pH 4以下で,アルミニウムは,その過剰の存在でクロムアズロールS(CAS, H
4L)と1:1錯体{Al(HL), Al(OH)(HL)
-}と2:1錯体{Al
2L
2+, Al
2(OH)L
+}を,又過剰のCASの存在でpH4-6で,1:1錯体{Al(OH)(HL)
-, Al(OH)
2(HL)
2-}と1:2錯体{Al(OH)(HL)
24-, Al(OH)
2-(HL)
25-}を逐次生成する.ゼフィラミン存在下では, pH 4-6で過剰のCASの存在で1:1錯体{Al(OH)(HL)
-, Al(OH)
2(HL)
2-, Al(OH)
3(HL)
3-}と1:2錯体{Al(OH)(HL)
24-, Al(OH)
2-(HL)
25-}を逐次生成し,これら1:2錯体のモル吸光係数はそれぞれ約3倍増大した.ゼフィラミン存在下では,陽電荷の2:1錯体,無電荷の1:1錯体{Al(HL)},及びAl(HL)と逐次生成するAl(HL)
23-の生成は確認できなかった.ゼフィラミン存在下pH 5.4で,過剰のCASの存在で主に生成する1:2錯体{Al(OH)(HL)
24-}を利用して,0.005-0.3 ppmのアルミニウムを吸光光度定量した(見掛けのモル吸光係数1.33×10
5 dm
3 mol
-1cm
-1).
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