分析化学
Print ISSN : 0525-1931
15 巻, 7 号
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  • 石橋 信彦, 小原 人司, 福田 誠
    1966 年 15 巻 7 号 p. 637-642
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    EDTAによる微量コバルトイオンの放射滴定を検討した.60Coを含むコバルト溶液にEDTAを加え,生成した錯体と遊離のコバルトイオンとをキレート樹脂あるいはイオン交換樹脂によって分離し,EDTA錯体を含む溶液の放射能強度を測定する.添加EDTA量を変えることによって滴定曲線が作成される.実験結果および錯生成定数などの検討の結果,10-6~10-7M程度のコバルトの滴定が可能なことがわかった.共存する鉄およびトリウムイオンも逐次滴定によって定量できる.また,同程度の錯生成定数をもつ亜鉛などが共存する場合,Co(II)-EDTA錯体の酸化と鉄溶液による亜鉛などの置換滴定を利用して両イオンの分析が可能である.
  • 小原 人司, 石橋 信彦
    1966 年 15 巻 7 号 p. 642-646
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    錯形成とペーパークロマトグラフ分離を利用する微量コバルトの同位体希釈分析法を検討した.錯形成剤としてβ-ニトロソ-α-ナフトールを用い,アセトン-イソアミルアルコール系で展開した結果,錯体のRf値は約1.0で遊離のコバルトと完全に分離される.生成錯体の組成や錯形成速度などを検討した結果に基づき,次の操作でコバルトの分析を行なった.試料溶液に放射性コバルトを添加し,コバルト全量に対して化学量論的に不足量の錯形成剤を加えたのち,pHを6~7に調節する.80℃で1時間加熱後,混合溶液の20~30μlを濾紙にスポットし,上昇法で約1時間展開させる.標準溶液についても同様に操作し,展開分離された錯体の放射能強度を比較して定量する.本法によって0.01μg/ml程度の微量コバルトの定量が可能なことがわかった.鉄,ニッケルおよび銅などの共存の影響も調べた.
  • アミノプロピロンの分析研究(第1報)
    小泉 淳二, 世一 義隆, 竹本 禎三郎
    1966 年 15 巻 7 号 p. 647-652
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    アミノプロピロンの比色定量法について検討した.
    アミノプロピロンを鉱酸で加熱分解したものは,弱酸性下,室温において容易に紫紅色(λmax=414~416mμ,536mμ)を呈する特異的なニンヒドリン反応を見いだした.この発色反応はアミノプロピロン濃度4~28μg/mlの範囲内で,ベールの法則を満足し定量に利用しうることを知った.本法はきわめて精度のよい比色定量法である(σ'=0.272%).
    鎮痛薬,感冒薬としてしばしば配合される塩酸エフェドリン,スルピリン,硫酸キニーネ,塩酸ノスカピンなどの塩基性物質が共存する製剤にわいては,従来使われている滴定法でアミノプロピロンを定量することは困難であるが,本法ではこれら成分の影響なく簡単に定量することができた.
  • アミノプロピロンの分析研究(第2報)
    小泉 淳二, 世一 義隆, 上野 政一
    1966 年 15 巻 7 号 p. 652-656
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    アミノプロピロンを硫酸で加水分解したのちニンヒドリンと反応させ比色定量する方法を前報1)で報告した.今回は,解熱鎮痛剤,抗ヒスタミン剤,鎮がい剤などと混合しているアミノプロピロンに本法を適用したとき,妨害する成分の有無,およびその除去方法について検討した.その結果,前報で記したノスカピン,フェナセチンのほかにで,p-アセトアミノフェノール,ニコチノイル-4-アミノアンチピリンが本法を妨害し,また,アセチルサリチル酸なども妨害するおそれがあった.しかし,試料を塩酸酸性溶液としクロロホルムで抽出すると,ニコチノイル-4-アミノアンチピリン以外の妨害成分は,ほとんどクロロホルム層に移りアミノプロピロンは塩酸酸性水層に残るため分離することができた.この処理法により妨害成分を除去し,ニンヒドリン法を適用するとアミノプロピロンは精度よく定量することができる.
