重症心身障害児 (者) の合併症である胃食道逆流症に対し, 外科的治療を要した17症例の問題点, 短期術後経過を検討した. 外科的治療を考慮すべき胃食道逆流症をきたす症例は, 術前術後の経過から, 筋緊張が強く, 慢性呼吸障害を持つ寝たきりの若年者群と, 呑気, 反甥がみられ, 障害としては重度の知的障害が主体の成人群に分類できた. また, 年長の側彎合併例では, 食道, 胃の形態異常の合併が多かった.
術後経過として, 臨床症状については, 若年者群で10例中8例に改善がみられ, 成人群では7例中5例に改善がみられた. また, 若年者群10例中2例, 成人群7例中4例に胃食道逆流現象の再発を認め, 成人群の再発率が若年群にくらべ多かった.
抄録全体を表示