分析化学
Print ISSN : 0525-1931
6 巻, 5 号
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  • 若松 茂雄
    1957 年 6 巻 5 号 p. 273-277
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    バナジウム(V)は濃硫酸溶液において強い黄色を呈する.本法はこの現象を鉄鋼中のバナジウムの吸光光度定量に応用したものである.すなわち試料を過塩素酸で分解したあと濃硫酸を加えてバナジウムを呈色させ,別に純鉄を試料と同様に処理したものを基準液として,390mμにおける吸光度を測定しバナジウム量を求める.または試料を過塩素酸で分解したあと磁気水銀陰極電解法で鉄その他を分離し上記と同様に濃硫酸でバナジウムを呈色させ水を基準として吸光度を測定する.
  • 蒸溜法による核分裂生成物の分離に関する研究(第2報)
    神原 富尚
    1957 年 6 巻 5 号 p. 278-280
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    核分裂生成物から無組体放射性ルテニウムを蒸溜により分離する方法として,硫酸第二セリウムを酸化剤として用い,硫酸々性溶液から蒸溜分離する方法を検討した.蒸溜はスリ合せ連結による硬質ガラス製の装置により行い,種々試薬の濃度を変えて比較的良好な収率をあたえる条件を検討した後,核分裂生成物近似組成の試料について本法を試みた.その結果,総容積50ml,硫酸の濃度40%,添加第二セリウム塩の量1.5gという試薬濃度で蒸溜分離し,平均収率71%,Decontamination factor 1 ×104(max)であった.その他蒸溜終止点も明瞭であった.他の酸化剤による蒸溜法として過マンガン酸カリウム法および重クロム酸カリウム法をそれぞれ試み,比較検討した結果,本法は重クロム酸カリウム法と比べてやや劣るが比較的すぐれた方法であると認められた.
    無担体放射性ルテニウムを核分裂生成物から酸化蒸溜して分離する方法について検討した結果次のごとき結論を得た.
    (1)硫酸々性溶液から硫酸第二セリウムを酸化剤として用いて蒸溜分離する方法については蒸溜牧率は低いが,飛沫による汚染は比較的僅少である特徴を有することを認めた.
    (2)硫酸第二セリウム法,重クロム酸カリウム法,過マンガン酸カリウム法の3者を比較してみると総合として重クロム酸カリウム法が量もすぐれていることを認めた.
  • 赤外線吸牧スペクトルによる分溜キシリジン中の3級アミンの分析(第3報)
    田中 誠之, 荒川 久一
    1957 年 6 巻 5 号 p. 281-285
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    前報に引きつづき,分溜キシリジン中の3級アミンを,赤外線吸収スペクトル法および液々抽出法の併用により検索した結果,2,3,4,6-テトラメチルピリジンおよび2,3-シクロペンテノピリジンの中間のフラクシションより,未知の3級アミンを単離し得た.この新成分の構造決定を,元素分析結果,沸点および分離操作よりの検討,単離試料の赤外線吸収スペクトルよりの知見,単離試料酸化成績体の検討などの資料に基き,行った結果,2,3-シクロペンテノ6-メチルピリジンと決定された.更に,赤外線吸収スペクトルにより,この含量を分析した処,2,3-シクロペンテノ6-メチルピリジンは,分溜キシリジンより分離した3級アミンの16%すなわち分溜キシリジンの約5%を占めていることが判明した.またその際,同時に単離した2,3,4-コリジンについても,その含有量を求めた.
  • 赤外線吸収スペクトルによる定量分析(第7報)
    田中 誠之, 小川 雅之
    1957 年 6 巻 5 号 p. 285-290
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    KBr錠剤成型器を試作して,これによりKBr錠剤を調製し,溶液法で定量不能のJ酸およびγ酸混合物ならびにアミノJ酸およびアミノG酸混合物を定量した.KBrは熔融KBr片を250メッシュに粉粋し,150℃,48時間乾燥を行って使用した.試料の粒度は,250メッシュ~325メッシュ程度とし,試料とKBrの混合法は乳鉢乾式法で,20分間攪拌混合した.錠剤成型には3mmHgで12t,10分間加圧で行った.得られた錠剤の厚みは0.85mmで,ばらつきは1%以下であった.J酸およびγ酸は,12.14μおよび12.36μ,アミノJ酸およびアミノG酸は12.24μおよび12.50μをそれぞれkey bandとし定量を行った.その標準偏差はそれぞれ1.7%および1.4%であった.
  • 万能発光装置による分光分析法(第4報)
    安田 和夫, 天野 喜一郎
    1957 年 6 巻 5 号 p. 290-295
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    第3報に引きつづき,鋳研式万能発光装置を使用する銅合金の分光分析法について研究した.
    今回はアルミニウム青銅中のアルミニウム,鉄,ニッケルおよびマンガンの定量法を決定するとともに,試料の組織が分光分析に与える影響についても検討した.このため,試料としては砂型による徐冷鋳物,金型による急冷鋳物およびこれを焼鈍せるものの3種類を用意した.
    実験の結果,適当な発光条件を選定することにより,急冷鋳造またはこれを焼鈍せる試料に対して,標準偏差率3%の精度で定量することができた.
