分析化学
Print ISSN : 0525-1931
14 巻, 4 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
  • メルカプト化合物の分析化学的研究(第2報)
    村木 勇夫, 原 重雄, 林 康久
    1965 年 14 巻 4 号 p. 289-292
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    脂肪酸のメルカプト化合物は種々の金属と反応する.特にチオマリック酸はアルカリ性はもちろん中性または酸性でも可溶性錯塩を生成する特性がある.ビスマス,マンガン,鉛,タングステンなどはチオマリック酸と反応し紫外部に吸収を有する錯塩を生成することを認めたので,チオマリック酸によりビスマスを紫外吸光光度定量する際の基礎的条件を検討した.pH 6.5,測定波長315mμで0.5~70ppmのビスマスの範囲内でベールの法則が成立する.またビスマスとチオマリック酸との反応モル比は1:1であり,pH 6.5, 315mμにおける分子吸光係数は3,8×103であった.なお共存イオンの影響についてはヒ素(III),カドミウム(II),鉄(II, III),銅(II),ニッケル(II)などについて検討した.
  • 秋山 和一, 小林 幸雄
    1965 年 14 巻 4 号 p. 292-296
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    タングステンは原料その他よりタンタル中に混入することがある.著者らはタンタル中のタングステンの定量法を確立するため,種々検討を行ない本法を確立した.これを要約すると次のとおりである.
    試料をフッ化水素酸,硝酸で分解し,硫酸を加え白煙処理を行ない,析出したタンタルをピロ硫酸カリウムで融解する.これをシュウ酸アンモニウム溶液に溶解し,冷却後定容とする.一定量を分液ロトに分取し,フッ化水素カリウム溶液と塩化第一スズ塩酸溶液とを加え,タングステンを還元したのち,チオシアン酸ナトリウム溶液を加え,発色させる.イソプロピルエーテルで抽出分離し,その吸光度を測り,タングステン含有率を求める.本法の定量下限は約10ppmである.
  • 若松 茂雄
    1965 年 14 巻 4 号 p. 297-301
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    還元鉄粉,海綿鉄など,いわゆる原鉄中の金属鉄,酸化第一鉄および酸化第二鉄を定量する簡易,迅速な分析方法を確立した.
    試料を臭素-メタノール溶液で処理し,金属鉄のみを分解し,鉄酸化物を残分として残す.ロ過後,ロ液の一部をとり,過硫酸アンモニウムで鉄を酸化したのち,pH2.0においてサリチル酸を指示薬としてEDTA標準液で滴定し金属鉄を定量する.
    残分を炭酸ガス気流中で塩酸で分解し,pH2.0に調節したのち,サリチル酸を指示薬としてEDTA標準液で滴定し酸化第二鉄を定量する.この溶液に過硫酸アンモニウムを加え,未反応の鉄(II)を酸化し,ふたたびEDTA標準液で滴定し酸化第一鉄を定量する.
    この操作の所要時問は約30分で,従来の方法に比して劣らない結果が得られた.
  • 西田 宏
    1965 年 14 巻 4 号 p. 301-304
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    硫酸酸性において,ジフェニルカルバチドを過酸化水素で酸化すると,最初赤紫色となり黄色から無色となる.この際,バナジウムが存在すると反応は著しく速くなる.そこで,この反応を利用して微量のバナジウムの定量を試み好結果を得た.
    水酸化ナトリウムアルカリ姓の試料溶液0.20mZを比色管にとり水で2.5mlにうすめ,硫酸10mlを加え水冷し,3%過酸化水素水溶液0.50mlを加え室温まで水冷する.これにジフェニルカルバチド溶液(0.19/50ml硫酸)0.50mlを加え,沸騰水で加熱して退色するまでの時間を測定し,0.0011~5μgのバナジウムを定量した.硝酸イオン5μg,鉄イオン80μg以上は影響する.
