分析化学
Print ISSN : 0525-1931
29 巻, 11 号
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  • 触媒反応を利用する超微量金属の吸光光度定量に関する研究(第4報)
    平山 和雄, 宇野原 信行
    1980 年 29 巻 11 号 p. 733-737
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    Bindschcdler's greenロイコ塩基(BGL)の臭素酸カリウム酸化反応におけるバナジウムの触媒作用を利用して吸光光度法により8pg/mlまでの超微量バナジウムを定量できる方法を確立した.
    弱酸性溶液中,バナジウム(IV),(V)が存在するとBGLは臭素酸カリウムにより接触的に酸化され,725nmに吸収極大を持っBindschedler's green(BG)が生成する.BGの発色速度はバナジウム濃度に依存し,定時間法により反応開始後一定時間内に生成したBGの吸光度(波長725nm)とバナジウム濃度の間には比例関係が成立した.7.8×10-4M BGL,3.2×10-2M臭素酸カリウム,pH3.8,反応温度25℃,反応時間10分の測定条件では,0~0.12ng/mlのバナジウムと吸光度の間に良好な直線関係が得られた.定量下限は8pg/mlであり,感度(吸光度0.001に相当)は0.15pg/mlであった.0.06ng/mlのバナジウムの繰り返し実験における変動係数は3.5%(n=10)であった.大部分のイオンは10000倍量程度の共存でも妨害しなかった.銅(II)は1000倍量,鉄(III)はフッ化物イオンを加えることで1000倍量までの共存が許された.
    本法を河川水,水道水中のバナジウムの定量に応用し良好な結果を得た.
  • 小島 路子, 関川 典世, 志賀 直史, 俣野 修身, 後藤 真康
    1980 年 29 巻 11 号 p. 738-743
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフのカラムからの溶出液に硫化ナトリウム溶液を添加し,ガラスピーズを充てんしたカラム中で反応させ,375nmの吸光度を測定する方法によりジチアノンの定量を行った.最小検出量は20ng,200ngを5回測定したときの測定精度は変動係数1.3%であり,検量線は(20~200)ngの範囲で原点を通る直線となった.本法を1l作物中のジチアノンの残留分析に適用した結果,検出限界は試料50gを用いて0.01ppm(茶は10gを用いて0.05ppm),回収率は(80~106)%であった.精製操作はカラムクロマトグラフィーを1回行うだけで十分であった.従来の検出法に比べ,ジチアノンに特異的であることから,分析法が簡便になり,感度及び精度も良好であり,残留分析として実用可能な方法である.
  • 中島 正彦, 桜井 兵一郎, 坂井 明, 今枝 一男, 大沢 敬子, 栗木 武男
    1980 年 29 巻 11 号 p. 744-749
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    電量滴定法を利用した高精度かつ高感度を有する酸素分析装置を開発した.本装置は,試料の熱分解ガスを白金炭素に通し酸素化合物を一酸化炭素にした後,二酸化炭素に酸化してpH9.7の電解液に導入する.電解液の酸性側へのpH変化に応じて水酸イオンを電解発生させ元のpHに復帰させ,このとき要した電気量から酸素量を求めるものである.
    電量滴定部について,(1)過剰電解の防止,(2)pH過剰低下の防止,(3)電気的ノイズの低減化,(4)二酸化炭素の吸収率向上化の検討を行い,電流効率及び二酸化炭素吸収率がともに100%となる条件を見いだした.
    標準物質はいずれも絶対誤差0.3%以内で分析できた.又検出限界は(300~500)ng,分析所要時間は通常10分間であった.
  • 吉田 仁志, 田中 俊逸, 多賀 光彦
    1980 年 29 巻 11 号 p. 749-754
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    つり下げ水銀滴電極に前電解された銅が1×10-4mol dm-3のチオ尿素を含む0.1mol dm-3の過塩素酸ナトリウム溶液中に溶出されるとき,銅の溶出波は異常に鋭くなり,チオ尿素を含まない溶液中に溶出されるときの約6倍の波高となった.このときの波高はpHに依存しpH3.8のとき最大値を示した.滴下水銀電極と滴下銅アマルガム電極とを用いた電気毛管曲線を比較することによって,-0.15V vs.SCE付近で銅アマルガム電極へのチオ尿素の吸着が観察された.これより,前電解によって銅アマルガム化した電極に電位掃引過程においてチオ尿素が吸着され,この吸着されたチオ尿素が増感効果を引き起こしていることが明らかとなった.増感された溶出波のピーク電流値は(1×10-7~1×10-6)mol dm-3の範囲で銅の濃度に比例した.
