イオン排除クロマトグラフィーを用いて雨水中のギ酸,酢酸,プロピオン酸,イソ酪酸,酪酸を定量する方法について検討した.溶離液及び除去液の組み合わせの異なる4種類の方法について分析感度,検出限界及び分析精度を比較した結果,溶離液に0.05mM硫酸を用い,2.5mM硫酸ナトリウムを除去液とし,電気伝導度検出器を用いる方法が最適であった.本法による各低級カルボン酸の検出限界は,ギ酸0.002μg/ml,酢酸0.001μg/ml,プロピオン酸0.004μg/ml,イソ酪酸0.008μg/ml,酪酸0.007μg/mlであった.本法を用いて1988年6月より11月までの期間,横浜市日吉において雨水中の各低級カルボン酸濃度を測定し,ギ酸0.07~1.98μg/ml,酢酸0.03~0.85μg/ml,プロピオン酸0.02~0.15μg/ml,イソ酪酸0.06~0.44μg/ml,酪酸0.06~0.16μg/mlの結果を得た.
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