分析化学
Print ISSN : 0525-1931
14 巻, 1 号
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  • 岸本 賢一, 木下 健児
    1965 年14 巻1 号 p. 3-6
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    分取用ガスクロマトグラフの分取カラムから溶出したキャリヤーガスおよび,試料を一部水素炎イオン化検出器に導いて微量成分のカラムからの溶出を検出し,また残りは切換弁を切り換えて活性炭吸着トラップに導いて微量成分をトラップした.のち活性炭を溶剤で抽出して微量成分を主成分および他の微量成分から分離回収した.特級ベンゼンを試料として,その中の265ppmのシクロペンタン,650ppmのn-ヘキサンを上記の方法で分離回収し,四塩化炭素により抽出し,それぞれ0.27%,0.71%を得た.回収率はそれぞれ86.4%,93.6%であった.
  • ケイ光X線分析におけるマトリックスの補正について(第2報)
    一柳 昭成, 沢田 敏男
    1965 年14 巻1 号 p. 7-12
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    銅-ニッケル合金中の亜鉛をケイ光X線で定量分析した.
    ZnKαの一次線はCuKβ,WLα線に接近しているためバックグラウンドの測定に難があり,ZnKβ線はWLβ線と重なるために,ZnKαの二次線を測定線とした.
    ZnKα線はニッケルによって著しい吸収を受けるので,検量線は材質によって異なる.そのために,一次X線に対する吸収が銅,ニッケルでは近似的に等しいとし,ZnKαに対する吸収効果を質量吸収係数を用いて計算する理論式を導き,これによって定量した.結果は化学分析値とよく一致した.
    アルミニウム合金中の亜鉛について,一次X線に対する吸収を考慮して,この理論式を適用したところ,満足すべき結果が得られた.
  • 内海 喩, 伊藤 舜介, 町田 弥, 奥谷 忠雄
    1965 年14 巻1 号 p. 12-15
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    市販臭素中に含まれている微量の塩素の吸光光度定量法について研究した.試料の臭素(100mg)を水酸化ナトリウム溶液と過酸化水素水を加えて臭化物に還元し,同時に臭素中の塩素も塩化物に還元する.過剰の過酸化水素を分解してから,硝酸と過マンガン酸カリウム溶液を加えて加熱しふたたび臭素に酸化して追い出す.生じた二酸化マンガンが溶解するまで過酸化水素水を加える.溶液中に残留している塩素イオンを吸光光度法で定量する.
    すなわち,その溶液に硝酸鉄溶液とチオシアン酸水銀溶液とを加えて発色させ,460mμの波長で吸光度を測定して塩素を定量する.本法で臭素中の微量の塩素が正確に定量でき,数種の市販臭素について塩素を定量したところ0.01~0.2%という結果を得た.
  • 伊東 重俊
    1965 年14 巻1 号 p. 15-20
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ジフェニルカルバチド法の一部を改めて,多量のバナジウムを含有する磁石合金中のクロムを光度定量できるようにした.すなわち,リン酸が存在すればバナジウム(V)と鉄(III)はクロムの発色をほとんど直線的に減少するが,リン酸が存在しなければバナジウム(V)は全然影響せず,鉄(III)はその1~4mgの範囲においてクロムの発色に再現性を与える.ニッケルとコバルトは影響しない.したがって上記の原理に基づいて鉄(III)の量を調節するだけで,クロムを定量的に発色できた.本法は完全にベールの法則に従った.
  • 農薬のガスクロマトグラフィー(第17報)
    金沢 純
    1965 年14 巻1 号 p. 20-23
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    殺虫剤として使用されているダイアジノンにはこれまで特異的な方法がなかった.本報では農業用水和剤中の主剤の定量法をうる目的で最も普及している熱伝導度検出器によるガスクロマトグラフィーを検討した.その結果,高真空用シリコングリースをセライト545に10wt%担持させた充てん剤をつめた長さ1mのステンレス分離管を用い,分離管温度170℃,キャリアーガス流速ヘリウム50ml/ minで操作し,フルオレンを用いる内標準法により,水和剤中のダイジアノンを回収率98.0~101.5%, 標準偏差0.40%で定量できた.
  • セメント中の微量元素の定量(第2報)
    石井 一, 永長 久彦, 須賀 泰造
    1965 年14 巻1 号 p. 24-28
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    セメント中の微量カドミウムをポーラログラフ法により定量を行なう方法について種々検討を行なった結果,1Mリン酸を支持電解質として用いる次のような方法を確立した.すなわち試料を過塩素酸で分解し,シリカをゲル化させてロ別したのち,鉄(III)を捕集剤として水酸化ナトリウムを用いてカドミウムを共沈,分離し,少量の硫酸(1+200)に溶解したのち,リン酸を加えて一定量とし,その一部を電解びんに移し,溶存酸素を除去したのち,水銀池を対極として交流ポーラログラムを記録し,あらかじめ求めておいた検量線よりカドミウムの含有量を求める.