  • 山根 兵, 瀬戸 清照, 深沢 力
    1980 年 29 巻 11 号 p. 754-758
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    大気粉じん中の微量鉛を簡便に定量するため4-(2-ピリジルアゾ)-レソルシノール(PAR)を用いる吸光光度法について発色条件や妨害イオンの除去などについて研究した.ローボリウムエアサンプラーを用いて膜フィルター上に捕集した大気粉じんはフィルターごと硝酸で加熱処理した後,少量の硫酸と過酸化水素水(60%)を用いてフィルターを完全に分解する.フィルターの無い場合の試料は酸処理だけでよい.分解処理液を濾過して分液漏斗に移し,水で全体を約25mlに希釈する.これにジベンジルジチオカルバミン酸塩の四塩化炭素溶液10mlを加えて振り混ぜて鉛を抽出した後,有機相を3.5N塩酸と振り混ぜて鉛を逆抽出する.鉛を含む水相をメスフラスコに移した後,アンモニア水を加えてpHを10.0前後に調節し,PAR溶液を加えて発色させ,520nmにおける吸光度を測定した.ジベンジルジチオカルバミン酸抽出法を採用することにより本法の選択性は著しく向上し,大気粉じん中の1μg程度までの鉛を簡便に精度良く定量することができた.
  • 食品中の過酸化水素の定量
    松原 チヨ, 高村 喜代子
    1980 年 29 巻 11 号 p. 759-764
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    チタン(IV)と4-(2-ピリジルアゾ)-レソルシノール(PAR)との混合溶液(Ti-PAR試液)を呈色試薬とする微量過酸化水素の吸光光度定量法を見いだした.Ti-PAR試液を過酸化水素に加えると,PAR及び過酸化水素を含むチタン(IV)錯体(λmax 508nm)を生成し,その吸光度は過酸化水素の濃度に比例する.[PAR]/[Ti(IV)]≦1,pH7.5~12の条件下で分子吸光係数ε=3.6×104M-1cm-1を示し,過酸化水素の濃度1×10-6Mまで定量可能(変動係数2.0%以下)であった.本試液は無機イオン及び有機化合物など種々の共存物質の影響を受け難いので,食品などに適用した場合前処理をほとんど必要としない利点がある.水産ねり製品,めん類など食品に添加された過酸化水素の定量を試みたところ,0.3ppmまで定量が可能であった.又,試料に本試液を直接滴下するスポットテストでは,かまぼこの場合2ppmまで肉眼による検出が可能であった.
  • 戸井田 敏彦, 緒方 惟治, 田辺 信三, 今成 登志男
    1980 年 29 巻 11 号 p. 764-768
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィーを用いて微量のチオシアン酸イオンを測定するための諸条件を検討した.カラムに強塩基性陰イオン交換樹脂(TSK-ゲル LS-222,6μ)を用い,溶離液として過塩素酸-過塩素酸鉄(III)の混合液を用いることにより,チオシアン酸イオンの溶離と鉄(III)錯体としての検出が1台のポンプで行える簡単なクロマトグラフシステムを開発した.検量線は(0.25~10)nmolの範囲で直線となった.
    本法を用いて,ヒト尿中のチオシアン酸イオンの定量を試みたところ,原尿を遠心分離してその上澄液100μlを直接カラムに注入するだけで精度良く定量できた.
  • チオ尿素-銅(I)錯体及びその誘導体を用いる陰イオンの溶媒抽出-原子吸光法による間接定量(第1報)
    松枝 隆彦, 森本 昌宏
    1980 年 29 巻 11 号 p. 769-774
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    水中の直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)を塩化ナトリウムの共存下でメチルイソブチルケトン(MIBK)に抽出分離した後,チオ尿素-銅(I)錯体(CuTu)溶液と振り混ぜると,LASとCuTuはイオン対を形成し,MIBK相のLAS濃度に比例してCuTuがMIBK相に抽出されるので,MIBK相の銅を原子吸光法により測定することによりLASの間接定量が可能であった.
