食品衛生学雑誌
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31 巻, 6 号
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  • 関沢 純, 山本 都
    1990 年 31 巻 6 号 p. 457-468
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
  • 細井 正春, 吉田 雅之, 高畠 俊弘, 星野 俊明, 今田 勝美
    1990 年 31 巻 6 号 p. 469-473_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    サルモネラ, 腸炎ビブリオ及びカンピロバクターに対するNaClO2の発育阻止作用をブイヨン培地 (以下培地) 中でNaClO, 及びClO2と比較した. pH7の培地中ではNaClO2及びNaClOは400ppmでサルモネラ, 腸炎ビブリオの発育を阻止したが, pH5の培地中ではNaClO2が50ppm, NaClOが200ppmで両菌株の発育を阻止し, 弱酸性条件下ではNaClO2の発育阻止作用が, NaClOより強かった. カンピロバクターの発育阻止に必要なこれらの薬剤濃度は, いずれのpHでもNaClO2では25~50ppm, NaClOでは400ppmであった. ClO2では全供試菌に対しNaClO2の約1/2濃度で発育阻止を示した.
  • 藤田 政之, 芳沢 宅実
    1990 年 31 巻 6 号 p. 474-478_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    植物体内におけるトリコテセンマイコトキシンの代謝変換を解明するために, 14C標識デオキシニバレノールをサツマイモ塊根の柔組織から調製したディスクに投与し, 放射活性の変動を調べた. サツマイモ塊根組織はデオキシニバレノールに対して高い代謝変換活性を有しており, 本実験で投与した14C標識デオキシニバレノールのほとんどを2日までに代謝した. その半減期は5時間以下であった. 逆相HPLC及びTLC分析により, デオキシニバレノールはサツマイモ塊根組織内で少なくとも3つの代謝物に変換されることがわかった. 代謝変換の経時的変化で得られた結果をもとに, デオキシニバレノールがどのような代謝経路でこれらの物質に変換されるかを考察した.
  • 石田 裕, 藤居 敏明, 関根 展子, 斎藤 裕子, 関谷 茂二
    1990 年 31 巻 6 号 p. 479-484_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    試料から水抽出後, 酸性域でn-ヘキサンにより脱脂, 水酸化ナトリウムでpH11~13に調整後, エーテルで抽出, 減圧留去後98%アセトニトリルに溶解したものを試験溶液とした. この試験溶液をKOHを披覆したグラスウール充てんインサートを付したPEG 20M+KOH(5+1)%, 3mm×1.0mカラムに注入し, 注入口温度250°, カラム温度180°で分析を行った結果, 回収率95~101%, 変動係数5%以下と良好な結果が得られた. 又本ピークをGC/MSで確認した結果, p-フェネチジンと同定され, ズルチンの加水分解が推測された. この結果から本報で用いた手法を応用することにより, 測定可能な物質の範囲が広がる可能性が示唆される.
  • 梅垣 敬三, 市川 富夫
    1990 年 31 巻 6 号 p. 485-490_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ペンタクロロベンゼン (PECB) の代謝及び蓄積と脂肪組織の関係を4週齢または6週齢と13週齢のラットで比較した. PECB未処理ラットの4週齢と6週齢の脂肪組織量, 特に腎周囲脂肪量は13週齢に比べて著しく少なかった. 13週齢に比べて4週齢と6週齢では, PECBの1回投与後のその血液中濃度の低下や代謝物であるペンタクロロフェノール (PCP) 濃度の増加が著しく, また, 肝臓中のPCP/PECB含量の比が高かった. 一方, 肝臓中のチトクロームP-450含量は4週齢で有意に少なかった. 6日間のPECB連続投与後, 4週齢における肝臓, 腎臓, 脳, 脂肪組織中のPECBの貯留量は13週齢に比べて有意に少なかったが, 肝臓重量の増加, 血清GPT活性の増加は著しかった.
  • 小林 正枝, 秋山 茂, 岩下 正人, 鈴木 昭, 中島 英夫
    1990 年 31 巻 6 号 p. 491-498_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    亜塩素酸ナトリウム (NaClO2) 粉末の水溶液を, 乳酸などで種々のpHに調整し, その殺菌効力を石炭酸係数測定法, A. O. A. C. 法, 有機物等影響試験で検討した. 2.73% NaClO2水溶液はpH8.8~9.1で, E. coli, S. aureus を15分以内には殺菌しなかったが, pH4.0以下にすると2.5分でこれらを殺菌した. 溶液のpHが低くなるに従い低濃度で殺菌効果を期待でき, pH2.0で最強となるが, 食品工業での利用を考えるとある程度濃度を高くしてもより中性に近いpH4.0での使用が可能であることが示された. pH調整剤として乳酸, 酢酸, 塩酸を用いてそれぞれpH4.0に調整した溶液は供試菌を2.5分で殺菌することができ, pH調整剤の相異によるNaClO2の殺菌力に差はみられなかった.
