2-(5-ブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-ジエチルアミノフェノール(5-Br-PADAP)により誘導体化したコバルト(III)-5-Br-PADAP錯体を,非イオン性界面活性剤ポリ(オキシエチレン)-4-ノニルフェニル=エーテル(PONPE)水溶液を移動相として用いるミセルHPLCにより,分離し定量した.このとき,親水基であるエチレンオキシドの付加数が20のPONPE-20を用い,更に,ゼフィラミンを移動相に添加することにより,共存する鉄(III),銅(II),アルミニウム(III),ニッケル(II),亜鉛(II),カドミウム(II),マンガン(II),バナジウム(V)及び過剰の5-Br-PADAPを全く溶出させることなく,コバルト(III)錯体だけを迅速に検出することができた.コバルトの検出限界は24pg cm
-3であった.本法により,標準試料のフライアッシュ及びムラサキイガイ中のコバルトを定量することができた.
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