分析化学
Print ISSN : 0525-1931
19 巻, 5 号
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  • 江村 悟
    1970 年19 巻5 号 p. 637-642
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    アルセナゾIIIによりTBPを含む有機溶液中のウランを吸光光度法で直接に定量するため,30%TBP/希釈剤-ブチルセロソルブ-水系で均一相を形成し,この系でウラン(VI)-アルセナゾIII錯体を保持させた.
    TBP/イソドデカン-ブチルセロソルブ-水系でウラン(VI)-アルセナゾIII錯体の吸収極大は653nmであった.また,硝酸濃度およそ0.16Mで吸光度は一定値を示した.
    ベールの法則はウラン(VI)5.6ppmまでの範囲で成立し,653nmにおける見かけのモル吸光係数は3.58×104であった.
    この系においてウラニルイオンはアルセナゾIIIと1:1の錯体のみの形成がみられた.
    そのほか,成分の相互溶解度とウランの定量可能範囲,希釈剤ならびに妨害イオンの影響について検討した.
  • 北川 豊吉, 兼井 洋一
    1970 年19 巻5 号 p. 642-649
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    チロシンは0.7N~2.3Nの硫酸酸性中で,+1.0V(対SCE)に半ピーク電位をもつ良好な酸化波を示し,多量フェニルアラニン中のチロシンが,直線走査ボルタメトリーにより精度よく定量できた.遷移時間定数630,log(√τ-√t)/√τ対Eのプロットは直線となり,完全な不可逆酸化反応である.定電位電解,ポーラログラフィーにより電極反応について考察した.
  • 北川 豊吉
    1970 年19 巻5 号 p. 649-653
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    モノクロル酢酸をpH 1.5でヨウ素イオンと共存させ,80℃で5~10分加熱すると定量的にモノヨード酢酸が生成する.この反応を利用して0.2~5mMのヨウ素イオンを約100倍の塩素イオンおよび臭素イオンの共存下で定量できた.モノヨード酢酸はpH 1.5で半波電位-0.18V(対SCE)に温度係数+2%の拡散支配2電子還元波を示し,その電極反応はCH2ICOOH+2H++2e→CH3-COOH+HIと考えられる.
  • 今村 健之助, 新井 徳子
    1970 年19 巻5 号 p. 653-659
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    ジアルキルジチオリン酸の定量法として直接ガスクロマトグラフィーを行なってみたが熱分解を起こして定量が困難であった.本報ではジアルキルジチオリン酸に亜リン酸トリアルキルを窒素気流中で反応させてエステル化する方法を行なった.この反応はきわめて容易にかつ定量的に進み,下記の条件で操作したガスクロマトグラフ法によって精度よく定量することができた.
    熱伝導度型ガスクロマトグラフを用い,カラム充てん剤はシリコーンDC550を20%含浸した担体セライト545(80~100メッシュ)でカラム温度は190~200℃で行なった。
    ジメチルジチオリン酸は亜リン酸トリエチルでエステル化し,内標準物質はアジピン酸ジエチルエステルを用いた.ジエチルおよびジイソプロピルジチオリン酸は亜リン酸トリメチルでエステル化し,内標準物質に安息香酸イソアミルを用いて定量することができた.
  • 大河内 春乃, 須藤 恵美子
    1970 年19 巻5 号 p. 659-664
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    微量チタンのEDTAマスキング-共沈分離法の研究を行なった.チタンについても,アンチモンの共沈剤として用いたクロム(III)を用いると100%捕集され,クロム(III)がチタンの共沈剤としてもすぐれた性質を持つことを見いだした.従来のマグネシウムを共沈剤とするEDTA-アンモニア法に比較し,共沈剤の使用量もはるかに少なく,塩化アンモニウムの必要性もない.
    本分離法を鉄鋼中の微量チタンの定量に応用し良好な結果を得た.定量には4%シュウ酸-0.72N硫酸を支持塩とするく形波ポーラログラフ法を用いた.
