分析化学
Print ISSN : 0525-1931
12 巻, 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 微量ホウ素の吸光定量法の研究(第4報)
    宮本 正俊
    1963 年 12 巻 3 号 p. 233-238
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    半導体用高純度金属ケイ素の製造原料である四塩化ケイ素中の10-7%程度のホウ素を定量する方法を検討した.試料にN,N-ジメチルアニリンを捕集剤として加え,蒸留して四塩化ケイ素を追出し,三塩化ホウ素として含まれるホウ素をジメチルアニリンとの配位化合物にして残留させた.ジメチルアニリンに捕集されたホウ素は,ホウ酸メチルエステルとして蒸留分離し,シュウ酸-クルクミン法で吸光定量した.空試験値が高かったため,10-8%のホウ素は定量できなかった.なお,ジオキサンは捕集剤として適当でないが,トリ-n-ブチルアミンは用いうる可能性がある.
  • 赤外吸収スペクトルによる農薬の分析(第1報)
    後藤 真康, 佐藤 六郎
    1963 年 12 巻 3 号 p. 238-241
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    aldrin, Tedion, heptachlor, Dibrom, DEPの原体の赤外分光分析による定量を行なった.
    これらはいずれも,二硫化炭素,ジメチルホルムアミド,クロロホルム+二硫化炭素などにとかし,適当なkey bandの吸収率を測定することによって,予備的操作を加えることなしに簡易定量を行なうことができた.得られた結果を他の化学的定量法による分析値と比較した.
    上記の農薬はいずれも,他に適当な化学定量法がないか,あるいは既存の定量法によれば分析に長時間を要するものであるが,赤外分析によればきわめて短時間に分析を行なうことができ,aldrin, heptachlor, DEPについては,他の化学分析法よりも正確度がすぐれていた.
  • 天然水中のヒ素の分離定量
    中谷 省三
    1963 年 12 巻 3 号 p. 241-247
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    天然水などに含まれる比較的微量ヒ素の分離法としてヒ素-チオナリド錯塩の有機溶媒抽出を試みた.その結果,銅,水銀,アンチモン,ビスマスなどは0.5N以下の希鉱酸酸性でよく錯塩を生成するのに比し,ヒ素は4N硫酸の高酸性度で0.2Mヨウ化カリウムで還元しておくとチオナリドと定量的に錯塩を生じ,通常の有機溶媒に定量的に抽出されることがわかった.
    有機溶媒に抽出したヒ素は次亜臭素酸ナトリウムで容易に酸化されて水相に逆抽出でき,そのままヘテロポリ青法で定量できる.この方法でケイ酸,リン酸からヒ素を分離することができた.通常の塩類は妨害とならず,また,銀,水銀,アンチモン,ビスマス,マンガン,鉄,アルミニウム,亜鉛などのmg量も妨害しない。銅,鉛などヨウ化物沈殿をつくる金属のmg量は操作を妨害するが,エーテルであらかじめ抽出除去することによって除くことができる.グットツァイト法よりバラツキが少なく,また,温泉などのヒ素(V)とヒ素(III)を別々に分離定量できる.
  • 石炭酸化生成物のガスクロマトグラフィー
    舟阪 渡, 小島 次雄, 木本 実美
    1963 年 12 巻 3 号 p. 247-252
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    種々の固定相液体を用いて芳香族カルボン酸メチルエステルの分離を検討した結果,シリコーングリースをシラナイズしたセライト545に1.5%含浸させた充てん剤を用い,比較的低温で分離を行なえばもっともよい結果が得られることを見いだした.この方法を応用して石炭の酸化生成物中に存在する酸のうち,トリメシン酸以下の沸点を有する成分を明らかにし,もっとも利用価値の高いベンゼンジカルボン酸の3異性体の分離定量を行なった.
  • 太秦 康光, 林 謙次郎, 伊藤 三郎
    1963 年 12 巻 3 号 p. 252-256
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    微量のジルコニウムを比色定量する際には共存する諸イオンが強い影響を与えるので,これらの諸イオンからジルコニウムを分離することが望ましい.この目的のために2種類の溶媒抽出法を併用する方法を研究した.
