食品衛生学雑誌
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37 巻 , 6 号
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  • 中里 光男, 小川 仁志, 牛山 博文, 小林 千種, 只野 敬子, 川合 由華, 立石 恭也, 田村 行弘, 友松 俊夫
    1996 年 37 巻 6 号 p. 343-350_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    杜仲葉を主原料とした加工品中のゲニポシド酸 (GA) 及びカフェイン (CF) の分析法を検討するとともに市販品の含有量調査を行った. 抽出は熱水で行い, クリーンアップは逆相とイオン交換カートリッジを組み合わせた方法によって行った. 定量は逆相系カラムを用いたHPLCによって行った. 市販品の含有量調査を行ったところ, GAは杜仲茶と称するものすべてから検出され, その含有量は乾燥葉のティーバッグタイプで160~1,500μg/g, 清涼飲料水で3.6~19μg/gであった. また, CFは茶葉との混合品のみから検出され, その含有量は2,100~9,800μg/gであった.
  • 秋山 由美, 矢野 美穂, 三橋 隆夫, 武田 信幸, 辻 正彦
    1996 年 37 巻 6 号 p. 351-362_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    農産物中の残留農薬107種 (うち規制対象84種) に対応できる多成分分析法を開発した. 試料のアセトニトリル抽出液を2種の固相抽出用ミニカラム (ODS及びPSA) を用いて精製した. 分析はGC/MSで行い, 保持時間と2種類のイオンの強度比によりピークを確認した (検出限界0.01ppm). 3種の農産物への添加回収実験 (添加量0.1ppm) の結果, 農産物の種類によって50%以下の回収率を示した農薬が6種存在したが, 高極性物質を含めてスクリーニング分析が可能であった. 本分析法を適用した農産物157検体中69検体に, 34種農薬が0.01ppm以上残留していたが, 食品衛生法の規格基準を超えるものはなかった.
  • 外海 泰秀, 津村 ゆかり, 中村 優美子, 柴田 正
    1996 年 37 巻 6 号 p. 363-371_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    農作物中の5種トリアジン系農薬及び3種のメトリブジン代謝物のFTD-GCによる一斉分析法を検討した. 野菜・果実はメタノール抽出し, 20%酢酸エチル含有n-ヘキサンに転溶後, Sep-pak シリカでクリーンアップする方法を作成した. 穀類・豆類はアセトニトリル抽出し, n-ヘキサンで洗浄, 脱脂した後, Sep-pak シリカでクリーンアップする方法を作成した. 各農薬及び代謝物2μgを試料に添加し本法による回収率を測定した結果, メトリブジン代謝物及びシアナジンを除く他の農薬では, 野菜・果実 (ばれいしょ, アスパラガス, トマト, オレンジ) で50.3~92.9%, 穀類・豆類 (米, 小麦, 大麦, とうもろこし, 大豆) で62.6~78.6%であった.
  • 山田 貞二, 大島 晴美, 斎藤 勲, 早川 順子
    1996 年 37 巻 6 号 p. 372-377_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中のクチナシ黄色素の確認法として, クロシン又はゲニポサイドを指標物質とする分析法が用いられている. しかし, 両指標物質ともに検出できない事例を経験したので, アルカリ加水分解により色素成分から生成するクロセチンを指標物質に採用し, HPLCで分析する方法を考案した. 食品からの色素抽出物を0.1N水酸化ナトリウム中, 50℃, 30分間放置して加水分解した. ゼリー, キャンディー, せんべいを用いた添加回収率は, クロセチンとしてそれぞれ85.6, 86.0, 80.5%であった. クチナシ黄色素の使用表示がある20件の食品を分析したところ, 比較対照用のクチナシ黄色素と異なるクロマトグラムパターンを示した食品は11件あり, そのうち5件からはクロシンが観察されなかった. しかし, 加水分解によりすべての食品からクロセチンが検出され, その分析値は0.1~13.4μg/gであった. なお, ゲニポサイドが検出された食品は3件にすぎなかった.
  • 石綿 肇, 西島 基弘, 深澤 喜延, 伊藤 誉志男, 山田 隆
    1996 年 37 巻 6 号 p. 378-384_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    1994年度の全国92自治体による食品の行政検査の結果を基にソルビン酸の使用実態と推定摂取量を求めた. 検査件数は38133検体, ソルビン酸の使用が許可されている食品からの検出率は53.9%, 平均濃度は使用基準値の16.2%であった. 基準値に最も近い濃度を示した食品は酢漬けの漬け物で, 基準値 (0.50g/kg) の39.0%であった。使用対象外の食品では, 対象外の漬け物などで検出されたが, 缶・ビン詰あ, 各種調味料, 麺類などでは検出されなかった. 食品中の濃度に食品の摂取量を乗じて推定摂取量を算出したところ, 29.0mg/日/人であった. 魚肉ねり製品からの摂取量が最も高かった.
