食品衛生学雑誌
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30 巻, 1 号
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  • 奥山 治美, 坂井 恵子, 森内 敦子
    1989 年 30 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
  • 不飽和トリグリセリドの通気酸化と酸化防止に関する研究 (第3報)
    勝木 康隆, 松本 茂, 露木 英男
    1989 年 30 巻 1 号 p. 8-13_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    精製したトリリノレイン (TL) を75°で酸素を通気して酸化し, 経時的に過酸化物価 (POV), チオバルビッール酸価 (TBAV) その他の恒数の変化及び赤外吸収スペクトルなどを調べ, 同一原料 (リノール酸) より得たリノール酸メチル (ML) の場合と比較し検討した. その結果, TLの酸化誘導期間はMLに比べて短く, 誘導期以後の酸化の進行はTLの方が速かった. TLのTBAVはMLの1/3程度であった. また, α-トコフェロール (α-Toc) の酸化防止効果とアスコルビン酸 (AA) のシナージズムについて検討した結果, それらの効果が著明に認められた. また, α-Toc及びAA添加TLについて, 酸化試料中の両者の残存量を経時的に測定し, 誘導期間における消費状況とPOVとの関係を調べた.
  • 辻 澄子, 小川 俊次郎, 柴田 正, 伊藤 誉志男
    1989 年 30 巻 1 号 p. 14-18_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中のホウ酸を直接, 2-エチル-1,3-ヘキサンジオール (EHD) でキレート抽出した後, 非水条件下でクルクミン発色によるホウ酸の簡易迅速定量法を確立した. 試料中のホウ酸は酸性下で5%EHD含有のヘキサン-酢酸ブチル (4:1) 溶液で抽出した. 抽出液の一定容量にクルクミン氷酢酸溶液及び濃硫酸を加えて発色させた後, 過剰のプロトン化クルクミンを水で分解し, アセトンで希釈して比色定量を行った. 殻付き冷凍えび, 塩蔵くらげ, 寒天, 牛乳, 豆乳及びワインにホウ酸を10,100及び500μg/g添加したときの回収率はいずれも97.0%以上であった. 検出限界は0.3μg/gであった.
  • 食品の腐敗に関する研究 (第5報)
    小畠 満子, 外海 泰秀, 小林 加代子, 伊藤 誉志男
    1989 年 30 巻 1 号 p. 19-26_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    酵母 Candida lipolytica, 細菌 Staphylococcus epidermidids, Pseudomonas fluorescens を滅菌魚介類ホモジネートに単独または混合接種し, 5°, 15°, 25°で1週間保存した場合の生菌数, pH値, 揮発性塩基窒素 (VBN) の生成量を経日的に測定した. C. lipolytica の生菌数は細菌2菌種のそれらよりは2~3オーダーも低かったが, C. lipolytica によって生成されたVBN量は S. epidermidis によって生成されたそれよりは極めて高く, P. fluorescens によって生成されたそれと近似していた. C. lipolytica によるVBN値は25°保存では早くも2日目に70mg-N/エビ100g, 7日目には233mg-N/エビ100gに達した. また C. lipolytica は細菌との混合接種試料中においても優勢に増殖し, 3週間保存後には細菌よりも高い生残性を示した.
  • 生ハムの安全性確保に関する微生物学的研究 (1)
    中島 英夫, 山中 洋之, 鮫島 隆, 秋山 茂, 鈴木 昭
    1989 年 30 巻 1 号 p. 27-31_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    生ハムの製造工程における微生物叢の変化を水分活性及び食塩濃度との関連で調査した. 製造工程が進むにつれて食塩濃度の上昇及び水分活性の低下が起こり, 原料肉の微生物叢は塩漬終了後, グラム陰性菌, Micrococcus, Streptcoccus 及び Lactobacillus など多様なものから Micrococcus からなる単純な微生物叢へと変化した. また, 一般生菌数は, 原料肉で104cells/gであったものがスモーク工程から乾燥工程へ進むに従って徐々に減少し, 乾燥終了後は 80cells/gまで低下し, 大腸菌群, 腸球菌も陰性となった. 生ハムの製造工程における微生物学的特性と水分活性の変化を表す CTEA system を提唱し, 製造中の品質管理及び最終製品の品質評価に利用し得ることの可能性を示した.
  • 長原 歩, 大下 克典, 那須野 精一
    1989 年 30 巻 1 号 p. 32-35_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    しょう油と亜硝酸との反応で生じる変異原物質の生成度について, 試験管内 (in vitro), ラット摘出胃内 (in vitro-in vivo) 及びラット胃内 (in vivo) の各試験条件下で, 亜硝酸の残存量と Ames テスト (TA100) の結果を指標に検討した. 試験管内の場合, 亜硝酸濃度が250~2,300ppmのとき, 残存亜硝酸は検出されず, 変異原性が誘発された. ラット摘出胃内の場合, 亜硝酸濃度が2,300ppmのとき, 亜硝酸は若干量残存し, 弱い変異原性が誘発された. ラット胃内の場合, 亜硝酸濃度が2,300ppmのときでも, 残存亜硝酸は検出されず, 変異原性の誘発は認められなかった.
