脳と発達
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12 巻 , 3 号
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  • 小島 徳造
    1980 年 12 巻 3 号 p. 180-195
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒト胎児中枢内のニユーロンが, 経時的にどのように発育してゆくかを, 15例 (8.0mmCRL-190.0mmCRL) の頸髄について光顕と電顕で観察した.
    外套層では, 運動ニユーロンと介在ニユーロンとのシナップスが最も早く発見され, 皮膚腺髄反射の伝導方向とは逆順序でシナップスが形成されることがわかった.辺縁層では, それ自体の大きさ, 内蔵する細胞 (グリアと推定) の密度, さらに, 軸索の数と大きさ, などについてみたが, いずれの経過についてもcritical stageがあり, 直線的な推移でないことがわかった.その他, 髄鞘化に部位差があること, 軸索の大きさと内蔵する微小管の数との間に有意相関があること, などがわかった.
  • 高島 敬忠
    1980 年 12 巻 3 号 p. 196-197
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 大倉 興司
    1980 年 12 巻 3 号 p. 198-203
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    年間2ないし3万件の潜在的需要があると推定される遺伝相談を, 適正に国民に提供するシステムを説明した.
    A) 遺伝相談の窓口
    潜在化した需要に対し, 望むもの, 必要とするものへ地域社会の中で, 行政機構も含めて広い窓口が必要である.
    B) 遺伝相談クリニック
    正確な診断, 正確な家系資料, 遺伝的危険率の推定, そしてアドバイスを行なうには, 臨床各科の専門医, 臨床遺伝学者, パラメディカル・スタッフの協同と, グループ・カウンセリングが重要な方法である.
    C) アフター・ケア
    必要に応じて生殖の制限を行なうことになるが, この目的を貫徹させるには特に精神的な支援を含めたアフター・ケアのシステムが必要である.以上についての詳細な説明を行なった.
  • 有馬 正高
    1980 年 12 巻 3 号 p. 204-206
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    代謝性疾患はhetero保因者の診断技術がすすみ伴性劣性遺伝疾患の孤発例でも母親の保因者診断が一部は可能となって危険率の算定が確実に行ない得ることが多い.また, 出生前診断も家族の要望によって実施される例がある.疾患の種類によっては早期治療が完全に行ない得る場合と予後が全く不良な場合がある.これらはいずれも遺伝相談の情報提供に際し参考になる事がらといえる.
    確率にもとついて情報を提供しても家族のその後の行動は単一ではない.現実として高い危険率を直視したとしてもそこから生ずる心理的な面は時期とともに変化しうるし, 健康な子供を得た例, 子供を断念した例, 再び患者を生んだ例などいずれも経験される.
    長期的な追跡例からの反省では, その家族の幸福感は個々の事例で差があるということであり, 正常な子供を得られないという悩みからの脱却についても配慮すべきであろう.
  • 高島 敬忠
    1980 年 12 巻 3 号 p. 207-211
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    多因性遺伝とは多数の遺伝子と多くの環境要因とが, その形質成立に複雑に関与しているものをいい, その易罹病度 (Liability) は多因子性遺伝のしきい説で説明される.
    この範疇に小児神経学で入る中枢神経疾患とは, 種々の脳奇形, てんかんや精神薄弱などである.
    多因子性遺伝疾患の遺伝相談の際は, 多くの家系資料をもとにして算出された経験的危険率を一般的に応用する.このリスクを発端者の子供または同胞に対する再発危険率に限ると, 一般集団頻度のほぼ平方根に等しいことが理論的に推定されている.
    種々の疾病に対する経験的危険率を概観すると, 次のようなことが一般的にいえそうである. (1) 両親および血族に異常者がいなくても, 一人患児を持った場合の再発危険率は, 一般頻度よりかなり高いものとなる.これは両親および血族に異常者がいた場合でも, 同様である. (2) 発端者より血縁が遠くなればなるほど, その経験的危険率は低下する.
    なお, 脳奇形などの遺伝相談において注意しなければならないのは, 臨床的に全く同一疾患であっても, メンデル遺伝様式をとる脳奇形の存在である.それらは, 当然理論的危険率により推定されるべきである.
    てんかんや精神薄弱の経験的危険率は, 脳奇形のそれに比し, 遺伝的要因の関与度も高く相当なリスクとなっている.従来の経験的危険率の資料は諸外国のものが圧倒的に多い.民族差や地域差を考慮した日本人に適応される経験的危険率の調査が今後の大きな課題であろう.
  • 大沢 真木子
    1980 年 12 巻 3 号 p. 212-218
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中枢神経疾患には, 現在の医学の進歩によっても未だ治療法の確立されていないものが多い.これら疾患に対し, 我々は, 遺伝性・非遺伝性によらずその発生要因を明らかにし可能な限り発生予防に努める義務がある.遺伝相談はその一手段である.
    また一方遺伝性疾患患児が家族内にいるが理論的には遺伝的負荷はほとんどないと推定される者や, 非遺伝性疾患をもつ家族が「遺伝性に対する不安」を持っていることがある.その悩みを軽減するのも遺伝相談の一目的である.
