食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
18 巻, 5 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 藤中 範久, 増田 義人, 倉恒 匡徳
    1977 年 18 巻 5 号 p. 405-411_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中のメチルグアニジン (MG) を定量分析する方法を検討した. 試料を塩酸含有アセトン-エタノール溶液で抽出し, 抽出物をセルロースおよびイオン交換樹脂のカラムクロマトグラフィーにかけてMGを分離し, 坂口反応により定量した. 分離されたMGはペーパークロマトグラフィーにより確認した. MGをピリミジン誘導体にしてガスクロマトグラフィーにかける方法はMGの定量には不十分であるが定性確認には利用できた.
  • 内部標準法による食品中の塩化ビニルモノマーの分析
    丹 茂, 岡田 太郎
    1977 年 18 巻 5 号 p. 412-418_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    塩化ビニル樹脂から食品中へ移行する塩化ビニルモノマー (VCM) を内部標準法により定量した.
    内部標準物質として, メチルビニルエーテル (MVE)を用い, 窒素のバブリングによりVCMとMVEを同時に食品から追い出し, ドライアイス-エタノールで冷却した試験管中のエタノールに捕集し, ガスクロマトグラフィーにより定量した.
    試料として, しょう油, 食用油, ブドウ酒, ジャムを選び, 内部標準法と絶対検量線法により定量した結果, 内部標準物質によりVCM量を補正する内部標準法は絶対検量線法よりも良好な回収率が得られ, わずかながら高い測定値を示した.
  • 岡 日出生, 永井 勇, 田坂 美和子
    1977 年 18 巻 5 号 p. 419-425_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    経木中のPCPをアセチル化してECD-GCで分析するために, 5種類の抽出法と6種類のアルカリ溶液を用いてアセチル化する条件について検討した.
    抽出法としてはより簡便な水蒸気蒸留法が最もよく, 妨害物質も少なかった.
    アセチル化はアセチル化助剤として0.1M炭酸ナトリウム溶液100mlを用い, 無水酢酸2mlを加えて10分間振とうすることにより, 98%の生成率でPCPアセテートが得られることが分かった.
    PCPナトリウムを添加した経木を水蒸気蒸留し, n-ヘキサンでPCPを抽出した. ついで, 0.1M炭酸ナトリウム溶液100mlでPCPを再抽出し, アセチル化し分析したところ, 98.4%の回収率を得た.
  • 植物性油, バターおよびマーガリン中の3,4-ベンズピレン
    白石 慶子, 白鳥 つや子
    1977 年 18 巻 5 号 p. 426-430_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    植物性油, バターおよびマーガリン中の3,4-ベンズピレンの分析法の検討を行った.
    この方法によれば, 植物性油およびバターにそれぞれ3ppbの濃度に3,4-ベンズピレンを添加して行った回収実験はそれぞれ94.9および95.2%であった.
    本方法により, 米油, 大豆油, 綿実油など市販の植物性油12検体中9検体に0.08~1.24ppb, バター3検体全部に0.35~0.60ppb, マーガリン3検体全部に0.46~0.83ppbの3,4-ベンズピレンを検出した.
  • 彼谷 邦光
    1977 年 18 巻 5 号 p. 431-438_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    変敗油中のマロンアルデヒドを分析するために, マロンアルデヒドとDL-バリンとの縮合物の生成条件および変敗油中のマロンアルデヒドの抽出条件, 妨害物質などについて検討した. その結果, 20gの油脂をn-ヘキサンに溶解し, pH 7.8のリン酸緩衝液でマロンアルデヒドを抽出した後, DL-バリンと50%酢酸溶液中で80°, 40分間反応させて生成したDL-バリンの 1-amino-3-iminopropene 誘導体をけい光分析することにより, 油脂中のマロンアルデヒドを定量したところ, 少ないもので1.9μg/kgであった.
  • 妊娠期間中連続投与したPCBの母仔体内蓄積量に及ぼす食餌性カルシウム量の影響
    大柴 恵一, 藤田 忠雄, 神戸 保
    1977 年 18 巻 5 号 p. 439-445
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    妊娠ラットにカルシウム (Ca) 含量の異なるPCB100ppm添加飼料を与え, 母仔体内へのPCB蓄積量などに対する影響を観察した. PCB投与による母獣の肝重量増加はCa欠乏食により明らかに促進され, 骨や胎仔へのCa沈着は顕著に減少した. またPCB蓄積量はCa欠乏群の母獣の肝, 骨ならびに胎仔でCa正常群の約2倍に増加した. しかし, Ca欠乏食やPCB投与では胎仔の生存数の減少, 外形異常, 骨格異常などは認められなかった.