    試料0.5gを用いると,定量下限は0.0002%である.
  • 五島 文韶, 千早 百合子
    1970 年19 巻5 号 p. 664-667
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    酸性白土を吸着剤とする薄層電気泳動法によって,中性アミノ酸の分離を試みた.
    0.1~1N酢酸を電解液として用いると,シスチン,トリプトファン,プロリン,フェニルアラニン,チロシン・ロイシンおよびセリンの7種類のアミノ酸が1時間で完全に分離できることが明らかになった.なお,トリプトファンの場合は,通電後薄層を100~110℃で加熱すると紫色に発色するので,ニンヒドリン噴霧による発色前にその位置を知ることができた.
  • 橋詰 源蔵, 網田 佳代子
    1970 年19 巻5 号 p. 667-672
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    結晶粒子の大きさが熱分析に及ぼす影響について,試料として水酸化マグネシウムを用い,示差熱分析装置,差動走査熱量計を使って検討した.
    電子顕微鏡,電子線回折,X線回折,表面積測定により,試料として用いた水酸化マグネシウムがひずみの少ない,表面のかなりきれいな単結晶粒子であることを確かめた.
    サーモグラムのピーク立ち上がり温度(分解反応開始温度)は示差熱分析法,差動走査熱量法ともに結晶粒子の大きさに依存しない.ピーク頂点温度と粒子の大きさとの間には,特に差動走査熱量法において指数関係が存在した.
    ピーク面積については,示差熱分析法では希釈して充てん効果を除くと必ずしも結晶粒子の大きさ順とは一致しない.差動走査熱量法では粒子の表面積との間に直線関係が存在することを認めた.
  • トリウム-フラボノール錯体の利用
    那須 淑子, 北川 隆久, 森 多賀子, Tagako MORI
    1970 年19 巻5 号 p. 673-680
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    トリウムとフラボノール(2'-oxyflavone)は弱酸性エタノール溶液中で, 390mμに極大吸収を持つ安定な錯体を形成し,またこの溶液に紫外線を照射すると青色のけい光を発する.この錯体溶液に硫酸イオンを加えると,トリウム硫酸塩錯体が生ずるため,390mμの吸光度は減少するし,またけい光も消光する.この反応を利用して,0.2~4.0mg/lの硫酸イオ・ンを吸光光度法で, 0.02~0.8mg/l の硫酸イオンをけい光法によって定量した.
    この反応の最適pHは,吸光光度法では2.4~2.7,けい光法では2.5~3.0あるので,両法ともに溶液のpHは2.6とした.トリウムとフラボノール濃度の組み合わせは,硫酸イオン定量の感度に影響を与えるが,吸光光度法では,上記の硫酸イオンの濃度範囲で検量線が直線になり,かつ高感度となる条件として,トリウム5.2×10-5M(300μg/25ml),フラボノール6.7×10-5M(400μg/ 25ml)の組み合わせを用いた.また,けい光法ではトリウム5.2×10-6M(30μg/25ml),フラボノール 8.4×10-6M(50μg/25ml)の組み合わせを用いた.硫酸イオン濃度と相対けい光強度の間には,lnFo/F=KCの関係が成立するが,これは第3物質による消光の型の一つである(ただし,Fo:硫酸イオン濃度0のときのけい光強度;F:硫酸イオンCMのときのけい光強度;C:硫酸イオン濃度;K:定数).これらの条件下で,トリウム-フラボノール錯体の組成比は1:1である.エタノール添加量が増加すると定量感度も増すが,ここではエタノール30%の条件を用いた.また20~300℃の温度範囲では,両方法ともその影響は認められない.
    本法では,特別な試料を除き,前処理の必要もなく,少量の試料で微量の硫酸イオンが,誤差±3%程度で迅速に定量できる.陸水,降雪中の硫酸イオンの定量に,これらの方法を適用したところ,さきに報告したモリン法や従来法による定量値と比較して満足すべき結果を得た.