  • 尾関 尚子, 岡 尚男, 猪飼 誉友, 伊藤 裕子, 早川 順子, 佐藤 猛男, 鈴木 亮而, 石川 直久
    1996 年 37 巻 6 号 p. 385-389_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    一度の展開で12種類の許可色素を分離できるTLCを確立するたあに, アミノTLCプレートを用いて展開溶媒を種々検討した. その結果, 展開溶媒としてエタノール-MeCN-15%アンモニア水-10%塩化ナトリウム水溶液 (3:3:1:1) を使用することに米り, 12種類の食用タール色素を良好に分離することができた. 本TLCは試料中の夾雑物の影響を受けにくく, Rf値の再現性に優れ, 12種類の食用タール色素が1種類の展開溶媒で分離同定可能なことから, 第一次選択のTLCとして食用タール色素の分析に十分に適用できると考えられる.
  • 楠 博文, 塚本 定三, Connie F. C. GIBAS, Ida F. DALMACIO, 植村 興
    1996 年 37 巻 6 号 p. 390-394_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    加熱処理した大腸菌にFITC標識抗大腸菌O157 IgGを反応させ, フローサイトメトー (FCM) による大腸菌O157の直接検出を試みた. FCMで大腸菌O157とO157以外の大腸菌を30分以内に明確に区別することが出来た. 試験に供したO157大腸菌の凝集価は128を示したのに対し, 12株のO157型以外の大腸菌のうち6株は凝集反応で1ないし4の凝集価を示した. これらは同時にFCMでもわずかに陽性を示した. すなわち, FCMにより, 大腸菌個々のO157抗原の量が定量的に測定し得ることが示唆された.
  • 並木 秀男, 新沼 和彦, 竹村 万里子, 藤 礼子, 柳沢 マサル, 平林 達生, 清川 晋
    1996 年 37 巻 6 号 p. 395-400_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    乾燥食品は非常食, 保存食として重要であるが, それらの詳しい解析は行われていない. 今回にんじんを例に, 遠赤外線乾燥法と凍結乾燥法を比較した. その結果, 脱水量, 総カロテノイド量, 構成カロチン量比では各乾燥方法で差は認められなかったが, 組織切片像には大きな差が認められた. すなわち, 凍結乾燥法では組織中に多くの断裂像が見られたが, 遠赤外線乾燥法では生鮮品と同様の組織像を示した. 更に処理時間・温度の調節により一般細菌数が減少した. これらの結果, 遠赤外線乾燥法が有用であることが確認された.
  • 寺師 朗子, 山口 新一, 山本 昌平, 衛藤 修一
    1996 年 37 巻 6 号 p. 401-406_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    農産物中のマレイン酸ヒドラジドのGCによる分析を検討した.試料を塩酸で加熱した後, 硫酸ジメチルでメチル化した. 酢酸エチルで抽出後, 5%含水フロリジルカラムで精製してNPD-GCで測定した. 馬鈴薯, 玉ねぎなど市販の農産物11種類を用いて添加回収実験を行ったところ, 72.0~98.2%と良好な結果が得られ, 検出限界は0.5ppmであった. また, GC/MSにより確認することができ, 従来の比色分析法に比べ, 低濃度の残留でも信頼性の高い結果が得られた.
  • 春日 文子, 工藤 由起子, 町井 研士
    1996 年 37 巻 6 号 p. 407-410_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    麻痺性貝毒に対するELISA法の信頼性と実用性について検討した. 本法は操作が簡便であり, マウスバイオアッセイと比較して, サキシトキシンに対する感度が約200倍高かった. アサリのむき身に添加したサキシトキシンジアセテートの本法による回収率は約100%であった. しかし本法のゴニオトキシン混合物に対する交差反応性は, 毒素の組成比によっては低く, ゴニオトキシン類が主要毒性成分である日本近海産の汚染貝では, 毒性が過小評価された. したがって, 魚介類のスクリーニングにおいて, マウスバイオアッセイを本法に置換することは難しいが, 用途を選べば, 本法は極めて有用なアッセイである.
  • 永山 敏廣, 小林 麻紀, 伊藤 正子, 塩田 寛子, 友松 俊夫
    1996 年 37 巻 6 号 p. 411-417_1
    発行日: 1996/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    東京都内で1988~1994年の間に市販されていた輸入穀類加工品23品種188検体を調査した. 6種類の有機リン系農薬が13品種58検体から痕跡値並びに0.01~0.93ppm (検出したものの平均値: 0.09ppm) の範囲で検出された. 農薬の検出率及び検出量は, 一次加工品であるふすまが最も高かった. 検出量は比較的少なく, 小麦粉, パスタ, パン及びビスケット類などはいずれも0.10ppm未満であった. 生産加工地域により検出される農薬が異なる傾向がみられ, アメリカ地域の製品からはマラチオンとクロルピリホスメチル, ヨーロッパ地域の製品からはピリミホスメチル, オセアニア地域の製品からはMEPとクロルピリホスメチルが比較的多く検出された. 原材料に設定された食品衛生法食品規格を超えて農薬が検出された加工品はなく, 喫食上特に問題はなかった.
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