粉末試料を螢光X線法により分析する際には,試料板の表面状態が螢光X線強度に大きな影響を与えるため,試料を加圧成形して均一な表面のものを作成し,測定することが行なわれている.しかし,加圧成形した試料板は取扱いの際に破損しやすいという欠点があり,有機樹脂により裏面を補強するなどの工夫が行なわれているが,操作が比較的繁雑であり,適当な試料板作成方法を考案するため,種々の検討が行なわれている模様である.
著者らは2,3の方法を検討した結果,試料が補強のための型枠付きのままで加圧成形される方法を考案し,実際に使用した結果も良好であったので,以下にこれを紹介する.
試料成形に用いる金属製成形器および試料板補強用型枠の1例は,Fig.1およびFig.2に示すようなものである.円形の試料を作成する場合にも,断面が円形の成形器を用いて,同様に行なうことができる.
金属製成形器は(1),(2),(3)および(5)の4コの部品より成り,これらを用いて,試料板補強用型枠(4)に試料を圧入する.以下に試料板作成の手順を示す.
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