  • 吉森 孝良, 松原 いく子, 広沢 顕二, 田中 龍彦
    1970 年19 巻5 号 p. 681-687
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    精密電量滴定法によって,塩化ナトリウムおよび重クロム酸カリウムの純度の直接分析を行なった.また精密なピペットを用いて,重クロム酸カリウム,亜ヒ酸および塩酸の標準溶液の標定を試みた.塩化ナトリウムの純度分析と塩酸標準溶液の標定における終点決定には,銀電極およびガラス電極を用いた電位差測定法によった.これらの標準偏差の推定値は,それぞれ約 0.037% および 0.081%であった.重クロム酸カリウムの純度分析ならびにその標準溶液の標定の終点決定には,高感度電流法を用いた.標準偏差の推定値は,ひょう量その他の誤差を小さくしたとき 0.0063% であり,その標準溶液の場合は0.022%であった.亜ヒ酸標準溶液の標定には,定電圧電流法で終点を求めた.このときの標準偏差の推定値は0.021%であった.
  • 滝山 一善, 澤田 美穂子, 大谷 信子
    1970 年19 巻5 号 p. 687-690
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    8-アセトキシキノリンは均一溶液からの沈殿法により金属8-ヒドロキシキノリンを生成する母体試薬である.8-アセトキシキノリンが加水分解して8-ヒドロキシキノリンを生成する場合の反応速度を測定した.種々のpH,種々の温度で8-アセトキシキノリンを加水分解させ,波長430mμにおける吸光度の時間的変化を測定して,検量線より8-ヒドロキシキノリンの生成速度d[HQ]/dtを求めた.加水分解速度は8-アセトキシキノリンの濃度[AQ]に比例し,水素イオン濃度[H+]の約-0.4乗に比例し,次式を得た.
    -d[AQ]/dt=3.16×10-5[H+]-0.395[AQ]
    また活性化エネルギーは約5520cal・mol-1となった.
  • 町田 弥, 内海 喩
    1970 年19 巻5 号 p. 691-694
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    フラスコ燃焼法で臭素を含む試料を分解し,吸収液中の臭素イオンを吸光光度法で測定して,有機化合物中の臭素を定量した.
    試料を,既報と同じようにして燃焼し,生ずる気体を一定容積の水に吸収させ,沸点近くまで加熱して冷却する. その一部を分取し, これにチオシアン酸水銀 (II)のメタノール 溶液と硫酸鉄(III)アンモニウムの硝酸溶液とを加えて発色させ, 460mμ の波長で吸光度を測定し,あらかじめ作成しておいた検量線から試料中の臭素を定量する.
    本法で,有機化合物中の臭素を迅速かつ正確に定量することができた.
  • 田村 善蔵, 和栗 八重子
    1970 年19 巻5 号 p. 694-698
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    Reitman-Frankelによるトランスアミナーゼ活性測定法の操作に準じたピルビン酸の含量測定法として,純粋なピルビン酸2,4-ジニトロフェニルヒドラゾンを標準とし,これの示す吸光度を試料のピルビン酸から得られるヒドラゾンの吸光度と比較する方法を検討した.この方法によって得られる定量値とヨウ素滴定法(肝機能法)によって得られる定量値を比較したところ,本法のほうが感度,精度ともにまさることがわかった.また,本法のほうが高い定量値を与えるが,これは合理的な値であると考えられる.したがって,Reitman-Frankel法のピルビン酸基準液の含量測定は本法によるべきことを提案する.
  • 前川 静弥, 加藤 清敏
    1970 年19 巻5 号 p. 699-701
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    A simple and rapid photometric method for the determination of 0.0058% of copper in iron, steel, aluminum, zinc, tin, antimony, lead, magnesium and their alloys with biscyclohexanone oxalyldihydrazone (BCOD) has been established.