    6N塩酸溶液から多量の鉄,クロム,モリブデン,スズを酢酸エチルで抽出除去し,さらに0.5M-TTA-キシレン溶液により多量のアルミニウム,バナジウムからジルコニウムを抽出分離することができる.なおこの際,チタン(IV)はジルコニウムと類似の行動を取るが過酸化水素の添加により分離することができる.フッ素イオンの共存はジルコニウムの抽出率を著しく減少させるが,アルミニウムの添加により,その影響を除きえた.その際の塩酸最適濃度も調べた.TTA溶液相からの逆抽出液をそのまま比色定量に供しうる逆抽出法も考案した.本法に従い,種々のイオンの共存下で微量のジルコニウムの分離を試み満足すべき結果が得られた.
  • 伊藤 三郎, 林 謙次郎, 太秦 康光
    1963 年 12 巻 3 号 p. 257-261
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    メチルイソブチルケトンでテルルを抽出する際,その抽出率はテルルの量の減少とともに増大し,微量のテルルは4.5N塩酸溶液から定量的に抽出される(Table I, Fig. 1).一方,この条件でアルミニウム,ビスマス,コバルト,銅,クロムおよびニッケルは抽出されない.セレンの抽出率は4.5Nで15%,6Nで33%である(Table II).前述の諸イオンからテルルの分離係数を求めた(Table III).
    アルミニウム,ビスマス,コバルト,銅,クロムおよびニッケルからのテルルの分離には6N塩酸溶液から,セレンについては4.5N塩酸溶液から抽出を行なった.テルルを抽出した有機相は同じ濃度の塩酸10mlで3~5回洗浄した.
    本法により微量のテルルを多量の上記イオンから定量的に分離できた.
  • 石森 富太郎, 中村 永子, 小船 敏子
    1963 年 12 巻 3 号 p. 261-266
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    ニッケルをコバルトおよび鉄から分離精製するひとつの方法を研究した.リン酸トリブチル-塩酸系あるいはアルキルアミン-塩酸系溶媒抽出におけるこれらの元素の行動はすでにしらべられている.この結果を基礎としてカウンターカレント抽出法を用いて分離した.このとき有機相を固定相として6段あるいは8段設定する.移動相の水相は多段こう配濃度法を適用して塩酸濃度を漸次変化させて16ないし20段流す.その結果,ニッケルは最初のフラクションに濃縮され,コバルト,鉄の順に得られる.鉄を逆抽出する場合には希硝酸を用いることもある.分離例としては,ニッケル:コバルトが100:1,塩化ニッケルについて飽和溶液から出発して,コバルトの除染係数2×103が得られている.出発物質の水溶液がニッケルやコバルトで飽和しているときは,コバルトの量が多くなってくると,ニッケルとコバルトの分離ができなくなってくる.したがって,この方法はニッケルからコバルト,鉄の不純物を除いて精製するのにきわめて有効な手段であると考えられる.
  • 重松 恒信, 上杉 勝弥, 田伏 正之
    1963 年 12 巻 3 号 p. 267-270
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ポンタクロム・アズール・ブルーBを試薬として用いる新しいスカンジウムの吸光光度定量法について検討した.スカンジウムはpH6~7で試薬と反応して,青~青緑色の,[ScR2]なる組成の錯塩を生成する.この吸収極大波長610mμの吸収を利用してスカンジウムを定量する.スカンジウム0.03~1ppmの範囲でベールの法則が成立し,分子吸光係数は31,500で感度の高い定量法ということができる.
    希土類元素も本試薬と反応し類似の吸収スペクトルを示すが,610mμでの吸光度は大きくない.多量の希土類元素のほか,イットリウム,ビスマス,鉄,銅,アルミニウム,タングステン,チタン,クロム,ベリリウムなどがスカンジウムの定量を妨害する.
  • 富岡 秀夫
    1963 年 12 巻 3 号 p. 271-279
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンとバナジウム(V)の錯体を硫酸溶液から抽出する微量バナジウムの比色定量法を検討した.この錯体を塩酸溶液から抽出している報告があるが,著者の試験では硫酸溶液から抽出するほうが安定性がよい.抽出剤としてn-ブタノール,イソアミルアルコール,クロロホルム,酢酸アミル,酢酸ブチル,ベンゼン,n-ヘキサノール,トルエン,メチルイソブチルケトン,四塩化炭素などをテストした結果,感度は塩酸溶液からの抽出よりやや劣るが,クロロホルムでの抽出が呈色の安定性,抽出操作およびその性質から一番よいことがわかった.クロロホルムだけでなく,クロロホルムとエタノールの混合液(8:2)を抽出剤に使うとかなり感度が上げられる.感度はSandellの表示法によると0.013μg/cm2である.鉄,チタン,モリブデン,タングステンは定量を妨害するが,抽出前にリン酸を加えれば,石油製品やある種の鋼の分析には支障なく使えることがわかった.