  • 放射性試水中の核種分析への応用の検討
    石渡 名澄
    1965 年 14 巻 4 号 p. 305-309
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    クロム-51,マンガン-54,鉄-59,コバルト-60,亜鉛-65および銀-110mが共存する水相から,ジチゾン-クロロホルムによる亜鉛-65の抽出分離法を報告した.
    各核種が共存する硫酸酸性試料溶液に担体銀を加えて,ジチゾン-クロロホルム抽出を2回くり返すことにより,銀-110mを分離除去する.水相にクエン酸ナトリウムを加えて,水酸化ナトリウムによりpHを6~7に調節する.ふたたびジチゾン-クロロホルム抽出により亜鉛-65とコバルト-60を有機相に分離したのち,有機相を0.2N塩酸で洗浄することにより亜鉛-65を水相に逆抽出する.
    本法により,上記6核種が共存する水相から亜鉛-65のみが約100%の回収率で,かつ放射化学的に純粋に分離されることが確認された.
  • 三浦 利夫
    1965 年 14 巻 4 号 p. 310-315
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    原子吸光光度法によりダイカスト用を中心とした各種亜鉛合金中の0.001%以上のマグネシウム定量法を確立した.基礎条件の検討を行ない中空陰極ランプの最適電流値,空気およびアセチレンの最適ガス圧,酸および共存陽イオンの影響などを明らかにした.直接法では低濃度のマグネシウムの定量は困難であることがわかったので,分離法としてリン酸マグネシウムアンモニウムをストロンチウムのリン酸塩と共沈させる方法を開発した.ストロンチウム2mg以下ではマグネシウムの共沈率が低かったので,アルミニウムの妨害に対する抑制効果の点も考慮して40mgを添加することにし,95%以上の回収率を得た.沈殿を遠心分離したのち酸に溶解して噴霧・燃焼させ,吸光度を測定することにより,数個の試料を2時間以内に分析できた.
  • 均一溶液からの沈殿生成法(PFHS法)による共沈殿の研究(第2報)
    谷川 八千代, 和木 節子, 滝山 一善
    1965 年 14 巻 4 号 p. 315-319
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    硫酸バリウムを沈殿させる際,過マンガン酸イオンが共存すると,共沈殿して沈殿がかっ色を呈する.この現象を,沈殿に対する陰イオンの共沈殿現象の一例として研究した.
    ある濃度の硫酸および過マンガン酸カリウム混合溶液に種々の量の塩化バリウム溶液を加え,PFHS法におけるようにゆるやかに沈殿を生成させ,反応液中に残存する過マンガン酸イオンの量を比色法によって定量を行ない,硫酸バリウムに共沈殿した過マンガン酸イオンの量を求めた.
    過マンガン酸イオンは硫酸バリウムに対して,その沈殿の生成初期から共沈殿し,沈殿量がふえるにしたがって共沈殿量も増大する.この関係は比較的希薄な試薬から沈殿を生成した場合にはほぼ対数数分配の法則に従う.また,あらかじめ生成した沈殿に過マンガン酸カリウム溶液を加えると,沈殿粒子に吸着する過マンガン酸イオンの量は時間とともに増加する.なお,この吸着は沈殿をあらかじめ熟成すると阻害される.
  • 均一溶液からの沈殿生成法(PFHS法)による共沈殿の研究(第3報)
    谷川 八千代, 熊谷 祥子, 加藤 信子, 滝山 一善
    1965 年 14 巻 4 号 p. 320-323
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    水酸化アルミニウム沈殿に対する硫酸イオンの共沈殿現象を尿素の加水分解を用いる均一溶液からの沈殿生成法(PFHS法)により検討した.塩化アルミニウムおよび硫酸アンモニウム溶液に尿素を加えて90℃で反応させ,種々の時間経過後アルミニウム沈殿量および硫酸イオン共沈殿量を測定した.硫酸イオンは沈殿生成初期より共沈殿しており,水酸化アルミニウム沈殿の増加とともに共沈殿量は増加するが,しだいに増加量が減少し一定値に達する.生成する沈殿は反応初期においては球形の単粒子よりなっているが,しだいに凝集状態へと変化する.この際共存する硫酸イオンは沈殿の凝集剤としての作用をしており,微細な状態で生成する粒子に吸着して凝集させ,ロ過しやすい沈殿を生ずるものと考えられる.
