食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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44 巻, 4 号
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報文
ノート
  • 佐藤 直之, 石井 敬子, 佐藤 昭男, 日高 利夫, 長岡 登
    2003 年 44 巻 4 号 p. 198-202
    発行日: 2003/08/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    蛍光誘導体化を行わず,迅速で高感度な牛肉中モキシデクチンのLC/MSによる分析法について検討した.分析条件としては,イオン化モードをAPCIポジティブで行い,フラグメンター電圧を100 Vとしたとき良好な測定ができた.回収率は脂肪および筋肉組織で,それぞれ 93.3%, 96.5% であった.市販牛肉中のモキシデクチンの確認については3つのモニターイオンを用いて,保持時間とイオン強度比によって同定を行った.また,m/z 622を用いて定量を行った結果,脂肪組織では35 ng/g, 筋肉組織では4.3 ng/gの値であった.脂肪含量を測定し,脂肪および筋肉組織のモキシデクチン濃度を脂肪ベースに換算したところ,両者ともに一致した値が得られた.このことから,脂肪および筋肉組織でのモキシデクチンの残留は脂肪含量と相関関係にあることが認められた.
  • 塩田 寛子, 佐藤 かな子, 長井 二三子, 大久保 智子, 瀬戸 隆子, 浜野 朋子, 上村 尚, 加納 いつ
    2003 年 44 巻 4 号 p. 203-207
    発行日: 2003/08/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    アロエ属植物は,医薬品や民間薬のほか,食品にも用いられている.しかし,アロエ種および部位により,食品として使用することは,禁じられているため,食品の原料として使用されているアロエ種を判別する必要がある.そこで,生育時における外的要因の影響を受けない DNA を分析対象とした random amplified polymorphic DNA (RAPD) 法を種の判別方法として用いた.部位により食品利用が禁止されているAloe vera, A. ferox, A. africana および全葉を食品に利用することが許可されているA. arborescens の4種新鮮葉についての判別を試みた.5種類の10merプライマーを用いたPCRの結果を総合的に解析し,4種を判別できることが明らかになった.本法の加工食品における有用性について報告する.
調査・資料
  • 大野 浩之, 鈴木 昌子, 青山 大器, 三谷 一憲
    2003 年 44 巻 4 号 p. 208-212
    発行日: 2003/08/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    エチル誘導体化-GC/MSを用い,ポリ塩化ビニル製玩具47検体について9種の有機スズ化合物の分析を行った.ボール,ソフトトイおよび食物玩具34検体中,10検体からジオクチルスズ(DOT)化合物が,4検体からジブチルスズ(DBT)化合物がそれぞれ1.4~1,840 μg/gおよび35.2~527 μg/g検出され,同時にこれらのモノ体も検出された.おめんは13検体すべてからDOTやDBTなどのジアルキルスズ化合物が数百μg/g以上のレベルで検出され,主としてこれらの混合物が添加されていることが分かった.特に,毒性が高いDBTはボール1検体とパーティー用おめん4検体から527~999 μg/g検出された.
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