重症心身障害児に対する喉頭気管分離術の有用性を臨床的に検討した. 対象は誤嚥性肺炎を反復, またはその危険がある重症心身障害児11例. 診療録から術前後の喀痰吸引回数, 肺炎罹患回数, 呼吸状態, 栄養摂取法等を後方視的に検討した. また, 保護者に対し筋緊張, けいれん, 睡眠の質, 内服薬, 機嫌の変化について聞き取り調査を行った. 術後, 喀痰吸引回数, 肺炎罹患回数, 呼吸状態が改善, 3例は経口摂取が可能となった. 保護者は睡眠の質, 機嫌の改善を感じていた. 重症心身障害児に対する喉頭気管分離術は呼吸状態および栄養摂取法を改善させ, 医療介護レベルを軽減できる治療法である.
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