食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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55 巻, 4 号
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報文
  • 岩崎 雄介, 織田 ももこ, 佃 優里, 永森 裕季, 中澤 裕之, 伊藤 里恵, 斉藤 貢一
    原稿種別: 報文
    2014 年 55 巻 4 号 p. 167-176
    発行日: 2014/08/25
    公開日: 2014/09/11
    ジャーナル フリー
    食品添加物は,保存料,甘味料,着色料,香料など,食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されている.個別では安全とうたわれていた食品中の化学物質でも生体内で相互的な複合反応を引き起こし,想定外な影響を与える可能性がある.本研究では食品添加物の安全性を評価するために,酸化防止剤と金属の複合反応に着目し,ラジカルを選択的に検出可能な電子スピン共鳴装置(ESR)を用いた活性酸素種(ROS)生成の評価を行った.酸化防止剤と各種金属を反応させたところ,鉄と銅以外のミネラルや微量金属はROSの産生に寄与しなかった.しかし,特定の酸化防止剤は銅と反応することで,ROSが産生されDNAの酸化と切断を引き起こし,酸化ストレスを惹起させていることが示唆された.
  • 植草 義徳, 鍋師 裕美, 堤 智昭, 蜂須賀 暁子, 松田 りえ子, 手島 玲子
    原稿種別: 報文
    2014 年 55 巻 4 号 p. 177-182
    発行日: 2014/08/25
    公開日: 2014/09/11
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本研究では,食品を介した放射性物質の摂取量の実態を把握することを目的とし,マーケットバスケット(MB)試料(平成24∼25年)および陰膳試料(平成24年)を用いて,放射性セシウムの一日摂取量(Bq/day)および1年当たりの預託実効線量(mSv/year)を推定した.MB試料および陰膳試料から推定された放射性セシウムの年当たり預託実効線量の最大値は,それぞれ0.0094および0.027 mSv/yearであり,福島県近辺地域においてやや高い値を示す傾向が見られた.しかしながら,いずれの試料においても,放射性セシウムによる年当たり預託実効線量は,平成24年4月より施行された新基準値を定める根拠となった1 mSv/yearと比較して極めて小さい値であることが明らかとなった.
ノート
妥当性評価
  • 眞壁 祐樹, 高橋 洋, 榎本 智子, 相川 建彦
    原稿種別: 妥当性評価
    2014 年 55 巻 4 号 p. 188-192
    発行日: 2014/08/25
    公開日: 2014/09/11
    ジャーナル フリー
    電子付録
    GC-MS/MSを用いて迅速に実施できる農産物中の残留農薬一斉分析法について妥当性評価を実施した.キャプタンに代表される易分解性農薬の分解を抑制するため,試料に1/2重量の10%リン酸を加え均一化した.均一化した試料からアセトニトリルで抽出後,硫酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムで塩析脱水し,アセトニトリル層をC18およびGCB/PSAミニカラムで精製した.試験溶液にPEG300を添加してGC-MS/MS測定時における農薬ピークのテーリングを抑制した.9種類の農産物に対し170農薬を添加して妥当性評価(添加濃度0.01および0.1 μg/g,2併行5日間)を実施したところ,各農産物につき147~164種類の農薬がガイドラインの目標値を満たした.
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