  • ヘキソン分離-ニオブチオシアン酸錯塩-酢酸エチル抽出
    吉田 正雄, 北村 昇
    1965 年 14 巻 4 号 p. 323-330
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    金属タンタルおよび酸化タンタル中の微量ニオブ定量法として,チオシアン酸錯塩による吸光光度法を研究した.本実験の主要点は次のとおりである.
    (1)ニオブの発色および抽出条件について,次のような試薬添加量で最高の吸光度を示すことを確認した.塩酸(1+1)20ml,ホウ酸(5%)10ml,塩化第一スズ(20%)10ml,チオシアン酸アンモニウム(20%)20ml,抽出時の酸層70ml,酢酸エチル20ml,また,この抽出法によれば従来行なわれていたエチルエーテル抽出法の欠点である,水分による有機層の懸濁および呈色の不安定性などは解消できる.
    (2)微量ニオブから主成分のタンタルを分離するには,フッ化水素酸および硝酸濃度をそれぞれ0.5Nおよび1Nとし,ヘキソン(メチルイソブチルケトン)溶液で抽出する.この方法は従来使用されているイオン交換分離法に比較して迅速にタンタルを分離できる.
    (3)試料1gを採取した場合,本法の定量下限は約0.001%Nbと推定される.
  • 古谷 圭一, 小鹿原 猪一, 鎌田 仁
    1965 年 14 巻 4 号 p. 330-335
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    真空融解法におけるガス吸収の影響を補正する目的で,18Oでラベルした一酸化炭素を外部より導入し,同位体希釈法により金属中の酸素の定量を行なう装置を設計試作した.この装置を用いて外部より酸素を導入するPearceらの方法を検討し,この方法では原理的誤りが存在することがわかった.本装置を用いて,窒化鋼およびジルカロイ中の酸素を同位体希釈法と真空融解法により定量したところ,窒化鋼では金属浴を用いない場合,双法の間にはガス吸収に起因すると考えられる約15ppmの差が認められたが,スズ浴を用いた場合その値を改善することができた.ジルカロイに関しては白金浴を用いた場合,双法の値は一致し,ガス吸収による差は認められなかった.
  • 古谷 圭一, 鎌田 仁
    1965 年 14 巻 4 号 p. 336-338
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    15Nをラベルした窒素を外部より導入する同位体希釈法をN.B.S.鉄鋼標準試料1044,不しゅう鋼347中の窒素の定量に適用し,これと同一条件における真空融解法の結果と比較した.これより両法の間には差はなく,本実験条件において融解炉内における窒素のガス吸収による影響は無視することができた.また,分析終了後るつぼ中の試料から徐々に抽出される微量のガス中の窒素同位体濃度が天然のそれに近い点,N.B..S.鉄鋼標準試料1044の同位体希釈法による結果がケルダール値よりも低い点,試料のるつぼへの投入回数が増すにつれて低値が得られる点など,るつぼ中に残存する窒素に対して補正をなさず,本法によりガス吸収による効果のみを特性的に補正することが可能であることがわかった.
  • 大貫 佐一郎, 綿抜 邦彦, 吉野 諭吉
    1965 年 14 巻 4 号 p. 339-342
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    スズ-鉛合金(スズ基,鉛基,強鉛基ホワイトメタル,各種活字合金)中の銅を簡易迅速に吸光光度定量する方法を研究した.発色試薬としてはビスシクロヘキサノンオキザリルジヒドラゾンを用い,発色きせるpHで沈殿するスズなどは酒石酸の添加によってその妨害を防いだ.
