食品衛生学雑誌
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17 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • ポリ塩化ビフェニル (PCB) の分析条件の検討
    岡 尚男, 松本 浩, 河村 典久, 楢府 直大
    1976 年 17 巻 4 号 p. 283-289_1
    発行日: 1976/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    あらかじめアルカリ処理を行った後, 改良型精油定量器を用いるPCBの分析条件の検討を行ったところ Kanechlor の標準品を用いた添加回収実験の結果は, 水, 牛脂, 豚脂, 鶏脂, ともに良好であった. ガスクロマトグラム上PCBのピークを妨害する塩素系農薬のうち8種類は, アルカリ分解およびフロリジルバッチ法を組み合わせて除去することができ, 除去できない aldrin, p,p'-DDEについてもガスクロマトグラム上ほとんど支障がなく, また従来の方法と比較して迅速かつ簡便という利点がある.
  • 能勢 憲英, 星野 庸二, 鈴木 敏正, 菊池 好則, 渡辺 昭宣
    1976 年 17 巻 4 号 p. 290-294_1
    発行日: 1976/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中のプロピオン酸の分析に際し, 試料の水蒸気蒸留によって得られた留液にp-クロルフェナシルブロマイドのジメチルホルムアミド溶液を加え, 沸騰水浴中で30分間反応させて得られたプロピオン酸フェナシルエステルについてFIDおよびECDガスクロマトグラフィーを行いプロピオン酸の定量を実施した.
    本法はフェナシル誘導体の生成にp-クロルフェナシルブロマイドを使用したことからECDによる検出が可能となり高感度で定量することができた. ECDガスクロマトグラフィーによる最少検出感度は0.1ngであった.
  • 塩原 正一, 今堀 彰
    1976 年 17 巻 4 号 p. 295-301_1
    発行日: 1976/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    LAS 10mg, 100mgおよび300mg/kg/dayの割合で妊娠マウス (ICR-SLC) に妊娠6日より10日間, 胃ゾンデにより強制経口投与し, 母体および胎仔に及ぼす影響を検討した. LAS投与各群に母体および生存胎仔の体重増加抑制がみられ, 300mg投与群に母体死亡, 早産, 全胎仔損失および高い胎仔死亡率がみられた. 口蓋裂, 外脳症の発生が対照群を含め各群にみられたが発生率に関して対照群とLAS投与各群の間に有意差は認められなかった.
  • 農作物中のクロルベンジレート, クロルプロピレート, フェニソブロモレートおよびテトラジホンの分析法
    福原 克治, 武田 明治, 内山 充
    1976 年 17 巻 4 号 p. 302-307_1
    発行日: 1976/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    クロルベンジレート, クロルプロピレート, フェニソブロモレートおよびテトラジホンのガスクロマトグラフィーによる同時分析法を検討した.
    活性炭・フロリジルカラムをn-ヘキサン-ベンゼン混液 (2:3) およびn-ヘキサン-エーテル混液 (1:4) で溶出することにより, 前者に有機塩素農薬が, 後者にベンジレート系殺虫剤が溶出される. これら殺虫剤のガスクロマトグラフィーには2% DEGS+0.5%リン酸, 5% OV-17および5% XE-60が良い結果を与えた.
    7種農作物へ有機塩素農薬 (0.008~0.054ppm) およびベンジレート系殺虫剤 (0.025~0.2ppm) を添加した回収率は前者では87%以上の, また後者では80%以上の回収率を与えた.
  • 高速液体クロマトグラフィーによるペニシリン酸とパツリンの同時分析
    五十畑 悦子, 武田 由比子, 内山 充
    1976 年 17 巻 4 号 p. 308-313_1
    発行日: 1976/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィーによるペニシリン酸とパツリンの測定をポンプとポーラスポリマーゲル (イアトロビーズ, 6CP-2010) を充てんしたガラスカラムとUV検出器の組み合せによって行った. 移動相に Methanolwater (9:1) を用い流速0.7ml/minで非常によく分離される. UV-検出器は230nmで測定する. 最少検出量を与える両トキシンが示すクロマトグラムの約1.5cmのピーク高さは, ペニシリン酸50ng, パツリン102ngであった. したがって食品試料におけるペニシリン酸とパツリンの検出限界は各5と10ppbである.
  • 国崎 直道, 松浦 宏之, 林 誠
    1976 年 17 巻 4 号 p. 314-319_1
    発行日: 1976/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    N-ニトロソジメチルアミン (NDM) の簡易定量法を確立した. すなわち, NDMを含む検液をイオン交換樹脂処理および活性炭処理後水蒸気蒸留を行い, 紫外線照射した後分解生成する亜硝酸を比色定量した. 感度は2.5nmole/mlであった. この方法を用いて, 大腸菌によるニトロソアミン生成が酵素的反応によるか否かの検討を行った. ジメチルアミンと亜硝酸塩存在下におけるN-ニトロソジメチルアミン生成は, 反応時間および菌体量 (酵素量) に比例した. このことから, この生成機構は大腸菌の酵素によるものと思われた.
  • 豊田 正武, 松本 康江, 伊藤 誉志男, 金田 吉男, 慶田 雅洋
    1976 年 17 巻 4 号 p. 320-325
    発行日: 1976/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    (1) ぶどう酒中のソルビン酸の定量法としてはTBA反応による比色定量法が国際法として指定されている. しかしながら日本の国税庁およびA. O. A. C. は, これとやや操作法の異なるTBA法を採用している. そこで著者らは国際法として示されたフランス法および後2者の方法について比較検討を行った. その結果, エタノールの除去操作は必要不可欠であり, 除去操作はフランス法が優れていることを明らかにした. 水蒸気蒸留条件は国税庁法が適しており, 留液の採取量を150mlから350mlに増加することにより, この操作段階での回収率は98%に高まった. これらの知見を基にして改良TBA法を作製した. 本法によるソルビン酸 (0.2g/kg) の添加回収率は98~100%であった.
    (2) 亜硫酸塩の共存はTBA反応による呈色を低下させることを認めた. 亜硝酸塩の共存は著しくTBA発色を阻害するが, ぶどう酒には亜硝酸はほとんど含まれないのでこの影響は免れるものと思われる.
    (3) 輸入ぶどう酒10検体 (亜硫酸をほとんど含まないもの) を用いて改良TBA法とGC法による比較実験を行った結果, 測定値はよく一致することを認めた.
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