食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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49 巻, 5 号
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  • 森内 理江, 門間 公夫, 鎌田 国広, 井部 明広
    2008 年 49 巻 5 号 p. 347-351
    発行日: 2008/10/01
    公開日: 2008/11/25
    ジャーナル フリー
    大豆加工食品を対象に最適なDNA抽出方法を見いだすため,3種の抽出法(CTAB法,DNeasy法,Wizard法)について検討した.抽出したDNAについて,収量およびレクチン遺伝子数を測定した結果,発酵食品の味噌と納豆ではすべての抽出方法においてDNA収量,遺伝子数とも低い値であったが,厚揚げ・絹ごし豆腐ではすべての抽出方法において良好な結果を得た.水煮大豆では,全体として少ないコピー数であったが,CTAB法かDNeasy法で比較的高いコピー数が検出された.きな粉では吸光度測定から得られたDNA収量は多いものの測定された遺伝子数は少なかった.豆乳ではDNeasy法においてレクチン遺伝子数が低く検出される製品があった.これらの結果より食品に相応しい抽出方法を選択することが重要である.
  • 杉山 圭一, 平岡 久明, 小西 良子
    2008 年 49 巻 5 号 p. 352-355
    発行日: 2008/10/01
    公開日: 2008/11/25
    ジャーナル フリー
    牛乳に混入するアフラトキシンM1は,飼料に混入するアフラトキシンB1が摂取後水酸化され生じる代謝産物である.汚染対象が乳幼児を含めて大量消費される牛乳であることから同汚染は強く懸念されており,今回わが国の給与飼料に含まれるアフラトキシンB1と生乳中のアフラトキシンM1濃度の関連を検証した.採取時期の異なる国産の生乳299検体中のアフラトキシンM1量と,その飼料として給与されたと予想されるトウモコロシのアフラトキシンB1量をHPLCにより分析した結果,両者の間に正の相関があることが強く示唆された.したがって,わが国の牛乳へのアフラトキシンM1のリスク管理には飼料用トウモロコシのアフラトキシンB1の検査が有効であることが示された.
  • 石井 里枝, 堀江 正一
    2008 年 49 巻 5 号 p. 356-360
    発行日: 2008/10/01
    公開日: 2008/11/25
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)を用いた食品中のクロロフェノール類の簡便な分析法を検討した.MS 条件はネガティブモード, SIM で測定した.LC 条件はカラムにCadenza CD-C18を,移動相に10 mmol/L酢酸アンモニウム-メタノールを用いた.前処理法は試料をメタノールで抽出後,Oasis HLBで精製した.本法による定量下限値は食品中の濃度で4-クロロフェノールが0.2 ng/g, 2,6-ジクロロフェノールが2 ng/g, 2,4-ジクロロフェノールが1 ng/g, 2,4,6-トリクロロフェノールが0.5 ng/gであった.回収率は20 ng/gの添加濃度でいずれの化合物もおおむね70~85%,相対標準偏差は10%以内であった.
  • ニー ライミトナ, 谷山 茂人, 柴野 啓輔, 余 振輝, 高谷 智裕, 荒川 修
    2008 年 49 巻 5 号 p. 361-365
    発行日: 2008/10/01
    公開日: 2008/11/25
    ジャーナル フリー
    カンボジア・シアヌークヴィル沿岸に生息するLagocephalus 属フグ3種,シロサバフグL. wheeleri (20個体),モトサバフグL. spadiceus (15個体) およびドクサバフグL. lunaris (82個体) 計117個体につき, マウス試験法により部位別毒性を調べたところ,シロサバフグとモトサバフグは全個体が無毒(2 MU/g未満),ドクサバフグは全個体ないしロットが有毒であった.最高毒性値は, 皮 25 MU/g, 筋肉 67 MU/g, 肝臓 257 MU/g, 腸 127 MU/g, 精巣52 MU/g, 卵巣238 MU/gで,いずれも食用可否の目安となる10 MU/gを上回っていた.LC/MS分析により,毒の本体はフグ毒テトロドトキシン(TTX)と関連成分で,TTXがマウス毒性の80%以上を占めることが示された.
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