分析化学
Print ISSN : 0525-1931
29 巻, 10 号
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  • 亀谷 勝昭, 河上 一美
    1980 年 29 巻 10 号 p. 651-654
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    植物中のヨウ素定量法として,有機物の酸化分解をクロム酸-硫酸により,そして分解と同時にできるヨウ素酸の還元蒸留を亜リン酸を用いて検討した.ヨウ素酸をヨウ素として還元蒸留する際,溶液内に少量の硝酸ナトリウムを加えておけば,亜リン酸の還元作用で硝酸イオンが亜硝酸となり,この亜硝酸がヨウ素の蒸留を促進することが明らかとなった.125Iをトレーサーとして海草からの回収率を求めた結果,回収率は97%以上であることが明らかとなった.
  • 銅地金標準試料中のビスマスの微分パルスポーラログラフ法による定量
    伊藤 伸一, 松田 十四夫, 永井 外代士
    1980 年 29 巻 10 号 p. 655-659
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ビスマス(III)及び銅(II)の二酸化鉛水和物による共沈挙動を微分パルスポーラログラフ法を用いて検討した.共沈時のpH,振とう時間及び吸着量を検討した結果,酸性溶液中で二酸化鉛水和物がビスマスに対して優れた吸着力を有し,銅をほとんど共沈しないことが分かった.続いて,多量の銅(<30g)の共存するビスマス{(5~400)μg}溶液からビスマスを共沈捕集後,定量する検討を行った.共沈時のpHを1~2に調整し,1時間の振とうでビスマスはほぼ100%捕集された.捕集剤をシュウ酸ナトリウムを用いて溶かした後,pH5.0~5.5のEDTA+クエン酸ナトリウム+硝酸カリウムから成る支持電解質中で微分パルスポーラログラムを記録した.5μg/50ml以上のビスマスが直接,検量線から定量できた.本法を標準銅地金中のビスマスの定量に適用し,10-5%オーダーの微量ビスマスを定量できることが分かった.銅地金中の共存物は妨害とならなかった.
  • 桜 幸子, 一瀬 典夫, 桜井 信夫, 佐藤 弦
    1980 年 29 巻 10 号 p. 659-663
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    医化学分析における基礎的データを得ることを目的として,Orion製鉛イオン選択性電極94-82Aの応答性を10.0℃~50.0℃(±0.05℃)において,水-アルコール(メタノール,エタノール,1-プロパノール,エチレングリコール,グリセリン;0.1mol dm-3硝酸カリウム)で調べた{[Pb2+]-(10-7~約10-2)mol dm-3}.電極の電位応答を温度,溶媒が異なっても統一的に示すことができるような新しいプロットを用いた.いずれの場合でも,鉛イオン濃度がある下限より大きいときに電位は理想的応答を示した.下限濃度は系及び温度によって異なるが,多くの場合10-4mol dm-3ないし10-5mol dm-3程度であった.1-プロパノールは鉛の定量を妨害するような不純物を含む場合のあることが見いだされた.
  • 千葉 実, 安藤 勉
    1980 年 29 巻 10 号 p. 663-669
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ケイ素,炭化ケイ素,窒化ケイ素中の酸素を14MeV中性子放射化法で分析するときの問題点について検討した.
    ケイ素からは28Si(n,p)反応で多量の28Alを生成するので,分析の感度,精度向上の日的で試料を過剰にとる,14MeV中性子束密度を上げる,又は大型のヨウ化ナトリウム検出器を使用するなどのときは偶然計数によって16Nの測定を妨害するおそれがある.このため28Alの飽和壊変率を目安として試料採取量,14MeV中性子束密度を定め,特に著しく16Nの測定を妨害する三重偶然計数を生じないようにした.
    偶然計数で問題となるのは28Al-28Alで,その見掛けの半減期は69.3sで,この値をγ線の壊変曲線を解析する際の因子に追加して良好な結果を得た.
    分析には外部標準法を用い,1試料約4.5分間で分析できた.
  • I. 陽イオン交換クロマトグラフィー
    海野 益郎, 小宮 克夫, 渡辺 秀夫
    1980 年 29 巻 10 号 p. 670-674
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    水系のゲル濾過剤にイオン交換基を導入したイオン交換体は,たん白などを中心に幅広く使用されているが,一般に基材が膨潤性を持つものが多い.新しく開発された高速用水系ゲル濾過剤にイオン交換基を導入すれば,その担体の非吸着性と物理的安定性から,この分野の高速化に適していると思われる.このような観点から,高速用水系ゲル濾過剤(TSK-GEL G2000SW)に陽イオン交換基を導入し,カテコールアミン,トリプトファン代謝物,そしてアミノ酸など低分子化合物を中心に,その応用について基礎的検討を行い良好な結果を得た.