  • 森崎 澄江, 長田 忠, 二宮 孝代, 仲摩 聰
    1989 年 30 巻 1 号 p. 36-41_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    魚介類中のトリブチルスズ化合物の簡易定量法を検討した. 試料を遠心管に採り塩酸-メタノール混液で均一化した後, ヘキサンを加えて振とう抽出した. これを遠心分離し, ヘキサン層を分取後, 濃縮した. 濃縮液は塩酸処理シリカゲルカラムを用いて精製した後, ガスクロマトグラフィー (ECD付) で定量した. 本法の添加回収率は, ブリ試料で84.8%, カサゴ試料で79.0%以上であった. 試料の定量下限は0.02μg/gであった. 本法により魚介類のトリブチルスズオキサイド (TBTO) 濃度を調査したところ, 養殖ブリでは0.02-0.93μg/g, 天然魚介類ではN. D. -0.64μg/gの範囲であった.
  • 米田 豊, 古城 典子, 安藤 良吉
    1989 年 30 巻 1 号 p. 42-47_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食肉中に残留するテトラサイクリン系抗生物質 (TCs) の定量法として, TCsのマグネシウムキレートの蛍光を測定する高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を検討した. 試料中のオキシテトラサイクリン (OTC), テトラサイクリン (TC) 及びクロルテトラサイクリン (CTC) を0.1M EDTA含有マキルベン緩衝液 (pH 5.5)-メタノール (3:7) を用いて抽出し, 石油エーテルで脱脂後, Sep-pak C18 カートリッジでクリーンアップした. HPLCはODSカラムを用いて, 移動相に50mM酢酸マグネシウム含有1Mイミダゾール緩衝液-メタノール (77:23) を用いることによりTCsの定量が可能であった. 牛肉にOTC及びTCを0.5, 2ppm, CTCを2, 10ppm添加したときの回収率はそれぞれ81.7~82.8%, 65.9~80.7%及び53.0~80.1%であった.
  • 鈴木 隆, 石坂 孝, 佐々木 久美子, 斎藤 行生, 福田 裕
    1989 年 30 巻 1 号 p. 48-53_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    輸入肉類中の有機塩素系農薬及びクロールピリホスのガスクロマトグラフィーによる定量法にっいて検討した. 抽出した脂肪についてシリカゲルドライカラム, フロリジルミニカラムクロマトグラフィーにより脱脂精製した. オーストラリア産輸入肉の検査の結果, アルドリン, ヘプタクロール, クロールピリホスは, いずれの試料からも検出されなかったものの, 暫定基準 (0.2ppm) を越えるディルドリンが牛肉から1件検出された. 調査した4種類の肉の中で牛肉と羊肉は比較的低レベルの汚染を示したが, 馬肉では p,p′-DDT,p,p′-DDE,ディルドリン, ヘプタクロールエポキシドが他の肉と比べてい比較的高値を示した.
  • 片山 聡子, 津田 洋子, 宝井 辰紀, 桐ケ谷 忠司, 上條 昌彌, 木川 寛, 河村 太郎
    1989 年 30 巻 1 号 p. 54-58_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中のクエン酸モノ, ジ及びトリイソプロピルを同時に分別定量するため, フロリジルカラムを用いたクリーンアップの検討を行った. 試料抽出液をメチル化した後, 15%含水フロリジルカラムに負荷し, ヘキサン-エーテル (4:1) 混液80mlで洗浄した. ついでヘキサン-エーテル (1:1) 混液100mlで溶出し, ガスクロマトグラフィーにより測定した. その結果, 極性の異なる5種のクエン酸イソプロピルを同一操作でクリーンアップでき, バター, マーガリン及び食用油について良好なガスクロマトグラムが得られた. 添加回収率は91.0~103.0%, 検出限界は試料に対して1μg/gであった.
  • 楢崎 幸範, 平川 博仙, 大津 隆一, 深町 和美
    1989 年 30 巻 1 号 p. 59-68_1
    発行日: 1989/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    メラミン樹脂製食器の安全性を確認する目的で, 種々の条件で溶出試験を行い, 樹脂の変化, 溶出物及びその変異原性について検討した. 一連の実験から, 通常の使用状態では, 樹脂が分解して多量のホルムアデヒドが基準を越えて溶出することはなく, 微量に存在する未反応のホルムアルデヒドがわずかに溶出する程度であった. また, カドミウム, 鉛の溶出は認められず, メラミンが微量検出された. 一方, ホルムアルデヒドはサルモネラTA104株に対し弱い変異原性 (28rev/μg) を示したが, 溶出物による変異原性は認められなかった.
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