    すなわち,試料を酸に溶解し,一定量分取したのち,酒石酸アンモニウムを加え,水酸化ナトリウムでpHを8.5~9.5にし,緩衝溶液およびビスシクロヘキサノンオキザリルジヒドラゾンを加え,100mlに希釈し,10分後に590mμで吸光度を測定する.
    (1)各種ホワイトメタル,活字合金中の銅は酸で分解後,酒石酸塩で他元素の加水分解を防ぎ,pH9でBCO試薬を発色剤として用いることにより,分離操作をすることなく直接に定量することができた.
    (2)マスキング剤としては,クエン酸塩に比べ酒石酸塩のほうが有効であった.
    (3)分析所要時間は約30分,迅速現場分析として十分に利用できると考える.
  • 金属キレートによるアニオンの溶媒抽出光度定量法(第9報)
    山本 勇麓, 岡本 信子, 峠 暎二
    1965 年 14 巻 4 号 p. 343-348
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    著者らは無色のアニオンを有色の金属キレートカチオンとともに有機溶媒に抽出し,有機層におけるキレートの吸収スペクトルを測定することによって,当該アニオンを比色定量する方法を系統的に研究しており,本報はその一部である.銅(I)の特異的比色試薬であるクプロインは通常,アミルアルコール溶液を用いて銅(I)を抽出比色する.この場合,クプロインのクロロホルム溶液を使用すると,銅(I)は特殊なアニオンが存在する場合にのみ抽出されることを見いだした.本報は微量のο-フタル酸が水溶液中に存在すると,クプロイン-クロロホルム溶液に銅(I)が抽出され,かつ有機層の紫色(吸収極大550mμ)の強度がο-フタル酸濃度に比例することがわかったので,この現象にもとつくο-フタル酸の吸光光度定壁法を検討したものである.5×10-4Mクプロイン-クロロホルム溶液でpH 4.1において抽出し,550mμの吸光度を試薬ブランクを対照として測定すれば,8×10-6~4×10-5Mで直線関係が得られ,精度よくο-フタル酸を定量できる.イソフタル酸わよびテレフタル酸は10倍モル以下の共存では妨害しない.
  • 川畑 正夫, 望月 平一, 梶山 緑郎, 市橋 浩司郎
    1965 年 14 巻 4 号 p. 348-351
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    4-(2-ピリジルアゾ)レゾルシン[PAR]によるバナジウムの吸光光度定量についての諸条件を検討した.バナジウム-PAR錯体は, pH 6.2~6.9において540mμに吸収の極大があり,バナジウム量0.1~1μg/mlの範囲でベールの法則に従う(60分以上放置後測定)・分子吸光係数は2.86×104であった.また本錯体の組成は,連続変化法で検討したところ,バナジウム:PAR=1:1であった.共存イオンについては,ビスマス,カドミウム,コバルト,銅,鉄(III),ニオブ,ニッケル,タンタル,トリウム,ウラン(VI),亜鉛,ジルコニウムなどが妨害する.
  • 木下 盛雄, 穂積 啓一郎
    1965 年 14 巻 4 号 p. 352-354
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 無機薄層クロマトグラフィーの研究(第4報)
    川鍋 康治, 滝谷 昭司, 宮崎 元一, 田村 善蔵
    1965 年 14 巻 4 号 p. 354-356
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 俊英, 小篠 善雄, 林 正子, 近藤 五郎
    1965 年 14 巻 4 号 p. 356-359
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 黒川 一夫
    1965 年 14 巻 4 号 p. 359-360
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 河合 聡
    1965 年 14 巻 4 号 p. 360-363
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 放射能標準の用い方
    村上 悠紀雄
    1965 年 14 巻 4 号 p. 364-374
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 鉄鋼
    二村 英治
    1965 年 14 巻 4 号 p. 375-381
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 栗原 翼
    1965 年 14 巻 4 号 p. 382-385
    発行日: 1965/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
feedback
Top