    操作は次のとおりである.
    5~150μgのバナジウムを含む試料溶液に約1.5Nとなるよう硫酸を加え,また,リン酸2~5mlを加えて水で50mlとする.これに混合溶媒での0.2%N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミン溶液10mlを正確に加えて2分間激しくふりまぜる.抽出層を吸収セルに移し440mμで吸光度を測定する.
  • 大倉 与三郎
    1963 年 12 巻 3 号 p. 279-283
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    硝酸酸性溶液中でチオシアン酸第二鉄を発色させ,これを酢酸エチルで抽出してから,酢酸エチル相中の鉄およびチオシアン酸の両成分を定量し,同相中での両成分の見かけのモル比を求め,これより種種の方法で両成分の真のモル比を求めた.また,抽出前後における水溶液および酢酸エチル両相のpHも測定した.その結果,この錯体は抽出後も水溶液中におけると同様,Fe(SCN)n (nは3およびその前後の整数)という組成をなし,また,必ずしも中性であるとはかぎらないことがわかった.
  • 塩原 ヤイ
    1963 年 12 巻 3 号 p. 283-287
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    合金のエレクトログラムを顕色後,分光光電光度計にかけ,合金成分を事実上非破壊的に,かつ迅速に定量することが目的である.
    方法は支持電解質溶液を含むロ紙上に鉄合金およびマンガン合金のエレクトログラムをつくったのち特定成分を発色させ,特定波長における吸光度をロ紙を対照として測定し,合金成分を光度定量する.この場合,均一なエレクトログラムをつくることと,安定な呈色条件を見いだすことがもっとも重要な因子である.このため,支持電解質溶液および電解時間,発色試薬などの検討を行ない,最適条件を探した.
    一般に純金属をもちいて,一定条件下でエレクトログラムを顕色し,特定波長の吸光度を測定すれば,溶出量と吸光度の間には直線性がみられる.鉄合金中の鉄定量には,ゼラチンを含む1M硝酸ナトリウム,マンガン合金中のマンガンの定量には1M炭酸ナトリウムを支持電解質溶液とし,東洋ロ紙No.50を用い,圧力0.34kg/cm2をかけ,電流10mAで鉄合金30秒,マンガン合金60秒間電解したのち,それぞれ黄血塩,ベンジジンによって発色させて吸光度を測定すれば,きわめて迅速(約15分)にそれぞれの合金の主成分である鉄,マンガンをかなりの精度(標準偏差Fe3.3%,Mn1.8%)で定量することができる.
  • 古矢 元佑, 田尻 和稔
    1963 年 12 巻 3 号 p. 288-293
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    硝酸トリウムを用い,EDTA間接滴定法によりリンを迅速に定量する方法について研究した.すなわち試料を硝塩混酸に溶解し,その溶液(0.1~0.3N)にチオ尿素を加えて銅をいんぺいし,酢酸アンモニウムでpHを2.5~3.0にして硝酸トリウム溶液を加え,30~50℃に約5分間保持してリン酸塩の沈殿を生成させ,乾燥ロ紙でロ過し,ロ液の一部を分取して,過剰のトリウムイオンを,キシレノールオレンジを指示薬としてEDTA溶液で滴定し,リンを定量した.そのときの生成条件,滴定条件,共存元素の影響などの検討,合成試料の分析結果,JIS法による結果との比較などから,本方法はリン銅地金(P>9.5%),リン銅ロウ(P4~7%)中のリンの迅速定量方法として満足できることを認めた.本方法の分析誤差はリン1~22mgで2~1%,分析所要時間は約25分であった.
  • 有機化合物中のリンの簡易迅速微量定量
    奈良 明雄, 漆畑 喜子, 大江 直子
    1963 年 12 巻 3 号 p. 294-296
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • ステンレス鋼,耐熱合金の化学分析法の研究(第1報)
    川畑 正夫, 望月 平一, 梶山 緑郎, 石井 雅夫
    1963 年 12 巻 3 号 p. 296-298
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 湯浅 輝, 高内 啓一
    1963 年 12 巻 3 号 p. 298-300
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 波多野 博行
    1963 年 12 巻 3 号 p. 301-312
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 槇田 勉
    1963 年 12 巻 3 号 p. 313-325
    発行日: 1963/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
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