    本法によれば0.001%程度までのカドミウムの定量を行なうことができる.
    セメント中の微量カドミウムをポーラログラフ法により定量する際の各種諸条件について種々検討を行ない,その定量方法を確立した.
    本法によればカドミウムが4.0μg/mlまでは,波高との間に直線性が存在することが認められた.
    また本法により,セメントおよびセメント関連物質の分析を行なったところ,0.001%程度まで定量することができた.
  • 和田 弘子, 中川 元吉
    1965 年14 巻1 号 p. 28-33
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    1-(2-チアゾリルアゾ)-2-ナフトール(TAN)および4-(2-チアゾリルアゾ)-レゾルシン(TAR)の銅キレート生成定数について吸光光度法で検討した.TARはpH<2.5でCuHA+を生成し,pH>3ではCuHA+が解離してCuAを生ずる.CuHA+の生成定数として108.41,CuAの生成定数として1013.92が得られた.TANはpH>0.5でCuA+を生じ,生成定数は1011.85であった.これらの値を用い,TARまたはTANを指示薬として銅をEDTAで滴定する場合の当量点における指示薬の変色の鋭敏さを検討し,光度滴定によって確かめた.TAR,TANいずれを用いてもpH3~8の範囲で赤紫色から黄色のきわめて鋭敏な変色が得られた.特にTARは変色がすみやかで常温での滴定が可能であり,銅の指示薬としてすぐれている.
  • 永井 英夫, 加茂 睦和
    1965 年14 巻1 号 p. 33-37
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    希土類元素をアルカリ金属塩で処理した口紙上で展開し,従来のペーパークロマトグラフ法よりも,えい尾性の少ない,分離性のよいクロマトグラムが得られた.試料は硝酸塩水溶液の形とし,口紙は塩化ナトリウムまたは塩化カリウムの40~50mg/ml溶液で処理し,展開剤に水で飽和したn-ブタノール200ml,氷酢酸20ml,オキシン10gの溶液を用いた場合に,各イオンの相互分離に最良の結果が得られた.
  • 白崎 高保, 岡田 正秀, 中林 哲夫
    1965 年14 巻1 号 p. 37-41
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/15
    ジャーナル フリー
    固体触媒炭素質のDTAによる迅速定量法を,前報とは生成条件および性状が異なる炭素質の分析に適用した結果,本定量法の普遍性が験証された.一方本定量法の触媒工学への応用を試み,シリカアルミナ触媒充てん式固定床流通反応器を用いるトルエン不均化反応において次の結果が得られた.
    (1)床内炭素質生成量分布は床入口部がやや多量のようである.(2)炭素質生成反応の速度は,炭素質がもしその反応の活性座を被毒するものとすれば,見掛け上活性座表面濃度に零次(無関係)となる.炭素質生成の活性化エネルギーは37.6kcal/molと求められる.(3)新鮮なシリカアルミナ触媒と,それに炭素質が生成した劣化触媒および触媒固体酸点をNa+で交換した被毒触媒の三つについて,トルエン不均化能と炭素質生成能を比較した結果,析出炭素質は表面活性点を全くつぶすものではなく,軽度に被覆するものと推定された.(4)前報の炭素質生成量と∫m0(b-x)dmとの比例関係は本報の結果では成立しなかった.ただしb,x:それぞれトルエンのベンゼンおよびキシレンへの反応率,m:原料トルエンの積算通油モル数である.(5)炭素質生成量と触媒活性の劣化程度との相関関係は触媒の種類と反応条件によって異なった.
  • 原 重雄
    1965 年14 巻1 号 p. 42-45
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    β-メルカプトプロピオン酸によってコバルトの比色定量を行ない,0.2~4ppmの範囲でべール法則に従う直線関係が得られた.すなわち,コバルト溶液にβ-メルカプトプロピオン酸の1%溶液10 mlを加え,アンモニアでpHを約9とし,20分間放置後,370mμの波長で測定する.鉄およびニッケルは微量共存しても妨害するが,銅はシアン化物の存在で完全に陰ぺいできる.
    また,コバルトとβ-メルカプトプロピオン酸とのモル比は1:3であることを見いだした.
  • 小友 允
    1965 年14 巻1 号 p. 45-52
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    キシレノールオレンジ(XO)を発色剤とする微量の銅,鉄(II),コバルト,ニッケルおよびマンガンの吸光光度定量法を確立し,あわせて生成する錯体の組成および生成定数を求めた.鉄-XO錯体は500mμに吸収の極大をもつが,他の金属イオンとの錯体は580mμ付近に吸収の極大をもっている.これらの錯体の発色に及ぼすpHおよび試薬添加量の影響,呈色の安定性などの基礎的な条件を検討して最適定量条件を定めた.この結果,全容25ml中,銅13~85μg,鉄5~45μg,コバルト3~35μg,ニッケル3~40μg,マンガン3~70μgの範囲で検量線はそれぞれベールの法則に従うことがわかった.多くのII~IV価金属イオンは本法に妨害を与えるので,あらかじめ分離するか,または陰ぺいする必要がある.また,NTAやEDTAなどのキレート試薬は錯体の発色を著しく妨げる.鉄(II)を除くこれらの金属イオンはXOと1:1の錯体を生成し,1015~1019程度の生成定数をもっている.