  • 村野 正躬, 宮崎 滋
    1966 年 15 巻 7 号 p. 657-661
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    スズ-ガレイン錯体を弱酸性溶液からイソアミルアルコールで抽出後,抽出液を洗浄し吸光度を測定する方法で金属材料中のスズを定量した.妨害除去のためアンチモン,タングステン,ジルコニウムなどは酒石酸でいんぺいし,鉄バナジウムなどはアスコルビン酸で還元し,モリブデン,チタンなどは過酸化水素を含む洗液で洗浄した.
    鉄鋼,銅合金,亜鉛地金,亜鉛およびアルミニウムダイカスト合金,鉛地金および硬鉛中のスズをいずれも約30分で分析することができた.再現精度はスズ含有量0.08%の炭素鋼で変動係数2.0%,スズ含有量0.14%の黄銅で0.6%であった.また誤差はスズ含有量0.01%以下の鉛地金以外は,吸光光度定量法として満足できる範囲内にあった.
  • 分析化学への高分子量アミンの応用(第6報)
    鈴木 俊雄
    1966 年 15 巻 7 号 p. 662-666
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    高分子量アミンによるインジウムのハロゲン化水素酸溶液からの抽出率は,塩酸<臭化水素酸<ヨウ化水素酸(不安定のためヨウ化カリウム-硫酸を使用)の順に増大するのに対して,ガリウムの抽出率は,それと逆の傾向となることが,著者らの実験により示された.そこで,ヨウ化カリウム-硫酸系から高分子量アミンでインジウムとガリウムをそれぞれ定量的に分離するたこめの実験条件について検討してみたこ.Amberlite LA-1キシレン溶液を用いてインジウムを抽出する場合,アミンのヨウ化物のほうが遊離アミンよりも抽出率が高く,また硫酸濃度はあまり抽出率に影響がないが,アミン濃度とヨウ化カリウム濃度はインジウム量の増加とともに増す必要がある.なお,第2アミンよりも第3アミン(たことえば,トリ-n-オクチルアミンなど)を使用すると,いっそうインジウムの抽出率が高く,しかもガリウムのそれは低いので好結果が期待される.インジウムとガリウムの合成試料および実際試料について実験したところよい結果が得られた.
  • 分析化学への高分子量アミンの応用(第7報)
    鈴木 俊雄
    1966 年 15 巻 7 号 p. 666-671
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    希臭化水素酸-硝酸混合系から高分子量アミン(主として,トリス-2-エチルヘキシルアミンの5vol%のキシレン溶液を使用)を用いてビスマスを抽出分離する条件について検討した.その結果,次の利点を有することが知られた.
    (1) きわめて低い臭化水素酸濃度(酸濃度が低いほどビスマスの抽出率を高める一方,他の多くの金属イオンの抽出率が低くなるので,0.05M臭化水素酸を使用)からでも,抽出後の水相が白濁することがないので,相の分離がきわめて容易に行なわれる.
    (2) 臭化水素酸系で一部抽出される亜鉛,スズ(IV),インジウム,鉛なども硝酸共存によりビスマスの抽出率をほとんど減ずることなしに,それらの抽出をおさえることができる.
    (3) 臭化水素酸-硝酸系で一部共摘出されるカドミウムは,有機相を0.5M硝酸で洗浄することにより,ほとんどを除去することができる.
    (4) ビスマスを抽出した有機相を一定過剰量のEDTA溶液(pH3.0~3.8)で逆抽出することにより,ただちにビスマスのキレート滴定法(トリウム標準溶液による逆滴定)が可能となるので,ビスマスの斜離常法としで応用できろ.
  • 厚谷 郁夫
    1966 年 15 巻 7 号 p. 672-677
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    原子吸光分析法によるマンガンの測定条件,酸の影響,共存元素の影響について検討した結果,測定条件は波長2795Å,中空陰極ランプの電流値60mA,スリット幅0.50mm,空気圧1.5kg/cm2,アセチレン圧0.5kg/cm2とするのが最適であった.酸の影響としては塩酸,硝酸の影響が最も少なく.0.4~0.6Nの範囲では酸の濃度変化による影響はまったく見られなかった.共存元素の影響としては鉄鋼,アルミニウム合金,フェロアロイ中に含まれているいろいろの元素について検討した結果,ほとんどの元素について共存元素の影響は見られなかったが,モリブデンが多量に共存する場合影響した.以上の検討に基づき鉄鋼,アルミニウム合金,フェロアロイ中のマンガンの定量法を確立した.