    試料の冶金学的履歴は再現性および検量線に影響を与えるが,前者は粗大な規模の局部偏析によるものであり,後者は試料のいわゆるマトリックスの金相学的組織(相の種類など)により検量線偏移を生ずるものであることも判明した.
  • EDTA法の応用
    若松 茂雄
    1957 年 6 巻 5 号 p. 295-299
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    Al合金試料をNaOHおよびKCNで分解すると,Al,Si,Cu,Ni,Fe,Znの大部分が溶解し分離される残分中には上記の試薬によって溶解されないMn,Cr,Ti,Ca,Mgなどと,少量のA1,Si,Cu,Ni,Feがある.この残分をHClで分解しHNO3で酸化したあとNH4ClおよびNH4OHで中和し適当にpHを調節すると,Al,Fe,Cr,Tiなどが沈デンし分離される.溶液中にはなおEDTA滴定法で妨害になる成分としてCu,Ni,Mn,Caなどがあるが,このうちCaはC2O42-によって沈デンさせ,Ni,Cu,Mn,はKCNによってマスクし,EDTA標準液でEBTを指示薬としてMgを滴定する.本法はAl,Feなどの水酸化物およびCaC2O4の沈デン共存のもとに滴定操作を行うのが特長で,分析所要時間は約30minである.
  • 西田 宏
    1957 年 6 巻 5 号 p. 299-302
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    タングステン酸を含む溶液に硫酸,リン酸を加え白煙まで熱して完全にとかし水を加えて一定量にうすめ,これよリタングステン2mg以下になるように試料をわけとり,硫酸,塩酸,塩化第一スズ,チオシアンカリを加え還元発色せしめると低い値を得たので,これを一度カ性ソーダ弱アルカリ性にしたのち還元発色せしむる方法,および硫酸,リン酸を加え白煙まで蒸発したのち還元発色する方法とを実験してみると,後者がよくベールの法則にしたがい精度がよかった.そこでこれらの結果を応用して鉱石中のタングステンを塩酸硝酸硫酸リン酸を加え白煙まで熱して完全に溶解し,水でうすめたのち珪酸などをこしわけ一定量に水でうすめ,これより試料をわけとり前記のように硫酸,リン酸を加え白煙まで蒸発したのち還元発色させて迅速に定量を行うことができた.
  • 弗化チタン水素酸過酸化水素試薬を用いる分析(第2報)
    深間内 久雄, 関口 美恵子, 飯吉 和子
    1957 年 6 巻 5 号 p. 303-305
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    珪酸溶液が,1規定以上の硫酸酸性において,弗化チタンソーダ,弗化ソーダおよび過酸化水素の混液なる弗化チタン水素酸-過酸化水素試薬と反応するときは,珪弗化水素酸錯イオンの安定度が弗化チタン水素酸錯イオンよりも大なるため,珪酸に対応する量の過チタン酸の黄色を生ずる.この呈色反応を用いる珪酸の定量が可能であると考えられる.チタンについて0.05M濃度の試薬4ccを加えたSiO22mg/20ccから14mg/20ccまでの濃度の溶液を,波長420mμを用いて比色し,再現性のある検量線が得られた.試薬と反応液を扱う器具および光電計用セルはすべて合成樹脂製を用いた.
  • 高山 雄二
    1957 年 6 巻 5 号 p. 306-308
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    水溶液中の微量アミンの定量法としては,それが芳香族の場合はジアゾカップリングが利用できるので容易であるが,脂肪族の場合には微量の場合はそのまま酸アルカリ滴定することは終点が明確でなく困難である.二硫化炭素を用いてジチオカルバミン酸にしてから中和滴定する方法,サリチルアルデヒドを用いる方法も水溶液中に硫酸が共存する場合は特にむずかしい.アミン類がピクリン酸と容易にアミノピクラートを作ることは悉知の事柄でありこれを分析に用いた例もあるが,その方法は硫酸が共存すると不可能である,筆者は水溶液中のアミンを硫酸の共存下においても前処理によりピクラートを作り発色させアミンを比色定量することができた.実験は主としてジ-n-ブチルアミン([CH3(CH2)3]2NH)につき行ったので,それを例にとってのべる.またこの方法は1,2,3級アミンに共通に使用できるものである.
  • 大久保 斤二
    1957 年 6 巻 5 号 p. 308-309
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 小島 益生
    1957 年 6 巻 5 号 p. 309-311
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    硫酸亜鉛電解液中に含まれる塩素イオンは主として.鉱石からのものであるが,塩素イオンの量が多くなってくると,陽極として用いられる鉛を腐蝕し,その結果として電析亜鉛の品位の低下をまねくことになる.筆者は硫酸銀により塩素イオンを塩化銀として共沈させ,アンモニア水に溶解後,陽イオン交換樹脂を用い,滴定に妨害となる陽イオン[Ag(NH3)2+およびZn(NH3)42+]を除去し,塩素をMohr滴定法で定量した。
  • 浅野 千秋
    1957 年 6 巻 5 号 p. 312-318
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
  • 村木 勇夫, 日色 和夫
    1957 年 6 巻 5 号 p. 319-327
    発行日: 1957/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
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