正常人48名 [左手利き24名 (男12名, 女12名), 右手利き24名 (男12名, 女12名)] を対象として, tachistoscopeを用いて視覚認知における優位視野と手, 目の利き側との関連を検討した.
1) 両側同時呈示における平均露出時間と利き手, 性別との関連は認められなかった.
2) A値測定時の1aterality indexで左視野優位を示したものは8名であったが, 右手利き, 左手利きおのおの4名で利き手と優位視野との関連は認められなかった.利き目は, 8名中6名が左目利きであった.一方, D値測定時に左視野優位を示した7名は全員左目利きで有意差を示し, 利き目と優位視野との関連が確認された.
3) 各種刺激別の優位視野の割合と利き手, 利き目との関連は認められなかった.
以上より, 正常人の視覚認知における半球優位性の検討においては, 利き目の考慮が必要と考えられた.
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