  • 仁木 栄次, 佐渡 篤
    1966 年 15 巻 7 号 p. 677-683
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    フィート・バック要素を有する連続分析装置の特性,使用法および設計法を検討する目的で,まず連続滴定装置の(比例+積分)動作について解析を行ない,実験値と比較検討を行なった.線型自動制御理論による解析の結果,調節計積分時間の大きいほど,調節計比例感度の小さいほど,検出部一次遅れ時定数および滴定セル部一次遅れ時定数の小さいほど系が安定となるにとが示された.実験値と比較を行なうと,理論的に無周期応答を示す領域の近傍において実際に無周期の応答が得られたが,他の領域ではすべて単振動に似た応答となった.またボード線図を描いて検討した結果は,上記の結論とともにむだ時間を小さくしたほうが安定であることが示され,実験上の最適条件のゲイン余有および位相余有はおのおの(15.3±4.7)dB, (72.0±9.0)°となった.
  • 外崎 巧一, 小友 允, 田中 紘一
    1966 年 15 巻 7 号 p. 683-686
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    キシレノールオレンジ(XO)を発色剤として,微量のクロム(III)を光度定量するための基礎的な条件を検討した.クロムに対してXOが過剰に存在するときは,溶液の酸性度に応じて2種の錯体を生成するが,定量には527mμに吸収の極大をもつ錯体を利用した.この錯体はpH2付近で最高の発色を示す.錯体の生成には加熱を要するが,いったん生成したものは長時間安定である.クロムの量が約30μg/25mlまでは吸光度との間に直線関係が成立する.III~IV価金属イオンや,NTA,EDTAなどはクロムの定量を妨げる.この錯体の組成は[Cr(III)]:[XO]=1:1であり,また,みかけの生成定数はpH1.7において3.7×103程度である.
  • 鎌田 栄二郎
    1966 年 15 巻 7 号 p. 687-688
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    The mixture of succinic and lactic acids has been hardly isolated even with a longer column. In practice, in order to transfer the sample solution containing small amounts of the acids quantitatively onto a silica column (55cm long, 0.7cm dia.), the solution is mixed with one gram of silica gel which gives 6 cm of the sample column. The two acids are completely separated. by the development with an 18% tert-butanol-chloroform accompanied by a preliminary development with 10ml of 14% tert-butanol-chloroform. The effect of the preliminary development to give the clear-cut separation of the elution bands is attributed to the concentration gradient of tert-butanol occurring around each solvent front, namely, this concentration gradient is effective in constricting the individual chromatograms in the column.
  • フラスコ燃焼法による有機元素分析(第1報)
    太田 茂輝
    1966 年 15 巻 7 号 p. 689-692
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    Analytical procedures could be very conveniently and rapidly performed by a method using a combustion flask with joint equipped with a measuring pipet, stopper cock, oxygen introduction pipe, washing pipe, washing effusive hole, platinum lead wire, platinum coil, and platinum, or quartz basket, etc.
    In quantitative analysis with this apparatus, it is desired that the volume of absorption fluid be made as small as possible. For this purpose, the interior of the flask is washed with distilled water, which is then removed completely by shaking the flask several times, and thereafter placing an absorbent therein.
    In the analysis of iodine, a satisfactory result was obtained by using sodium oxide in place of hydrogen peroxide. After sample combustion, the flask was allowed to stand, without shaking, in ice water for about 1 minute. The inner surface of the flask, cock, and basket could be rinsed automatically with the fluid aspirated by reduced pressure in the flask. Thus, titration could be performed without transferringthe fluid to other vessels. The titration was carried out with 0.005N Hg(NO3)2 for Cl, Br, and I; with 0.01N Th (NO3)4 for F; and with 0.01N Ba(CH3COO)2 for S. It took only 67 minutes to complete the analysis, excluding the time required for weighing the sample.
