを組み合わせた方法が有効であった. 本法によるTCsの検出限界は, はちみつ中0.1ppmであった. クロルテトラサイクリンの残留が認められたはちみつに本法を適用したところ, その残留が確認された
  • 飯村 和生, 細野 明義
    1993 年 34 巻 6 号 p. 524-528_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ソバ種実の細菌叢を明らかにする目的から, 長野県並びに北海道で栽培されたそば種実の細菌叢を調べた. また, 種実に汚染した微生物のそば切りへの移行を明らかにするために手打法によりそば切りを製麺し, 汚染菌数を求めた. 供試のそば種実に汚染している細菌数はいずれも105~108cfu/gであった. 全般的にグラム陽性菌に比べ, グラム陰性菌の菌数が高いことが認あられたがグルコース発酵性グラム陰性細菌と非発酵性グラム陰性細菌の菌数はいずれも試料により差がみられた. そば種実, そば粉に汚染している主細菌叢として Enterobacteriaceae や非発酵性グラム陰性細菌が多く検出された.
  • 石田 光晴
    1993 年 34 巻 6 号 p. 529-531_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    1%フタル酸ジエチルヘキシル (DEHP) 混入飼料を4週間投与した産卵鶏の卵, 肝臓及び胸肉に含まれるDEHPについて, 凍結乾燥, ロースト, ボイル, フライの各種調理加工法による含量の変動を調べた. 調理加工別による減少率は, 卵及び胸肉の場合, 凍結乾燥で21.1~43.5%, ローストで32.2~52.5%, ボイルでは17.9~33.1%及びフライで29.4~43.5%であり, 肝臓ではボイル, フライで約10%減少した. 調理後の各試料におけるDEHPの残留率は, 卵56.5~82.1%, 肝臓64.9~94.1%及び胸肉47.5~78.9%であり, 肝臓における残存率が最も高かった. 挽肉にした胸肉試料では, 約7時間の加熱によって, DEHP濃度は加熱前の1.98ppmから時間の経過に伴い減少し, 約1.5ppmで平衡状態になった.
  • 長南 隆夫
    1993 年 34 巻 6 号 p. 532-534_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    FPD (Sモード)-GC及びECD-GCを用いたタマネギ中のエチオフェンカルブ, ディルドリン, キャプタンの迅速定量法について検討した. 凍結した試料をリン酸溶液中で磨砕後, 含水アセトンで抽出し, 抽出物をヘキサンで再抽出した. エチオフェンカルブは抽出液をそのままFPD (S)-GCで, ディルドリン及びキャプタンはフロリジカラムクロマトグラフィーで精製後ECD-GCで分析すると妨害ピークは認められなかった. このときの農薬の回収率は84%以上であった. 一連の研究結果からFPD (P)-GC, FPD (S)-GC及びECD-GCを用いるタマネギ中の残留農薬の定量においては, 本法を用いると他の農産物における定量法をそのまま適用できることが判明し, 定量の簡便, 迅速化が可能となった.
  • 山田 真記子, 宮田 政明, 加藤 喜昭, 中村 幹雄, 西島 基弘, 柴田 正, 伊藤 誉志男
    1993 年 34 巻 6 号 p. 535-541_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中の酸化防止剤の一斉分析法を作成した. ブチルヒドロキシアニソール (BHA), ジブチルヒドロキシトルェン (BHT), 没食子酸プロピル (PG), ノルジヒドログアヤレチック酸 (NDGA), トリヒドロキシブチロフェノン (THBP), tert-ブチルヒドロキノン (TBHQ), 没食子酸オクチル (OG), 没食子酸ラウリル (DG) 及びヒドロキシメチルブチロフェノール (HMBP) をアセトニトリル-2-プロパノール-エタノール (2:1:1) で抽出し, 抽出液を冷却後ろ過し, ろ液を濃縮後一定量としたものをHPLCにより定量した. 検出波長は280nmを用いた. 食品にそれぞれ100μg/g添加したときの回収率は84.9~101.6%であり, 9種類の酸化防止剤の検出下限はいずれも1.0μg/gであった.
  • 尾関 尚子, 岡 尚男, 猪飼 誉友, 大野 勉, 早川 順子, 林 智子, 青山 富彦, 櫛引 康和, 佐藤 猛男, 伊藤 求, 鈴木 亮 ...
    1993 年 34 巻 6 号 p. 542-545_1
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    逆相TLCが食用タール系色素分析へ適用できるか否かを検討するために, 食品60種類162検体中の食用タール系色素を順相及び逆相TLCにより分析し, 分析結果を比較した. 順相TLCの場合, 試料中夾雑物の影響により, スポットがテーリングしRf値が小さく現われる傾向が見られた. しかし, 逆相TLCにおいては, 試料中の夾雑物の影響を受けることなく分離が良好に行われ, 試料中の色素のRf値は常に標準品のそれと一致していた. このことから,逆相TLCは食品中の食用タール系色素の分析に有用な手段であると考えられる.
  • 吉田 精作
    1993 年 34 巻 6 号 p. 546-547
    発行日: 1993/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
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