  • 広川 吉之助, 高田 九二雄
    1980 年 29 巻 10 号 p. 675-680
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    数十μgから数百μgの形状不定な1個の金属試料を直接黒鉛炉に入れて加熱,原子化し,鉄鋼,銅及び銅合金中の0.00003%から0.0064%の鉛を原子吸光分析法で定量した.吸光強度は原子吸光シグナルの面積値とした.分析試料の主成分の鉄や銅は加熱後も黒鉛炉内にかなり残留し,同一黒鉛炉に試料を順次投入して繰り返し測定する場合,その残留量がある量以上になると,後から投入した試料の吸光強度は低下した.しかし,1個の分析試料が数十μgから数百μgと極微小量であるため,残留量が吸光強度に影響を及ぼすまでに,鉄鋼の場合,同一黒鉛炉で70回から80回の繰り返し測定が可能であった.鉄鋼中の0.001%,銅中の0.0011%,洋白中の0.0029%の鉛のそれぞれ14回,7回,5回の繰り返し測定の変動係数はそれぞれ5.9%,6.3%,4.3%であった.試料を500μgとした場合の鉛の検出限界は0.034ppm(鉛の絶対量として0.017ng)であった.
  • 清水 得夫, 檜山 敏明, 四条 好雄, 酒井 馨
    1980 年 29 巻 10 号 p. 680-685
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    尿中のこん跡量の全クロムをL-アスコルビン酸によりクロム(III)に還元した後,水酸化鉄(III)共沈法により捕集し,含有する有機物を酸分解してグラファイト炉原子吸光法により定量した.
    尿中の塩化ナトリウムなどの水溶性無機塩の除去には,クロム(III)をpH10で水酸化鉄(III)と約30分間熟成して共沈捕集を行った.その際共沈したたん白質などの有機物の除去には,硝酸-過酸化水素により約1時間半分解した.共沈捕集時,同時沈殿した無機塩などによるバックグラウンドの補正には,クロム分析線が357.9nmと可視部にあることから,その付近でも十分輝度の高い熱陰極型重水素ランプを用いた.
    5ppb相当のクロムを含有する合成尿及び24時間尿を用いた場合の変動係数はそれぞれ0.97%及び3.30%であった.又,実際試料にも適用し,ほぼ満足できる結果を得た.
  • 清水 得夫, 四条 好雄, 酒井 馨
    1980 年 29 巻 10 号 p. 685-689
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    微量バナジウムを含む試料を湿式分解した後,4-(2-ピリジルアゾ)-レソルシノール(PAR)-クロロホルム抽出を行い,パイログラファイト被覆管を用いるグラファイト炉原子吸光法により定量した.PAR-クロロホルム抽出法の抽出率は10倍濃縮で95.6%であった.5価以外のバナジウムを含む場合は,希硫酸溶液中で過マンガン酸カリウムにより酸化する必要があった.共存イオンのの妨害は,シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)の添加で大部分がマスキングされるが,ナトリウム,マグネシウム,アルミニウム,鉄などは5000倍以上の共存で10%以上の誤差を与えた.パイログラファイト処理は,メタン(10~20)%を混合したアルゴン気流中で,グラファイト管を2200℃に(20~30)秒ずっ計(2~3)分間加熱して行った.この処理方法で平均(10~20)倍の感度増加が認められた.大気粉じん及び石油中のバナジウムを定量し満足できる結果を得た.
  • アンチモンの定量
    神原 富尚, 鈴木 諄亮, 吉岡 濶江, 渡辺 吉男
    1980 年 29 巻 10 号 p. 690-693
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    臭素酸カリウムによる塩酸溶液中でのアンチモン(III)の酸化反応にっいて,N-ベンゾイル-N-フェニルヒドロキシルアミン(BPHA)抽出法を用いる酸化還元放射滴定法(標準系列法を用いた)によって検討した.この滴定から,アンチモン量及び酸濃度と定量誤差との関係を明らかにした.アンチモン量と定量誤差とから直接放射滴定で求められるアンチモンの定量限界はほぼ3μgと推定されたが,これに標準添加法を導入すると直接法では定量できない1μg量の微量アンチモンの定量が可能となった.そこで,金属亜鉛(50mg)中のアンチモンの定量を試みたが,マトリックス元素を除去することなしに0.96μgのアンチモンを2.5%以下の精度で定量できた.