    Zinc and magnesium did not interfere. The interfering metals were removed or masked : iron and aluminum were masked with citric acid, lead was precipitated as lead sulfate, and tin and antimony were volatilized off as their bromide.
    The pH of the solution was then adjusted to 9.3 with ammonia water (1+1), and 12ml of ethyl alcohol and 15ml of BCOD solution (0.1%) were added. The mixture was then made up exactly to 50ml with water. (Alternatively, more than 1% for copper, 30ml of ethyl alcohol and 30ml of BCOD solution were added, and the solution was diluted exactly to 200ml with water.)
    An aliquot was transferred to an absorption cell (10 or 20mm), and the absorbance was measured at 610mμ against water.
  • 前川 静弥, 加藤 清敏
    1970 年19 巻5 号 p. 702-704
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    A simple and accurate photometric method for the determination of 0.002 about 4% of nickel in iron and steel, and in pure iron with dimethylglyoxime has been established. The sample (0.20.5g) is decomposed by 510ml of perchloric acid, and it is evaporated to vigorous fumes of perchloric acid. After beeing cooled, 1025ml of ammonium citrate solution (25%) acid 10ml of dimethylglyoxime solution (0.5%) are added and mix. The interfering elements are removed by extraction with carbon tetrachloride and back extraction of nickel with 0.9N perchloric acid. The aqueous layer is boiled to expel carbon tetrachloride off, and the separated nickel is colored as nickel (III)-dimethylglyoxime complex by an oxidizing agent such as iodine. The absorbance is measured at 530 mμ or 440mμ (for smaller amount of nickel) against water. The time required for an analysis is about 25min.
  • 椿 勇, 中西 務
    1970 年19 巻5 号 p. 704-705
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    Thiocyanate is not extractable into ether, benzene etc. from an alkaline solution, but, in an acidic solution, the free thiocyanic acid is readily extracted into organic solvents. The formation of red complex of this extracted thiocyanic acid with ferric iron was applied to the detection of acidic compounds as follows.
    Potassium thiocyanate (10%) solution and ether were added to a sample solution in a test tube. The mixture was shaken and allowed to stand for separating the two layers. A drop was drawn from the ether layer and put on a dried filter paper impregnated with ferric ammonium alum. The appearence of a brown spot indicated the acid substance.
    KSCN+H+→HSCN+K+
    HSCN(in ether)+Fe3+→Fe-SCN complex.
  • 矢口 公彦, 兼手 潤
    1970 年19 巻5 号 p. 705-707
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    The content of Bi in sulfide ore is determined by two stage extraction with sodium diethyl-dithiocarbamate and carbon tetrachloride (Na-DDTC-CCl4).
    The ordinary method, which extracts Bi by Na-DDTC-CCl4 from a basic solution of sample containing NH4-citrate, EDTA and KCN, gives a large positive error owing to the co-existence of Fe3+ and Pb2+. But the extracted amount of Fe and Pb accompanying with Bi is so small that the second Na-DDTC-CCl4 extraction for the solution obtained by decomposition of the first extract with HNO3-H2SO4 gives an accurate result. Sodium sulfite is added to the sample solution together with other masking agents because it is effective for suppressing the influence of Fe3+.
    The relation of the absorbance at 366 mμ and the amount of Bi is linear within the range of 0.5 15 μg Bi/ml CCl4. Accurate results are obtained for 0.00n% Bi.
  • 青島 雄吾
    1970 年19 巻5 号 p. 708-714
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 山本 毅雄, 藤原 鎮男
    1970 年19 巻5 号 p. 715-721
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 南 茂夫
    1970 年19 巻5 号 p. 721-730
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 神野 博
    1970 年19 巻5 号 p. 730-736
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 佐伯 慎之助
    1970 年19 巻5 号 p. 736-742
    発行日: 1970/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
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