乳児型ゴーシェ病患者1名, 成人型ゴーシェ病患者2名およびその家族の単核球, 好中球および白血球β-glucosidase活性を測定し, 本症患者および保因者の診断について検討した.
pH3.5で測定された単核球β-glucosidase活性は, 白血球β-glucosidase活性の約2倍, 好中球β-glucosidase活性の約4倍であった.
pH3.5で測定された乳児型および成人型ゴーシェ病患者の単核球, 好中球および白血球β-glucosidase活性は, 正常対照のそれぞれ7.0, 14.0, 17.8%と著明に低下していた.pH5.0で測定された患者, 保因者および正常対照の活性値は互いに重複した.
保因者と考えられる5名の両親においては, pH3.5で測定された単核球β-glucosidase活性のみが, それぞれ正常対照の66.9, 38.9, 50.6, 44.4, 59.6%と低下し患者と正常対照との中間値を示した.
以上の結果より, 成人型のみならず乳児型ゴーシェ病患者の診断も, pH3.5で測定された単核球, 好中球および白血球β-glucosidase活性により, また, 保因者の診断も, pH3.5で測定された単核球β-glucosidase活性によりなされることが明らかになった.
抄録全体を表示