  • 分析化学におけるオニウム化合物の適用に関する研究(第23報)
    松尾 博, 茶木 正吉, 原 茂樹
    1966 年 15 巻 7 号 p. 692-694
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    Zephiramine reacts with iron thiocyanate complex ions to form a reddish-brown precipitate. The precipitate is extracted with chloroform, and the extract is stable for at least 2days after extraction, and shows an absorption maximum at 470mμ. The absorbance of the extract is invariable in the acidic region (pH1.20.2). Beer's law holds for the chloroform extract when iron-thiocyanate-zephiramine was extracted in 10.0ml chloroform from 25.0ml sample solution containing 0.5×10-6M 5.0×10-6M Fe(III). Metal ions, except for copper and bismuth, do not interfere with the determination.
  • 秋山 和一, 小林 幸雄
    1966 年 15 巻 7 号 p. 694-697
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    The experiment deals with the determination of titanium in tantalum by chromotoropic acid method. Chromotoropic acid is dissolved in a sodium sulfitesolution to overcome instability under light. The final spectrophotometric determination is carried at pH 1.0to avoid interferences by diverse ions.
    The proposed procedure is as follows. The metallic tantalum is changed to oxide by ignition, then fused with potassium pyrosulfate, and the melt is dissolved in a hot ammonium oxalate solution. The solution is cooled and diluted to about 70ml. Five ml of chromotoropic acid solution (made by dissolving 5g chromotoropic acid in 100ml of 5% sodium sulfite solution) is added. Then the pH of the solution is adjusted to 1.0±0.1. The solution is diluted to 100ml, and the absorbance at 480mμ is measured.
    The lower limit of determination by this method is 20ppm of titanium in metallic tantalum.
  • 多賀 光彦, 吉田 仁志, 蟇目 清一郎
    1966 年 15 巻 7 号 p. 698
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    均質沈殿法においてpHの上昇の目的のために尿素を加熱して加水分解する方法がよく用いられている.しかし,尿素を酵素によって加水分解する方法に関する報告はみあたらない.
    著者らは,ウレアーゼ3)が比較的低温において尿素を加水分解して溶液中にアンモニアを生成することに着目し,この反応を均質沈殿法へ利用しうるであろうと考えた.そこでまずニッケル-ジメチルグリオキシム(以下, Ni-DMGと略記)の均質沈殿法にこの反応を利用したところ,ほぼ満足すべき結果を得たので速報する.
  • 木村 栄作
    1966 年 15 巻 7 号 p. 699-710
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 本間 春雄
    1966 年 15 巻 7 号 p. 711-727
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 宮原 景吉
    1966 年 15 巻 7 号 p. 727-736
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 菅 正巳
    1966 年 15 巻 7 号 p. 737-743
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 奈良 明雄
    1966 年 15 巻 7 号 p. 744-754
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 福田 穣
    1966 年 15 巻 7 号 p. 754-761
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 不活性ガス熱分解酸素直接定量法
    今枝 一男
    1966 年 15 巻 7 号 p. 762-774
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    物質中に化学結合している化合酸素を直接的に定量する意義については,すでに解説した.また物質中に化合している酸素の結合状態によって定量法が異なることは当然であり,放射化分析を除いた破壊分析法全般について著者の自己流の考えで酸素分析法を分類し定量の方法論を解説した.さらに金属の分野で行なわれている定量法を主眼として,有機酸素の定量を行なっている側から見た両分野の相違点などを比較解説した.したがって本稿では,有機化合物中の酸素の定量法について解説するが,表題として「不活性ガス熱分解酸素直接定量法」としたのは,近ごろ金属分野で活発に研究が進められてきた「不活性ガス溶融法」と歩調を合わせるためである.
  • 安藤 貞一
    1966 年 15 巻 7 号 p. 775-779
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 小田 仲彬
    1966 年 15 巻 7 号 p. 779-790
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 藤森 利美, 宮津 隆
    1966 年 15 巻 7 号 p. 791-796
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • イオン会合
    横井 政時
    1966 年 15 巻 7 号 p. 797-804
    発行日: 1966/07/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
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