  • 河淵 計明
    1965 年14 巻1 号 p. 52-56
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    鉄鋼中のモリブデンとタングステンをイオン交換法で分離後,ジチオール法で同時定量した.
    硫酸-リン酸混液でス解した試料溶液をチオシアン酸型陰イオン交換樹脂(Dowex1,X-8,100~200メッシュ)に通すと,銅(II),モリブデン(VI),タングステン(VI),スズ(IV)および鉄(III)は樹脂に捕そくされ,クロム(III),マンガン(II),ニッケル(II)は捕そくされない.一方,アンチモン(III),ビスマス(III)はわずかに捕そくされるが1N硫酸で容易に溶離できる.樹脂に残る金属のうち,モリブデン(VI),タングステン(VI),スズ(IV)は,0.5M塩化ナトリウム-0.5M水酸化ナトリウムで定量的に溶離でき,かつ同一フラクションに流出する.この流出液の一定量を分取してジチオール溶液を添加し,生成する錯体をn-酢酸プチルで抽出する.抽出液の吸光度をそれぞれ610mμ,660mμで測定し,モリブデンとタングステンの量を算出する.この場合,スズージチオール錯体はn-酢酸ブチルに抽出されないので妨害とはならない.
    本法によれば,鉄鋼中のモリブデンとタングステンを迅速かつ簡単に同時定量できる.
  • 岡 正太郎, 柴崎 弥一郎, 尾松 宏治
    1965 年14 巻1 号 p. 57-62
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    滴定に使用する標準液濃度のファクターについて厳密な予備測定を必要としないビュレットを考案し試作した.ビュレット中に一対の白金線をそう入し,滴定に伴う標準液体積の減量を導電率変化によって電気的に測定する.このようなビュレットによれば,標準液体積の変化のみならず標準液濃度の変化も合わせて測定することができるから,滴定終点までに消費した標準液の(濃度×体積)の値を電気信号に変換して計測できる.本考案にもとついて約300mlのビュレットを試作して基礎的な実験を行なったところ体積測定精度は士0.3%以下であった.また塩酸による水酸化ナトリウム(0.567N,100ml)の中和滴定において,塩酸の濃度が0.4N以下であれば濃度が約10%変化しても滴定誤差は士1%以下であった.さらに,工業用連続滴定装置および自動記録滴定装置に本法を適用して効果的であることを実験的に確認した.
  • 石橋 信彦, 小原 人司, 原口 俊秀
    1965 年14 巻1 号 p. 62-68
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    交流ポーラログラフ法による数種のアルカリおよびアルカリ土類元素の定量を検討した.ヨウ化テトラエチルアンモニウム(TEA-I)を支持電解質とすると,マグネシウムイオンを除き,リチウム,ナトリウム,カリウム,カルシウム,バリウムの各イオンは定量に適するよい交流波を示す.おもにナトリウムイオンの波について,支持電解質濃度,pH,溶存酸素,水銀滴下速度などの影響を調べた.この結果にもとづきアルカリ金属およびバリウムイオンの単独溶液についてTEA-Iを支持電解質として10-5~10-3Mの範囲で直線的な検量線を得た.ナトリウム-カリウム共存系については,テトラフェニルホウ素のリチウム塩を用い,カリウムイオンを沈殿分離すれば,10-4M程度のナトリウムイオンの定量が可能で,数倍量共存するカリウムイオンは妨害しない.またカリウムの間接定量も可能である.アルカリ土類元素と共存するアルカリ金属イオンもLi-EDTAで前者を陰ぺいして定量できる.
  • 井出野 栄吉, 友永 哲也
    1965 年14 巻1 号 p. 69-70
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 長谷川 恵之, 梶川 正雄, 岡本 伸和, 浅田 栄一
    1965 年14 巻1 号 p. 70-72
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 番匠 賢治, 梅崎 芳美
    1965 年14 巻1 号 p. 72-74
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 熱量(安息香酸)
    野上 春吉, 藤原 光三
    1965 年14 巻1 号 p. 75-77
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 石炭・コークス
    宮津 隆
    1965 年14 巻1 号 p. 78-82
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • セメント
    梅村 武雄
    1965 年14 巻1 号 p. 83-86
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 大野 幸雄
    1965 年14 巻1 号 p. 87-98
    発行日: 1965/01/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
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