急性感染性脳症35例の画像所見は, 1群 (正常11例), 急性期は正常で後に軽度の脳萎縮がみられた2群 (1例), 脳症発症の48時間以内に脳浮腫が顕著だった3群 (7例), 初回MRIは正常で, 脳症発症後の4日前後で大脳皮質主体の浮腫~壊死が出現した4群 (9例), 対称性の視床病変がみられた5群 (7例), に分けられた. 予後は, 3群で6例が死亡, 1例が重度脳障害, 4群で全例が重度脳障害, 5群で4例が死亡, 1例が重度脳障害, 2例が正常に回復した. 血清AST値は3群で全例, 4群で7例, 5群で6例が100IU/L以上に上昇した. 肝組織がReye症候群に一致した例は, 3群で2/3例, 4群で1/1例, 5群で1/3例であった. 肝組織まで一致する例は少ないが, 重症の急性脳症とReye症候群とは類似病態と思われ, 特にReye症候群が他の急性脳症と比べ特殊な病態とは思えなかった.
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