  • 金井 正博, 菊地 正, 古谷 圭一
    1980 年 29 巻 10 号 p. 694-698
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    市販の低分解能四重極型質量分析計(m/e=28においてmm=56)を用い,イオン源部になんらの改造も行わずイオン加速電圧を0ボルトにすることによって真空融解炉から抽出される窒素,一酸化炭素の同時測定による昇温ガス抽出曲線を求めた.
    この方法により,真空融解法における窒化物,酸化物と炭素との反応,並びに溶鉄との溶解反応を明らかにするために誘末試料(α-Si3N4,AlN,α-Al2O3,α-Fe2O3及びα-SiO2)を黒鉛カプセルに封入した場合とアルミキルド鋼カプセルに封入した場合の昇温ガス抽出曲線から,各々の窒化物,酸化物の分解抽出温度を求めた.
    その結果から真空融解法における分解抽出反応機構の考察を行ったところ,窒化物(α-Si3N4,AlN)の分解反応は,黒鉛カプセルを用いた場合には炭素による炭化反応が主反応であり,アルミキルド鋼カプセルに封入した場合には,窒化物を構成している金属が溶鉄中へ溶け込むことにより窒素を遊離する反応であること,又,酸化物(α-Al2O3,α-SiO2)の分解反応は黒鉛カプセルに封入した場合には,酸化物を構成している金属が炭素と炭化物を生成することによって一酸化炭素を生成する反応であること,更にα-Fe2O3は比較的分解抽出温度が低く,又分解のための条件が異なっても分解抽出温度の変化が認められず,炭素による還元あるいは炭化物生成反応が起こりやすいことが推定された.
  • コルンブ石の全分析
    長島 弘三, 田中 哲男
    1980 年 29 巻 10 号 p. 699-702
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析によるコルンブ石-タンタル石系列の鉱物の全分析法を開発した.試料は硫酸とフッ化水素酸の混酸で分解,白煙処理し,過酸化水素を含む硫酸溶液とした.硫酸の発光抑制効果は,分析試料と標準試料の硫酸濃度を等しくすることにより除いた.共存元素の干渉は,分析元素の分析波長における全発光強度から,その波長における干渉元素の発光強度の推定値を差し引くことにより補正した.数個のコルンブ石-タンタル石系鉱物の繰り返し分析を行い,Nb2O5,Ta2O5,FeO,MnOなどが主成分の場合には,変動係数1%強で定量できることが分かった.それらの試料について求めた計算密度は実測密度とよく一致し,分析値の信頼性の大きいことが分かった.
  • 内海 喩, 横田 純一郎, 磯崎 昭徳
    1980 年 29 巻 10 号 p. 703-707
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ハロゲン化物(塩化物,臭化物,ヨウ化物)イオンは固体ヨウ素酸銀との置換反応によりヨウ素酸イオンを遊離する.ヨウ素酸イオンの生成量に基づくI3-の紫外部における吸収を測定することによって,微量ハロゲン化物イオンを間接的に定量する方法を検討した.
    試料溶液に酢酸とエタノールを加え一定温度にしてから,固体ヨウ素酸銀を加える.よく振り混ぜてから遠心分離した後,上澄液を分取し酢酸とヨウ化カリウム溶液を加える.I3-の吸光度を波長350nmで測定することによって,(0.2~3.0)×10-4Mのハロゲン化物イオンを定量できる.普通の天然水中における塩化物イオンの定量に適用したところ,標準偏差パーセントは1.9%であった.塩化物イオンを中心に定量条件を詳細に検討した.
  • 加藤 明則, 遠藤 和豊, 佐野 博敏
    1980 年 29 巻 10 号 p. 708-713
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    各種無機酸及び有機酸溶液中で腐食させたスズ板及びブリキ板表面層の化学状態を内部転換散乱電子メスバウアー分光法(CEMS)により調べた.又,透過メスバウアースペクトル,X線回折も併せて測定し解析した.
    スズ板の腐食において,無機酸として硝酸水溶液で腐食した場合には,メタスズ酸(IV)が生成し,リン酸水溶液で腐食した場合には,ピロリン酸スズ(IV)が観測された.有機酸としてマレイン酸,マロン酸,ギ酸,シュウ酸を用いたが,CEMSより腐食生成物はスズ(IV)化合物であることが明らかにされた.
