海水,ゆう(湧)水及び河川水中の微量のビスマスを水酸化ジル灘ニウム(IV)共沈法により分離して,微分パルスアノーデイックストリッピングボルタンメトリーによる定量法を検討し,次のような分析法を確立した.試料溶液(常法によって,前処理を行った天然水)それぞれ50mlを採り,ビスマス標準溶液それぞれ一定量を加え,更にジルコニウム塩溶液1 ml(10mg/ml)を加え,アンモニア水(1:2)でpHを9.0に調節し共沈分離させる.これを源過し,4M塩酸25認で溶解し,蒸留水で正確に50mlとする.この溶液の一定量を採り,除酸素(100秒),前電解(100秒)を行う.10秒間静置した後,-0.5Vから0V
vs.SCEまで掃引して溶出電流電位曲線を記録し,ピークの高さを測定して定量する.本法では,ppmオーダーの高感度で,迅速にかつ精度よく定量することができる.共存イオンの影響はCu
2+イオン0.05mg以下では,ほとんど定量に際して妨害することなく,又Cu
2+イオン以外についても影響がみとめられなかった.
抄録全体を表示