脳と発達
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36 巻, 1 号
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  • 二瓶 健次
    2004 年 36 巻 1 号 p. 2
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
  • 飯沼 一宇, 小西 行郎
    2004 年 36 巻 1 号 p. 3-20
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
  • 第2報1977年~1999年
    平安 京美, 仲田 行克, 大城 聡, 高江洲 悦子, 中村 恭子, 城間 直秀, 嶺間 博隆
    2004 年 36 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    1977年から1999年までの23年間に沖縄県 (以下本県) で発生した亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) は, 16例 (男児11例, 女児5例) であった. 本県のSSPE発生頻度は, 人口100万人当たり年平均0.58人で, これまでの本邦の報告に比べ高率であった. 本県の予防接種率は低く (40~68%), 麻疹の流行を繰り返し, 低年齢での罹患が多いことが, SSPEの発生頻度が高い要因の一つであると思われた. また, 1990年の麻疹罹患者から6人のSSPEが発症しており, 流行するウイルスの神経病原性にも関連があると思われた. 臨床像では, 1990年以後の発症例で, 血清麻疹抗体価の低下傾向が認められた.
  • 横地 健治
    2004 年 36 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児 (者) の適応行動評価法を試作し, その妥当性を検討した. 対人関係, 受容, 表出, 興味・遊戯, 日常生活の5領域からなる43項目を作成した. 0~2点の3段階評価とし, 重症心身障害児 (者) 施設に通所または入所している1~49 (平均20.2) 歳の82例 (男52, 女30) を対象とした. 各項目の平均得点は, 1.60~0.09に分布し, その平均は0.75であった. Cronbach α係数は0.95で, 内的整合性は十分と判断された.職員と母親の評価結果を対比できた通所児 (者) 39例の一致率は平均61%と十分ではなかった. しかし, 重症心身障害児 (者) の生活支援計画作成のための障害評価, および発達評価の補完として, 本試案は有用と思われた.
  • methylphenidateによる記憶機能改善の検討
    北澤 早苗, 平林 伸一, 小林 美緒
    2004 年 36 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) では行動抑制や自己制御の困難によって作業記憶が低下することが指摘されているが, 記憶機能や記憶容量については明らかにされていない. そこで聴覚言語学習検査, Reyの複雑図形検査および知能検査の短期記憶課題の結果からAD/HD児の記憶機能について検討した. さらに, それらの成績がmethylphenidate (MPH) 投与によって改善するかについても検討した. その結果, AD/HD児ではこれらの検査により測定される記憶機能はMPH非服用時でも半数以上が標準域であった. またMPH有効例の中には, 服用により特に長期的な聴覚記憶が改善される症例が見られた. AD/HDでは記憶容量は正常と考えられ, MPHはこれには影響しないが, 短期記憶から長期記憶への転送の方略における注意機能を改善し, これによって記銘情報の保持が改善される可能性が推測された.
  • 術前の問題点と経過について
    後藤 晴美, 鈴木 郁子, 丸木 和子
    2004 年 36 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児 (者) の合併症である胃食道逆流症に対し, 外科的治療を要した17症例の問題点, 短期術後経過を検討した. 外科的治療を考慮すべき胃食道逆流症をきたす症例は, 術前術後の経過から, 筋緊張が強く, 慢性呼吸障害を持つ寝たきりの若年者群と, 呑気, 反甥がみられ, 障害としては重度の知的障害が主体の成人群に分類できた. また, 年長の側彎合併例では, 食道, 胃の形態異常の合併が多かった.
    術後経過として, 臨床症状については, 若年者群で10例中8例に改善がみられ, 成人群では7例中5例に改善がみられた. また, 若年者群10例中2例, 成人群7例中4例に胃食道逆流現象の再発を認め, 成人群の再発率が若年群にくらべ多かった.
  • 城間 直秀, 福水 道郎, 須貝 研司, 佐々木 征行, 加我 牧子
    2004 年 36 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    West症候群の患者17例において, 体性感覚誘発電位 (SEP) と臨床像, 発作予後との関連を比較検討した. 初回SEP無反応は7例で, このうち2回目のSEPで反応が得られたのは4例であった. 全例脳波所見の改善と関連し, 発作予後, 発達予後との関連は認めなかった. 今回の検討で, SEP, 短潜時体性感覚誘発電位 (SSEP) はてんかんの状態で変化し, 初回SEPが無反応でも必ずしも予後不良とは言えないことが示された.
  • 山城 大, 相原 正男, 小野 智佳子, 金村 英秋, 青柳 閣郎, 後藤 裕介, 岩垂 喜貴, 中澤 眞平
    2004 年 36 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    行為障害 (conduct disorder;CD) を併存した注意欠陥/多動性障害 (attention deficit/hyperactivity disorder;AD/HD) 児2名において, 医療介入後に新たに作製した情動的な内容を含む画像を呈示した時の交感神経皮膚反応 (sympathetic skin response; SSR) を記録した. 介入後にCDおよび反抗挑戦性障害 (oppositional defiant disorder;ODD) の診断基準を満たさなくなった症例1では, 受動的応答でSSRは出現しなかったが, 呈示画像に対して情動評価する能動的応答でSSRが出現した. 一方, 介入後にODDの診断基準を満たしていた症例2では, 両応答ともSSRが出現しなかった. 併存障害を有するAD/HD児における情動表出反応の客観的評価法として, 視覚的情動刺激によるSSRは有用と考えられる.