  • 内山 貞夫, 河村 葉子, 斎藤 行生
    1990 年 31 巻 6 号 p. 499-507_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    白コショウ (WP), 黒コショウ (BP), トウガラシ (Capsicum annuum L. var. frutescens L, RP) のESRスペクトルは, g値2.0043を有する主シグナルをもち, その強度はγ線照射及び加熱によって増加した. 照射RPは, 通常のESR測定法で, 主シグナルより-30Gの位置に副シグナルを示し, その強度は10~50kGyの範囲で直線的に増加した. この副シグナルは10kGy照射後, 1年間保存したRPに見られること, さらに加熱しても太陽光に曝しても出現しないことから, このシグナルを用いる検知法はγ線照射RPに特有であり, パプリカやチリペッパーのような Capsicum 属の照射香辛料に有効であった. コンピュータ・シミュレーション法によって, 副シグナルは methyl ラジカル, 主シグナルは主に phenoxyl と peroxyl ラジカルの合成したものによることが推定された. このような副シグナルは他の10種の照射香辛料中. オールスパイスとシナモンに見られた.
  • 平山 晃久, 三浦 進司, 村井 純子, 渡辺 徹志
    1990 年 31 巻 6 号 p. 508-512_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    DATを用いるα, β-不飽和アルデヒド (USA) の蛍光定量法が脂質の変質試験として有用であるか否かを知る目的で, 3種の脂肪酸メチルエステル及び4種の食用油脂の自動酸化時における経時的変化を調べ, 過酸化物価 (POV) 及びチオバルビツール酸 (TBAV) と比較した. 食用油脂で, α, β-USA量とTBAVとは相関性が認められたが, 長時間加熱試料油脂で見られたTBAVの低下はα, β-USA量では見られなかった. また, 脂肪酸メチルエステルでは, TBAVのほとんど認められない methyl oleate においても methyl linoleate 同様500μg/g程度のα, β-USAが生成し, α, β-USAの定量は新しい脂質変質の測定法として利用価値のあることが分かった. 予備的な実験によりC3~C10のα, β-USA類をHPLCにより分離定量が可能となり, acrolein 以外に crotonaldehyde, 2-pentenal, 2-heptenal, 2-octenal, 2-nonenal を20時間加熱した methyl linoleate から検出できた.
  • 橋爪 崇, 辻澤 広, 横山 剛, 小澤 敬弘, 斉藤 優, 木苗 直秀, 富田 勲
    1990 年 31 巻 6 号 p. 513-521_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    マーケット・バスケット方式で13群に分類した食品群のうち, 直接変異原性を示し, かつ酸性で亜硝酸処理後に最も高い変異活性の上昇を示したXI群 (肉・卵類) では, その活性の上昇が主として肉類に依存していた. 特に, 加熱羊肉は亜硝酸処理後に変異活性が3.9倍上昇した. 加熱羊肉抽出物について, GC及びHPLC法を用いて変異原物質を検索したところ, 直接作用性の変異原物質として, 3種のα-ジカルボニル化合物を, また亜硝酸処理により変異活性を発現する前変異原物質として, 4種のトリプトファン関連化合物と2種のβ-カルボリン誘導体を同定した.
  • 佐伯 清子, 熊谷 洋
    1990 年 31 巻 6 号 p. 522-526_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    野生キジ及び飼育キジの筋肉部 (むね, 手羽, もも, ささ身), がらスープ及び内臓部 (心臓, 肝臓, 筋胃, 腸) について栄養成分含量を調べた. 野生キジに比べ飼育キジの各筋肉部及びがらスープで, 水分及び粗脂肪含量が高く, 逆に粗タンパク質及び灰分含量が低かった. 炭水化物含量には上記成分のような一定した含量関係が認められなかった. 無機質含量は鉄, マグネシウム, カリウム及びリン含量が野生キジで明らかに高かったが, カルシウム及びナトリウム含量は低いものもあった. 内臓部では腸の粗脂肪, ナトリウム及びカリウム含量が野生キジより飼育キジで高いなど2,3の成分を除き, 野生キジと飼育キジで含量に差は認あられなかった.
  • 渡邉 知保, 林 勝彦
    1990 年 31 巻 6 号 p. 527-531_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィーによるcis-, trans-β-カロチンの分離・定量法を検討した. ODSカラムとして, YMC PACK ODS-A カラム (4.6×250mm, 粒径5μm)を使用し, 移動相として, メチルアルコール-アセトニトリル-n-ヘキサン-ジエチルエーテル (15:70:10:5) を用いることにより, cis-β-カロチンと trans-β-カロチン及びα-カロチンを十分に分離が可能な方法を開発した. また, 移動相に, ベンゼン-n-ヘキサン (1:5) を用いることにより, 総カロチンを定量した.
  • 伝川 祐子, 川井 英雄, 細貝 祐太郎
    1990 年 31 巻 6 号 p. 532-536_1
    発行日: 1990/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    水道水10件及びミネラルウォーター30件のトリハロメタン (THM) など低沸点有機ハロゲン化合物 (VHHs) を溶媒抽出し, ガスクロマトグラフで測定した. 総THMは水道水は3.7~64.6ng/ml, ミネラルウォーターではN. D.~36.4ng/mlの範囲で, 水道水の規制値を超えるものはなかった. 総VHHsは水道水とミネラルウォーターとがそれぞれ4.2~64.6ng/ml, N. D.~36.4ng/mlの範囲で, その主体はクロロホルムであった.
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