Al合金試料をNaOHおよびKCNで分解すると,Al,Si,Cu,Ni,Fe,Znの大部分が溶解し分離される残分中には上記の試薬によって溶解されないMn,Cr,Ti,Ca,Mgなどと,少量のA1,Si,Cu,Ni,Feがある.この残分をHClで分解しHNO
3で酸化したあとNH
4ClおよびNH
4OHで中和し適当にpHを調節すると,Al,Fe,Cr,Tiなどが沈デンし分離される.溶液中にはなおEDTA滴定法で妨害になる成分としてCu,Ni,Mn,Caなどがあるが,このうちCaはC
2O
42-によって沈デンさせ,Ni,Cu,Mn,はKCNによってマスクし,EDTA標準液でEBTを指示薬としてMgを滴定する.本法はAl,Feなどの水酸化物およびCaC
2O
4の沈デン共存のもとに滴定操作を行うのが特長で,分析所要時間は約30minである.
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