生ウニ, マグロサシミ, バカガイ刺身における酵母・細菌・糸状菌の生菌数測定, 分離微生物の同定, 3種微生物群による汚染状況, 低温での生育について検討した. 生ウニの酵母数と一般細菌数は1g当り10
4~10
7を示す試料が多く, 糸状菌数は104以下であった. マグロおよびバカガイ刺身の酵母数は10
1~10
4, 細菌数は10
3~10
6, 糸状菌数は10
2以下であった. 酵母は市販冷蔵鮮魚介類中に主要な微生物群として存在しており, その構成菌の主体は
Rhodotorula,
Candida,
Trichosporon などの無胞子酵母であったが, 特に病原酵母と同種の
Tr. cutaneum の分布が注目された. 試料はこれらの酵母のほか
Pseudomonas,
Staphylococcus などの細菌,
Penicillium,
Mucor,
Fusarium などの糸状菌にょって汚染されていた. 分離酵母の94.6%は低温酵母であり, 分離糸状菌の55.0%は低温糸状菌であった.
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