食用油中の金属分析における, 低温灰化装置による前処理法を検討した.
油のみを灰化した場合, 1か月以上の期間を要したが, 油の表面積の増大と触媒的効果を期待し, デンプンなどの有機物14種類と, ガラスビーズなどの無機物4種類を選んで油と混合し灰化時間の短縮を試みた. この結果コーンスターチ, 寒天, ポリアミドが最も効果があり, 48時間以内で灰化することができた. しかし寒天, ポリアミド中には, 鉛をはじめ他の金属が多く, 適当ではなかった. また, この前処理を用いた金属の回収率は, ヒ素96.3%, 鉛100.1%, スズ89.8%であった.
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