  • 吉岡 三恵子, 杉江 和馬, 西野 一三, 戸田 達史
    2004 年 36 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    先天性筋ジストロフィーの一亜型として以前に報告した3症例の病因を明らかにするため, その1例について免疫組織化学的検討を行った. 症例は4歳2カ月の男子で, 乳児期より筋緊張低下と精神運動発達遅延があり, 筋生検ではジストロフィーの所見を認めた. 血清CK値は2,776 IU/lと上昇し, MRIで大脳白質病変を認めたが, ジストロフィン, フクチンおよびPOMGnT1遺伝子には異常はなかった. 筋の免疫染色ではジストロフィン, サルコグリカン, メロシン, α-およびβ-ジストログリカン (DG) の抗体を用いたが, α-DGのみ陰性で他は陽性であった. α-DGは基底膜と細胞骨格の結合に重要な役割を果たすことから, この結合の破壊がこの症例の病因と考えられた.
  • 杉山 延喜, 浜野 晋一郎, 望月 美佳, 田中 学, 高橋 幸利
    2004 年 36 巻 1 号 p. 60-63
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    症例は3歳8カ月の男児. 1歳8カ月時に先行感染の後に小脳失調を呈した. 急性小脳失調症と考え経過観察したところ, 1カ月後も小脳症状が持続していたため免疫グロブリン大量静注療法およびステロイドパルス療法を施行した. しかし小脳症状は残存しその後も感染に伴い増悪し, 3歳8カ月現在小脳症状の持続と知能障害を残している. MRIおよびSPECTでは異常所見は認めなかった. 髄液細胞数は初期のみ高値だったがneuron specific enolaseは高値が持続し, 小脳症状増悪時により高値となり病勢を反映した. また, 血清および髄液において抗グルタミン酸受容体δ2抗体が陽性であった. グルタミン酸受容体δ2は小脳のPurkinje細胞に特異的に存在することが推定されており, 抗グルタミン酸受容体δ2抗体の持続的な存在により慢性的に神経細胞が傷害されていると考えられ, 慢性小脳炎と診断した. 病初期に急性小脳失調症と診断される症例の中に本症のように症状が遷延し慢性小脳炎と診断すべき症例が存在することに留意すべきである.
  • 遠山 潤, 金澤 治, 赤坂 紀幸, 上村 孝則
    2004 年 36 巻 1 号 p. 65-69
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    両側性の傍正中視床梗塞と診断した15歳男児を報告した. 意識障害, 自発性の低下, 過眠などの特徴的な症状に加え, 本症では稀な顔面や下肢の感覚障害と味覚障害を呈し, 頭部画像所見で両側視床の梗塞像がみられた. 脳梗塞の原因として, 器質的疾患や凝固系の異常はなく原因は特定出来なかった. 意識障害で発症し, 両側視床病変を来す小児疾患のひとつとして, 本症を念頭に置くことは画像診断の鑑別上重要であると思われた.
  • 大城 聡, 嶺間 博隆, 城間 直秀, 平安 京美, 仲田 行克
    2004 年 36 巻 1 号 p. 70-74
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    亜急性硬化性全脳炎 (subacute sclerosing panencephalitis, 以下SSPE) の患者5例 (男児3例, 女児2例) に対し, Ommaya reservoirによるinterferon-α (以下IFNα) 脳室内投与およびinosinpranobex (以下INP) 経口投与の併用療法を行い, その治療効果について検討した. 全例発症後5カ月以内, Jabbour分類H期と発症問もない時期に治療を開始した. 初期治療として, 総投与量3,000万単位/体表面積のIFNα を4週から6週間で連日投与し, それ以降は1週に1回150万単位あるいは300万単位を投与する方法で治療を行った. なおINPは70~100mg/kg/日経口投与で行った. 全例1年以上経過観察しているが, 4例は臨床症状スコアが悪化してJabbour分類III期に進行した. 1例のみは臨床症状スコアが一過性に悪化したが, その後に症状の改善がみられ, Jabbour分類II期を維持している. SSPE発症初期における神経症状の進行を抑制するためには, IFNα とINPの併用療法以外の新たな治療法が必要と思われた.
  • 廣瀬 三恵子, 横山 浩之, 野口 里恵, 萩野谷 和裕, 青木 正志, 飯沼 一宇
    2004 年 36 巻 1 号 p. 75-79
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    Piracetamがミオクローヌスの緩和に有用であった進行性ミオクローヌスてんかん (PME) を呈した歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) を経験した. 患児はPMEの1症状としての動作性ミオクローヌスが著明で日常生活にも困難を来していた. piracetamは皮質性ミオクローヌスに対して保険適応がある. しかし, 通常, 非皮質性ミオクローヌスと考えられているDRPLA患児のミオクローヌスにもpiracetam投与が有効であった. このことから, 非皮質性ミオクローヌスに対してもpiracetamが有効である可能性がある.
  • 栗原 まな, 中江 陽一郎, 小萩沢 利孝, 衛藤 義勝
    2004 年 36 巻 1 号 p. 80-81
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    小児期発症のウイルス性または原因不明の急性脳症に罹患した小児37例 (急性脳症発症時の平均年齢2歳10カ月) を対象に, 急性脳症発症以前の熱性けいれんの既往と, 熱性けいれんの家族歴について調査した. さらに熱性けいれんの既往がある群とない群で後遺症の重症度・内容を比較した. 熱性けいれんの既往がある例は35.1%であり, 熱性けいれんの家族歴を有する割合は, 熱性けいれんの既往がある群で53.8%, ない群で292%といずれも高率であった. 熱性けいれんの既往がある群とない群で後遺症の重症度・内容に差はなかった. 急性脳症の発症と熱性けいれんの間には何らかの遺伝的要因が関与していることが示唆された.
  • 中国・四国地方会
    2004 年 36 巻 1 号 p. 85-87
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
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