    200μg以下のLASを含む3w/v%塩化ナトリウム溶液100mlと10mlのMIBKを振り混ぜ,約5分間静置後,MIBK相を5m1分取し,CuTu溶液{銅(II):2×10-3M,チオ尿素:8×10-3M}5mlと振り混ぜ,MIBK相の銅を原子吸光法により測定した.定量範囲は(0.01~2)μg/mlであった.0.1μg/mlのLASに対する変動係数は2.4%であった.シアン化物イオン,チオシアン酸イオン,亜硝酸イオン,ヨウ化物イオンなどが共存すると正の誤差を与えるが,シアン化物イオン以外はMIBK相を0.1Mホウ酸ナトリウム及びリン酸塩-塩酸緩衝液(pH3)で洗浄することによりその影響を除去できた.本法とメチレンブルーによる測定値は比較的よく一致した.
  • 西岡 篤夫, 向井 康雄, 大内 宗城, 今成 司
    1980 年 29 巻 11 号 p. 774-780
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    英国RAPRA製低密度ポリエチレン(LDPE)につき,25MHzで1,2,4-トリクロロベンゼンを溶媒とし,25w/v%の濃度で,120℃で13CNMRスペクトルを測定した.90°パルスを用い40秒間隔で4320回の積算を行った結果,主鎖メチレン基による強いシグナルの外33個のピークが認められた.このスペクトルについてLDPE中の分岐種として従来から報告されているエチル,ブチル,アミル,ヘキシル+などの孤立型分岐種の帰属を行った外,double back-biting機構により生成すると考えられている1,3-エチル対,5-エチル-ヘキシル,4官能ブチル,4官能ブチル-エチルなど4種の複合型分岐種の帰属を試みた.これら8種の分岐種の帰属に際し,13CNMR化学シフトの加成則4種を適用したが,これによるシフト値の算出に有効に寄与する必要にして十分な炭素原子のすべてを考慮し,実測値と最もよく整合がとれるようにした.Grant-Paul,Lindeman-Adams(LA),Randall及び山本の4種の加成則の適否を検討した結果,LAと山本の式が4級炭素のある場合に使用可能で両式による帰属に大差はないが,未帰属ピーク数は前者が若干少なかった.結論としてほとんどのピークにつき,上記8種の分岐種炭素の帰属を行うことができたので,従来の孤立分岐の外に4種の複合型分岐の存在が認められた.
  • 村田 旭, 大前 利隆, 鈴木 哲夫
    1980 年 29 巻 11 号 p. 780-785
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    3-ヒドロキシフラボン及びそのヒドロキシあるいはメトキシ誘導体12種とアンチモン(III)とのけい光反応を過塩素酸,硫酸,リン酸及び塩酸中で検討し,錯体のけい光強度に対する酸の種類と濃度の影響及び試薬の置換基効果を明らかにするとともに,最適試薬によるアンチモンのけい光定量を行った.錯体のけい光は過塩素酸及び硫酸中で強く,リン酸中では弱く,塩酸中では全く認められない.又,3-ヒドロキシフラボンの2',3',5位にヒドロキシル基又はメトキシル基を置換すると錯体のけい光は弱くなり,4',7位にこれらの基を置換すると錯体のけい光が強くなる.最適試薬と考えられる3,7-ジヒドロキシフラボンによれば,過塩素酸1Mで(0.1~2.0)μg/25mlのアンチモンのけい光定量が可能である.