    ブリキ板の腐食においては,上記の有機酸を用いて行い,各種有機酸と腐食の状態との関係を調べた.又,各種有機酸水溶液中に溶出したスズと鉄の量を比色定量法により測定した.この結果,時間とともにスズの溶出量は増加してゆき,鉄の溶出量が増加しはじめるころからスズの溶出量の増加が鈍り,ギ酸の場合には75時間以降で一定値になった.
  • 赤塚 邦彦, 厚谷 郁夫
    1980 年 29 巻 10 号 p. 714-719
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    高周波プラズマトーチを光源とする発光分光分析法によりバナジウムを定量するときの最適条件を見いだし,鉄鋼試料,土じょう,大気粉じんなどの中のバナジウムの定量を行った.スペクトル線はV I 437.924nmが最適であった.共存金属イオンによる干渉はチタン,亜鉛,マンガンが大きかった.干渉抑制の方法として分光緩衝剤の添加を検討した結果,マグネシウムの添加は共存金属の干渉を抑制し,更に,バナジウムの検出下限を4倍向上させた.3mg/mlのマグネシウム共存下,検量線は(0.008~100)μg/mlまで直線であり,スペクトル線強度の変動係数は1μg/mlバナジウム濃度で1.6%であった.多量の鉄も分光緩衝剤として有効であり,マグネシウムを同時に添加すれば,鉄濃度が変化してもスペクトル線強度が一定となる鉄濃度範囲は(0.2~10)mg/mlのより広い範囲に改善できた.実際試料の分析に本法を応用し満足すべき結果が得られた.
  • 能率の良いピペッター類の試作
    奈良 修
    1980 年 29 巻 10 号 p. 720-723
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    The simple pipet filling devices, with which (1100) ml pipets can be handled safely, accurately, cleanly, and more quickly, were devised. “Push button pinch clamp type” (Fig. 1): The device is held in the usual way, sealing the top hole, A, with the right index finger. The liquid is automatically sucked up by lightly pushing the button, F, with the thumb to open the pinch clamp, C. Adjusting to the mark and free drainage are performed rapidly by opening the hole, A, in the usual way. “Nozzle valve type” (Fig. 2): The rubber body, D, is pressed lightly to open the nozzle valve, C and the rubber bulb, E, is kept compressed. The device is held in the usual way, sealing the top hole, A. The liquid is automatically sucked up by pressing the body, D. Adjusting to the mark and free drainage are performed in the usual way. “Finger stall type” (Fig. 3): It is quite useful particularly for bacteriological or clinical purposes where each sample should be handled by a different pipet. The device is put on the index finger. The finger is brought down on to the top of the pipet so that the holes in the pad and the pipet coincide. As the pad is pressed down lightly, the nozzle valve, C, is opened and the liquid is automatically sucked up. When the liquid has been sucked up, the finger is moved so that the top of the pipet is sealed with the finger tip. Adjusting to the mark and free drainage are performed in the usual way. Pipetting work by using these devices was performed apparently more effectively than that by sucking by the mouth and they may be recommended for chemists, who daily use pipets, in order to make their experiments more comfortable.
  • キサンテン系誘導体の分析化学への利用(第15報)
    森 逸男, 藤田 芳一, 坂口 紀美子, 辻 弘子, 榎 健寿
    1980 年 29 巻 10 号 p. 723-726
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    Zinc(II) or cadmium(II) rapidly forms a mixed complex with methylthymol blue(MTB), cetylpyridinium chloride(CPC) and 5-nitroso-8-quinolinol (NO-oxine) {for zinc(II)} or 2-methyl-8-oxine (CH3-oxine) {for cadmium(II)} in a weak basic medium. The absorbance of the cadmium(II) complex at 630 nm (λmax) and that of the zinc(II) complex at 620 nm (λmax) were constant over the pH range from 7.6 to 9.0 for 3 h. The molar ratio of metal, MTB, oxine derivative and CPC in the mixed complex was a 1:1:1:2 by Job's method and the molar ratio method. The calibration curves were linear up to 4.0 μg/ml of cadmium(II) and 3.0 μg /ml of zinc (II). Sandell's sensitivity was 0.005 μg/cm2 for cadmium(II) and 0.003 p.g/cm2 for zinc(II). The recommended procedure is as follows: To a sample solution containing≤40 μg of cadmium(II) {or <30 μg of zinc(II)}, 0.5 ml of 1.0 × 10-2 M CPC, 0.25 ml of 1.0 × 10-2 M NO-oxine (or CH3-oxine solution), 2.0 ml of a borate buffer (pH 8.2) and 1.0 ml of 1.0 × 10-3 M MTB were added. The mixture was diluted to 10.0 ml with water. After the solution was kept at (2025)°C for 5 min, the absorbance was measured at 630 nm {for cadmium(II)} or at 620 nm {for zinc(II)} against a reagent blank. Nickel(II), cyanide, sulfide and thiocyanate interfered. Aluminum (III) and thorium (IV) could be masked with sodium fluoride, and mercury(II) with 1-ascorbic acid.
