市販家庭用マーガリン11, バター1および業務用マーガリン2計14種を試料とし, それぞれ5°と25°に保ち, 12か月にわたり毎月ビタミンA, β-カロチンを測定, 併せてP.O.V., A.V., 色相を測定した.
1) 3, 6, 9, 12か月のビタミン残存率平均値は5°で98.7, 96.3, 94.2, 92.2%, 25°貯蔵では92.9, 86.2, 80.5, 71.5%であった. またβ-カロチン残存率平均値は5°で99.7, 95.0, 89.7, 78.5%, 25°では91.5, 81.7, 68.0, 57.2%でβ-カロチンの方がやや不安定であった.
2) 乳製品の存在はビタミンA, β-カロチン保持に好結果を与える. とくに全然含まれていない業務用のβ-カロチンはたちまち破壊された.
3) 金属の存在および水分含量の多いものはビタミン保持に悪影響を与えとくに25°で著しかった.
4) P.O.V. 増加順とビタミンA, β-カロチン残存率順位には関連がみられたがA.V. との間にはとくに関連がなかった.
5) 着色剤としては人工色素の方が安定でとくに低温ではほとんど退色しない.
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