  • 林 謙次郎, 佐々木 義明, 田頭 昭二, 生田 尚子
    1980 年 29 巻 11 号 p. 785-790
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    酸性溶液中でビスマス(III)イオンはチオ尿素と反応して黄色の可溶性錯体を形成する.この錯体は過塩素酸イオンとイオン対を作り,メチルイソブチルケトン(MIBK)あるいは酢酸エチルに抽出される.ビスマスの分配比に及ぼす各種因子の影響を調べ,抽出化学種は[Bi(thiourea)2](ClO4)3であることが分かった.25℃,イオン強度3.60mol dm-3における条件生成定数,イオン会合定数及び分配定数の値としてMIBK抽出系でそれぞれ3.0×10mol-2 dm6,0.085mol-3 dm9及び6.0,又,酢酸エチル抽出系でそれぞれ5.2×10mol-2 dm6,0.028mol-3 dm9及び7.9が得られた.一方,水溶液中におけるビスマス,チオ尿素及び過塩素酸イオン相互間の反応を吸光光度法により調べた.その結果,錯体中のビスマスとチオ尿素のモル比は1:2であり,過塩素酸イオンが共存するとイオン会合体[Bi(thiourea)2](ClO4)3が形成されることが分かった.この会合体の組成は先に求めた抽出化学種のそれと同一である.これらの反応に対応する条件生成定数及びイオン会合定数は24.2℃,イオン強度3.60mol dm-3でそれぞれ3.2×10mol-2 dm6及び0.14mol-3dm9であり,MIBK抽出系で求めた値とよく一致する.又,これら反応のΔH及びΔSの値も求めた.
  • 熊谷 哲, 上杉 勝弥
    1980 年 29 巻 11 号 p. 791-795
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    2-ヒドロキシ-1-ナフトアルドキシム(HNA)を用いるパラジウムの重量分析法を検討した.黄色のパラジウム(II)-HNA錯体沈殿は70%(v/v)メタノール,0.2N塩酸溶液から室温で生成させた.沈殿を濾過し,過剰の試薬をメタノールで除いた後,110℃で2時間乾燥させた.得られた沈殿の組成はPd(HNA)2で,重量分析係数は0.2222である.21種の他の金属の共存について,その影響を検討した結果,銅(II)が著しく妨害することが分かった.本法は操作が簡単で再現性がよく,(5~25)mgのパラジウムが定量できる.本法を銀基パラジウムろう中のパラジウムの定量に応用して満足すべき結果を得た.
  • 気相における金属の分析化学的研究(第13報)
    藤永 太一郎, 桑本 融, 杉浦 健児, 市木 繁和, 松原 則男
    1980 年 29 巻 11 号 p. 796-799
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    以上のように,本法は簡便でかつリガンド蒸気を含むヘリウム気流中で熱分解を抑制しながら熱重量測定をすることが可能であり,今後キレートの熱による分析法の開発に大きく寄与するものと思われる。例えば,本法によって得られる結果を金属キレートのガスクロマトグラフィーの基礎データとして使用する際,カラム温度はほぼ本法で得られる完全気化温度に設定すればよく,試料気化室の温度は,試料を速やかに気化するため更に数十度高い温度で操作すればよい.
  • 気相における金属の分析化学的研究(第14報)
    藤永 太一郎, 桑本 融, 中村 安雄, 松原 則男
    1980 年 29 巻 11 号 p. 799-801
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    For the purification of Be2+-, Al3+-, Sc3+-, V3+-, VO2+-, Cr3+-, Mn3+-, Fe3+-, Co3+-, Co2+-, Ni2+-, Zn2+-, Zr4+- and In3+-trifluoroacetylacetonates, a new sublimation method was investigated in the flow of helium containing the vapor of trifluoroacetylacetone under atmospheric pressure. An entrainer sublimator equipped with a ligand vapor generator was used. From the results of elemental analysis and the measurements of melting point, it was realized that the proposed method gave satisfactorily purified samples without any associated thermal decomposition.
