食品中の保存料の分別定量を目的として溶媒抽出およびイオン交換樹脂と紫外部吸収スペクトル測定との組合せによる方法について検討した.
保存料としてデヒドロ酢酸, ソルビン酸, 安息香酸, サリチル酸, およびパラオキシ安息香酸のエステル類の5種を用いた.
本法の特徴はつぎの諸点である.
(1) 四塩化炭素によりサッカリンは不溶であり, 保存料は可溶なので両者の分離が可能である. (2) イオン交換樹脂 (Amberlite CG 400-I型) を使用することによりサリチル酸は他の保存料と分離される. (3) イオン交換樹脂 (Amberlite CG 400-I型) を使用することは食品に起因する妨害を除去するのに有効である. 本法を市販食品のジュース, 漬物類に応用しその結果を報告した.
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