食品衛生学雑誌
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19 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • エネルギー・食糧を中心として
    工藤 健一
    1978 年 19 巻 4 号 p. 343-356
    発行日: 1978/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 良裕, 美濃川 幹子
    1978 年 19 巻 4 号 p. 357-362_1
    発行日: 1978/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    三陸沿岸のメヌケとスズキの高水銀の報道は, この魚の生活習性から, 三陸の水銀汚染が沖合部と沿岸部にわたると思われ, その事実と汚染中心部を確認するため検討を行った. 沿岸部においては三陸の隣接5湾の底土の水銀量を予備的に比較すると釜石湾が高かった. また各湾のほぼ同大のアイナメを採取してその水銀含量を各湾の平均値と体重当たり水銀推定値の回帰線で比較したところ, 釜石湾のものが高く, またすべての湾のものに水銀汚染を認めた. 沖合部においては, 10種の魚貝の水銀を測定したところすべてに水銀汚染を認めた. その量は魚貝の個体重量にほぼ比例していた. 次に本沿岸漁獲のサバについて季節別に水銀量の平均値と体重当たり水銀推定値回帰線の比較を行いサバの生活習性を考慮すると三陸沿岸の高汚染が推察された.
  • 油症原因油中の未知有機塩素化合物の検
    宮田 秀明, 樫本 隆, 国田 信治
    1978 年 19 巻 4 号 p. 364-371_1
    発行日: 1978/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    油症の実測PCB濃度は既報のPCB濃度 (総塩素濃度から算出された値) のわずか1/3~1/7であり, 大量の未知有機塩素化合物の存在を示唆している. 原因油をケン化, ヘキサン抽出後, GPCとTLCで精製した. GCおよびGC-MS分析の結果, 未知有機塩素化合物は polychlorinated quaterphenyl (主成分で, 量的に90%以上を占める), polychlorinated quaterphenyl ether およびPCTであることが確認された. 放射化分析の結果, これらの化合物は油症原因油中にPCBの1.1~4.1倍も含まれていることが確認された. したがって, 油症原因としてPCBとPCDF以外に根本的に大きな因子のあることが明らかになった.
  • 飯田 勝彦, 渡辺 重信, 池田 陽男
    1978 年 19 巻 4 号 p. 372-377_1
    発行日: 1978/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    野菜中の2,4-ジクロロフェノール, 2,4,5-トリクロロフェノール, 2,4,6-トリクロロフェノールおよび2,3,4,6-テトラクロロフェノールの4種のクロロフェノールの残留分析法を検討した. クロロフェノールは改良型精油定量装置で抽出し, アルカリ抽出後無水酢酸でアセチル化し, n-ヘキサンに転溶し, ECD付ガスクロマトグラフィーでα-BHCを内部標準として定量した. 検出限界は野菜50gの場合0.001~0.004ppmの範囲であった. 回収率はトマトで80~101%であった. この方法により9種の野菜を分析した結果, いずれも検出限界以下であった.
  • 農作物の保存中におけるエチレンチオウレアの消長
    宇野 正清, 岡田 作, 陰地 義樹, 松原 佐多子, 上田 栄次
    1978 年 19 巻 4 号 p. 378-382_1
    発行日: 1978/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    農作物の各種保存状態下におけるエチレンビスジチオカルバメート系殺菌剤とエチレンチオウレアの挙動を検討した. 保存温度は高いほどETU残留量は少なくなり, 太陽光照射下では5時間で半減した. 植物体内に取り込ませたETUは, 表面に散布したものと比べ安定していた. びん詰食品中のETUは, びん詰内の液のpHの低下に伴って分解が抑制され, 200日保存後でも, 調理加工により増加したトマトピューレびん詰中のETUは, ほとんど減少しなかった.
  • 堀江 進, 山田 満, 田中 久四郎, 山下 洋一, 相原 富雄
    1978 年 19 巻 4 号 p. 383-391_1
    発行日: 1978/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    Modified arabinose ammonium sulfate cholate medium (MAAC平板培地) を用いた魚介類の腸炎ビブリオ (腸ビ) 検査法を考案し, 実用試験を行った. 8月に東京都中央卸売市場に入荷した貝類40検体と鮮魚類の漬水30検体を用い, 試料原液と希釈液の0.1mlをMAAC培地に塗抹し, 42°で18時間培養した後, 黄色集落数により推定腸ビ数を測定した. これらの集落222個を試験したところ, その83.3%が腸ビに同定された. MAAC培地により得られる推定腸ビ数は真の腸ビ数にかなり近いものであり, 本法によれば魚介類の腸ビの迅速, 的確な検査が可能であることを認めた.
  • 林 長男, 渡辺 幸一, 石綿 肇, 水城 弘子, 谷村 顕雄, 倉田 浩
    1978 年 19 巻 4 号 p. 392-400_1
    発行日: 1978/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ヒト口腔内亜硝酸 (NO2-) 生成を動物実験により証明する目的で, サルに硝酸ナトリウム (NaNO3) の胃内経口投与を行った. サルは, 投与したNaNO3量と唾液中の硝酸 (NO3-) およびNO2-との間に顕著な経時的相関性を示したサル (good), 反対にそれらの関係が認められなかったサル (poor) とに区別された. この両者の主要な相違点は, 血液中NO3-のピークに差はなかったが, 唾液中NO3-では, good が終始血液中より高い濃度を維持したのに対し, poor では常に血液中より低い濃度で終始した. 口腔内微生物叢では good の最優勢菌種が Streptococcaceae, Bacteroides melaninogenicus, また多く検出された硝酸還元菌は Bacteroidaceae, Veillonella であった.
  • 慶田 雅洋, 中村 恵三, 鈴木 英世, 豊田 正武, 外海 泰秀, 伊藤 誉志男, 金田 吉男
    1978 年 19 巻 4 号 p. 401-404
    発行日: 1978/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    1. カンショ白糖製造工場のうち, 重油を燃料として使用している4工場を選び, 糖液の精製に使用する炭素飽充ガス (煙道ガス) の組成の実態調査を行った.
    2. ガスサンプルについて二酸化炭素, 酸素および一酸化炭素の分析を行った. 二酸化炭素は8~12%, 酸素は3~9%の範囲内で含まれていた. 一酸化炭素は1工場より微量 (7.1ppm) 検出しただけであった.
    3. 食添規格“二酸化炭素”の遊離酸および還元性物質 (リン化水素, 硫化水素および還元性有機物) の試験を行った結果は4工場とも合格した.
    4. 蒸留水に通気して調製した液状サンプルを用いてイオウ酸化物の試験を行った. 二酸化イオウは全く検出されなかった. 硫酸態の三酸化イオウも 2.9ppm以下であった.
    5. ガラス繊維ロ紙に捕集したダストサンプルについて多核芳香族炭化水素, ヒ素, カドミウムおよび重金属の試験を行った. 多核芳香族炭化水素は3, 4-ベンゾピレンとして0.6~2.3μg/m3のごく微量検出されたのみであった. ヒ素およびカドミウムは全く検出されなかった. 重金属については鉛および水銀は検出されず, 工場によってごく徴量のクロム, マンガン, ニッケルまたは銅を含む場合があった.
    6. 工場の使用している燃料の種類と煙道ガスの微量成分の間には関連性は認められなかった. カンショ白糖工場の炭酸飽充ガスは, 二酸化炭素含量は低いが, 有害性物質をほとんど含まず, 衛生化学的に優れた品質のものであると結論することができる.
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