  • 赤田 良信, 河野 貞子, 棚瀬 弥一郎
    1980 年 29 巻 10 号 p. 727-729
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    A rapid and sensitive method using high-performance liquid chromatography was devised for the determination of paeoniflorin and benzoic acid in rat plasma and bovine serum (reference control serum). Separation was achieved within 12 min on a Zorbax CN column, using 0.1 M HClO4(pH 3.5)-CH3CN(9:1, v/v) as an eluant with a Shimadzu LC-2 liquid chromatograph. Recovery in this method was about 100 %. Paeoniflorin and benzoic acid in plasma and serum were extracted with methanol and the extract was applied to the Zorbax CN column. The limit of detection of paeoniflorin and benzoic acid was about 3 μg and 0.6 μg in 1 ml plasma and serum, respectively (S/N ratio, about 3).
  • 佐藤 成哉, 内川 澄雄
    1980 年 29 巻 10 号 p. 729-731
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    A highly sensitive and selective method for the spectrophotometric determination of boron was developed. Boron reacted with 2, 3-naphthalenediol to form a complex anion extractable into chlorobenzene in the presence of Crystal Violet. Boron can therefore be indirectly determined by measuring the absorbance of the Crystal Violet in the extract at 595 nm. The calibration curve was linear in the range of (1.6 × 10-68 × 10-6) M boron and the apparent molar absorptivity was 1 × 105 l mol-1 cm-1 at 595 nm. The following ions did not interfere even at 400-fold molar ratio to boron; Mg(II), Ca(II), Co(II), Cd(II), Zn(II), Cl-, Br-, I-, NO3- and SO42-. But 400-fold amounts of perchlorate or thiocyanate gave a slightly negative error. Metal ions such as Al(III) and Fe(III) interfered when present in amounts 50-fold that of boron. However, these ions could be tolerated up to about 400-fold molar amounts by adding EDTA to the sample solution at a concentration of 2.0 × 10-2 M.
  • 黒田 六郎, 望月 正, 小熊 幸一
    1980 年 29 巻 10 号 p. T73-T78
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    フローインジェクションシステムによる各種銅合金中の銅の連続定量法(分光光度法)を確立した.検出は,アクア銅(II)イオンの805nmにおける光吸収,又は銅(II)-EDTA錯体の730nmにおける光吸収を利用した.試料溶液は酒石酸を含む硝酸に合金を溶解して調製し,それに続くいかなる化学的処理をも必要としない.
    黄銅1種,黄銅3種,ネーバル黄銅,鉛入黄銅,ベリリウム銅,脱酸銅,洋白,アルミニウム青銅などの銅合金標準試料に本法を適用したところ,得られた結果は各銅合金の標準値とよい一致を示した.アクア銅イオン法,銅-EDTA錯体法における精度は,それぞれ0.5%,1.2%以下と非常に良好であり,分析速度は1時間当たり17サンプルである.
  • 斉加 実彦, 永井 巌, 中村 靖, 清水 博司, 外岡 和夫, 河野 健一, 渡辺 隆夫, 家村 一行, 新井 紀弘
    1980 年 29 巻 10 号 p. T78-T82
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    硫化銅,硫化亜鉛,硫化鉛の浮選輸入精鉱など,取引分析用の調製試料の保管方法と品位低下との関係について,約30種の精鉱を実験試料として,6か月にわたり14実験所で実験した.保管方法は,アルミニウムホイル製袋,ポリ塩化ビニール製袋,ポリエチレン製袋に試料を入れ,その保持性を比較検討した結果,いずれの袋によっても期間中の品位低下は避けられないが,アルミニウムホイル製袋は最も保管上の性能がよく,1か月以内であれば保管精鉱品位の低下を0.1%以内にとどめた.なお,銅精鉱についてはその後の品位低下も小さかった.ポリ塩化ビニール製袋やポリエチレン製袋では保管期間が長くなるに従い晶位が低下し,品位低下の程度は鉱種によって大きく相違した.
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