13歳の小児てんかん35例を対象に, 聴覚事象関連電位P300を測定し, 既存の認知機能検査と比較検討した。
補正P300潜時は, WISC-RのIQおよびWechsler memory scale (WMS) の合計点数と有意の負の相関を示した. WISC-Rの下位項目で補正P300潜時と有意の負の相関を認めたのは, 理解, 絵画完成, 符号の3項目だけであった. WMSでは, 対連合, 数唱, 視覚再生, 精神統制, 見当識, 自己および最近の知識で補正P300潜時と有意の負の相関を認めた.
これらの所見は, 小児てんかんにおいて, P300潜時の延長が認知機能障害と関連することを示していた. そしてP300潜時は, 単純な課題認知, 短時間の記憶, 簡単な判断の様な, 特徴的な認知機能と相関を認めた.
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