  • 鶏胚法に使用する溶媒の検討
    三浦 利之, 粟飯原 景昭
    1977 年 18 巻 5 号 p. 446-449_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    鶏胚法について, 供試試料の致死作用が, 用いる溶媒によりいかなる影響を受けるかを検討した. 実験には試料としてアフラトキシンB1を, その溶媒としては水, DMSO, プロピレングリコール, オリーブ油を用いた. 気室内接種ではオリーブ油溶液の場合が最も弱く, 比粘度の低い溶媒によるほど, 致死作用は強く現れた. 卵黄嚢内接種ではDMSO, プロピレングリコール溶液の場合に致死作用が弱く, これは溶媒によるタンパク変性が試料の拡散を妨害したためと考えられた.
  • 伊藤 誉志男, 豊田 正武, 鈴木 英世, 慶田 雅洋
    1977 年 18 巻 5 号 p. 450-454_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    アルミナカラム・クリンアップとFIDまたはFPD-GCを使用するかんきつ精油中の3種保存料の分析法を確立した. 試料採取量は0.5mlとし, 活性化アルミナカラム上でn-ヘキサン, 酢酸エチル, 28%アンモニア水-メタノール混液 (2:8) で溶出した. トレーサーとしてβ-カロチンとスダンGを用い, β-カロチン区分を濃縮してFID-GCによりDPを, スダンG区分よりFID-およびFPD-GCによりOPPとTBをそれぞれ定量した. 検出限界はいずれも約5, 20~100ppm添加による回収率は98%以上であった.
  • 今堀 彰, 柳田 美子, 山本 和子, 塩原 正一, 北川 富雄
    1977 年 18 巻 5 号 p. 455-462_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    我が国において昭和40年から49年にかけて, かまぼこ, 豆腐, 魚肉ハムなどの殺菌料として広く用いられていたフリルフラマイド (AF-2) のマウスに対する影響を3世代にわたり検討した. 基礎飼料にAF-2を0.1%, 0.5%の濃度で混合しJCL: ICRマウスのメスおよびオスに3世代にわたり連続投与した. 投与各群の母マウスおよび仔に肝肥大と肝細胞の変性が共通に見られた. F1新生仔の高い死亡率とF1メスの妊娠率の低下が0.5%投与群に観察された. また0.5%群の母マウスおよびその仔に体重増加の抑制が認められた. 一方, 3世代にわたるAF-2連続投与にもかかわらず, 胎仔死亡率, 外表奇形の発生に関しては特記すべき影響は認められなかった.
  • 西島 基弘, 上村 尚, 冠 政光, 高橋 尚子, 中里 光男, 渡利 優子, 木村 康夫, 直井 家壽太
    1977 年 18 巻 5 号 p. 463-469_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中の許可タール色素の抽出およびデンシトメトリーによる定量法を検計した. クリーンアップはイオン交換液を用いて, 酸性タール色素を有機溶媒層に抽出し, さらにアンモニア水で逆抽出した後, 一定量とし, その一定量を薄層クロマトグラフィーで分離した後, デンシトメトリーに付した. 各色素の検量線は各色素とも1スポットあたり0.05~0.5μgで直線関係が得られた. ジュース, すあま, かまぼこに着色料を添加した回収率は, indigo carmine が80%であったほかはいずれも93%以上であった. 加工食品成分として考えられる天然色素などについて妨害の有無を検討したが, laccaic acid が若干の妨害を示すほかはいずれも影響がみられなかった.
  • 金田 吉男, 慶田 雅洋
    1977 年 18 巻 5 号 p. 470-473_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    3ロットの Mysost タイプのホエーチーズについて硝酸塩および亜硝酸塩の定量を行った. 亜硝酸の定量はジアゾ化・カップリング反応によって行った. 硝酸塩の定量は金属カドミウムを使用するカドミウムカラム還元法によった. 亜硝酸塩含量は1.8~2.7mgNO2/kg, 硝酸塩含量は48.6, 100.0および390.0mgNO3/kgであった. ナチュラルチーズおよびプロセスチーズの分析に設定されたカドミウムカラム法をホエーチーズに適用しても特に障害は認められなかった.
  • 新垣 光雄, 有吉 敏彦
    1977 年 18 巻 5 号 p. 474-480_1
    発行日: 1977/10/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    とうもろこし油に紫外線を照射し, 過酸化物価202, 399, 805, 1117の自動酸化油 (SO200, SO400, SO800, SO1100) を得, これをラットに投与し, 脂質代謝と薬物代謝酵素系に対する影響を検討した. (1) 自動酸化油を4ml/kg 1回経口投与すると, SO400ではアニリン (AN) 水酸化酵素活性が減少し, SO1100投与では逆に増加した. 肝中のトリグリセリド (TGL) 量はSO1100投与で減少した. (2) SO800, SO1100を4ml/kgそれぞれ10日間または7日間連続経口投与すると, SO1100でAN水酸化酵素活性と体重100g当たりの肝重量が増加した. (3) SO800を4ml/kg腹腔内投与すると, 初期にアミノピリン脱メチル酵素活性, チトクロームp-450含量およびミクロゾームタンパク量が増加し, 肝TGL量は減少した. 投与24時間後では肝TGLと血清コレステロール量が増加した.
feedback
Top