旭川肢体不自由児総合療育センターで療育している患者で誤嚥防止手術を受けた16例において, 術式, 手術時期, 合併症について検討した. 基礎疾患は脳性麻痺6例, 変性疾患5例, 後天性低酸素性脳症4例, 先天性ミオパチー1例であった. 術式は喉頭気管分離術9例, 喉頭摘出術7例, 手術時年齢は前者が7カ月~13歳5カ月, 後者が1歳6カ月~17歳1カ月であった. 全例で呼吸障害は著明に改善した. 合併症は流涎増加6例, 気管内肉芽4例, 静脈性出血, 気管孔狭窄, 気管軟化症が各2例, 縫合不全, 気管内膿瘍が各1例であった. 重度誤嚥を伴う慢性呼吸障害を呈する患者には, 年齢, 基礎疾患などを考慮し時期を失することなく誤嚥防止手術をする必要がある.
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