    ここでは, 常染色体性優性遺伝性疾患の親子発生例, 突然変異例の各両親, 常染色体性劣性遺伝性疾患患児を同胞にもつ者, 伴性劣性遺伝性疾患のprobable carrierの女性, 遺伝形式不明の疾患の子をもつ両親に対する相談例を挙げ, practicalな面につき述べた.
    診断を確立し自然歴を把握する重要性と, 遺伝相談があくまでもクライアントとその家族の幸福のために行なわれるべきものであることを強調したい.さらに, 原因不明の神経疾患一つ一つにつき, その発生要因を究明してゆくことが, 我々小児神経科医の今後の課題である.
  • 鈴木 康之
    1980 年 12 巻 3 号 p. 219-222
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児神経科領域の遺伝相談で, 問題となると思われる2~3の点について, 症例を挙げてまとめてみた.
    症例1はLesch-Nyhan病の家系で, 遺伝相談に至るまでの過程・タイミング, 保因者検索とその意義について考察した.症例2は原因不明の先天異常で, 現時点では特定の疾患と診断できないものの, 血縁婚を背景にしており, 何らかの遺伝性疾患単位であることは否定しきれない.遺伝的予後の幅と一般遺伝負荷に言及し, 結局はクライアントの人生論をベースに選択・決定を導びく.以上私の日頃とっているパターンを一つの解答例として述べた.
  • 戸島 健治, 武田 英二, 渡辺 俊之, 伊藤 道徳, 黒田 泰弘
    1980 年 12 巻 3 号 p. 223-227
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳児型ゴーシェ病患者1名, 成人型ゴーシェ病患者2名およびその家族の単核球, 好中球および白血球β-glucosidase活性を測定し, 本症患者および保因者の診断について検討した.
    pH3.5で測定された単核球β-glucosidase活性は, 白血球β-glucosidase活性の約2倍, 好中球β-glucosidase活性の約4倍であった.
    pH3.5で測定された乳児型および成人型ゴーシェ病患者の単核球, 好中球および白血球β-glucosidase活性は, 正常対照のそれぞれ7.0, 14.0, 17.8%と著明に低下していた.pH5.0で測定された患者, 保因者および正常対照の活性値は互いに重複した.
    保因者と考えられる5名の両親においては, pH3.5で測定された単核球β-glucosidase活性のみが, それぞれ正常対照の66.9, 38.9, 50.6, 44.4, 59.6%と低下し患者と正常対照との中間値を示した.
    以上の結果より, 成人型のみならず乳児型ゴーシェ病患者の診断も, pH3.5で測定された単核球, 好中球および白血球β-glucosidase活性により, また, 保因者の診断も, pH3.5で測定された単核球β-glucosidase活性によりなされることが明らかになった.
  • 二木 康之, 小野 次郎, 清水 寛, 安部 治郎, 藪内 百治, Tohru YUTAKA, Kiyoomi SUMI, Takahiro ...
    1980 年 12 巻 3 号 p. 228-233
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳の男児で, 左手の企図振戦, 歩行障害を主訴とし, 頭蓋単純X線, 頭部CTで両側対称性の基底核および小脳歯状核石灰化を示したが, 脳血管写などにより血管性病変, 腫瘍性病変は否定され, 血液生化学的検査, 内分泌学的検査にも異常なく, 石灰化をきたす明らかな原因を認めなかったことから特発性大脳基底核石灰化と診断した1例を経験した.また, 本症例は家族歴に特記すべきことなく, 両親の頭蓋単純X線, 母親のCTともに石灰化を示さず, 散発例と考えられた.本症の小児例は稀であると思われるので症例報告する.
  • 山本 正士, 伊藤 雄平, 矢野 英二, 松石 豊次郎, 青木 信之
    1980 年 12 巻 3 号 p. 234-240
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Sturge-Weber症候群の3才女児例に神経放射線学的検討を行なった.患児は右の上肢, 顔面, 胸部にポートワイン状血管腫があり, 左の痙性不全麻痺を伴っていた.
    頭部X線では頭蓋冠の肥厚と錐体部隆線の挙上をみとめたが病的石灰像はなかった.CTでは右大脳半球の萎縮所見と右前頭葉のhigh density areaをみとめた.右大脳半球のenhancementの所見が得られた.
    RI cisternography, RI brain scanも右大脳半球に高吸収域をみとめた.CAGは右大脳半球萎縮所見と右半球のvenous hemangiomaの所見を得た.これらの所見はCT所見より推測可能とおもわれた.
  • 武部 幸侃, 馬場 正之, 横山 碓
    1980 年 12 巻 3 号 p. 241-243
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳児早期に発症し臨床像はCharcot-Marie-Tooth病様の病像を示すが, 腓腹神経生検, 末梢神経伝導速度に異常なく, 筋生検にてtype l fiberのpredominanceおよびgroup atrophyを示すSMAと考えられる希有な症例を経験し3年間観察したので報告した.
  • 吉川 宏起, 前原 忠行, 田坂 晧
    1980 年 12 巻 3 号 p. 244-256
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 梶浦 一郎
    1980 年 12 巻 3 号 p. 257-259
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鴨下 重彦
    1980 年 12 巻 3 号 p. 260-261
    発行日: 1980/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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