  • 松尾 博, 熊丸 尚宏, 原 茂樹
    1980 年 29 巻 11 号 p. 801-804
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    A solvent extraction system with Zephiramine-thiocyanatopyridinenickel (II) -chloroform was investigated for the use of a pretreatment procedure in a graphite furnace atomic-absorption spectrometric determination of nickel. In contrast to cobalt (II), Zephiramine-thiocyanatonickel (II) could not be extracted into chloroform without pyridine in the aqueous phase. When the aqueous/organic phase volume ratio was 25 ml/5 ml, the best extraction of nickel was observed in the pH range of 5.111.8, provided that the concentrations of Zephiramine, potassium thiocyanate and pyridine were kept at 4.0×10-3 M, 5.0×10-2 M and 0.16 %, respectively. As for the measurement of atomic-absorption, the organic extract (20 μl) was injected into a graphite furnace and then dried (200°C-30 s), ashed (930°C-60 s) and atomized (2900°C-10 s) with an argon flow rate of 3 l/min. The linearity of the absorbance (232.0 nm nickel line) vs. the concentration of nickel was good up to 3 μg of nickel in the aqueous phase. The coefficient of variation obtained from 10 runs was 2.0 % for the determination of 3.0μg of nickel. Numerous cations and anions gave no interfering effect even when present in 1000-fold amounts (by weight) over nickel. This method was applied to the analysis of waste water from a plating factory.
  • 松田 十四夫, 伊藤 伸一, 永井 外代士
    1980 年 29 巻 11 号 p. 804-806
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    The amperometric titration of formaldehyde in alkaline solutions with diethylenetriamine (dien) was studied. The polarographic reduction current of formaldehyde diminished rapidly with addition of dien, and reached the equilibrium within a few minutes. The decrement of the limiting current was proportional to the concentration of dien added. At pH between 12.513.3, the end point was obtained within ±2.0 % error to the value calculated as 2:1 in molar ratio of HCHO to dien. The procedure is as follows: After 50 ml of a supporting electrolyte solution containing 0.1 M KCl and 0.1 M NaOH has been deoxygenated in the cell, 5.000 ml of a formaldehyde solution of an appropriate concentration was delivered by a microburet and deoxygenated. After each addition of titrant, the solution was mixed by passing nitrogen gas for 2 min, and then the current at a potential of -1.80 V vs. SCE was measured. A normal L-shaped titration curve was obtained. Formaldehyde solution {(0.10.05) M} could be determined within the relative error of ±2.0 % and within the relative standard deviation of 0.4 %.
  • 星野 仁, 四ツ柳 隆夫
    1980 年 29 巻 11 号 p. 807-808
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    Liquid chromatographic separation of 8-quinolinolatoaluminum (III) chelate was established by the reversed-phase partition system. In the presence of diethyldithiocarbamate (DDTC) as a masking agent, 8-quinolinolatoaluminum (III) chelate was selectively separated from other metal chelates on a Yanapak ODS column (4 mm×250 mm) using 72 wt % aqueous methanol containing 10-2 mol/kg of sodium acetate as a mobile phase at a flow rate of 1 cm3/min. Metal chelates in the aqueous sample solution were solubilized with nonionic surfactant of Triton X- 100 (0.56 wt %). Aluminum ion of (0.12.4)×10-5mol/kg level can be determined with the peak height calibration curve obtained at 370 nm using 0.04 absorbance unit full-scale. At least a 50-fold molar excess of iron did not interfere with the determination. DDTC chelates of cobalt (II), nickel (II), copper (II) and vanadium (V) were base-line resolved under the same chromatographic conditions.
  • 原口 謙策, 中川 孝一, 緒方 敏夫, 伊藤 三郎
    1980 年 29 巻 11 号 p. 809-810
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    This method of simultaneous determination of traces of Mn and Zn, based on the difference of the rate of ligand substitution reaction between 1-(2-thiazolylazo)-2-naphthol (TAN) chelates and EDTA, is simple and free of interferences from other metal ions and anions. The procedure is as follows; place a sample solution containing (0.042.5)μg of Mn and Zn in a 50 cm3 volumetric flask, add 20 mg of N-(dithio-carboxy)-glycine to mask Cd, Cu and Hg and 2 cm3 of 2.0×10-3 mol dm-3 TAN solution (10 % Triton X-100), adjust the pH to 8.9 with 5 cm3 of Kolthoff's buffer solution and then dilute to the mark with water. The reaction is initiated by mixing this solution with 2.0×10-3 mol dm-3 EDTA solution (0.4 % Triton X-100, pH 8.9) at 25 °C using a stopped-flow apparatus. The reaction is run ten times and the signals of these runs are accumulated to improve the S/N. From the resultant curve Mn and Zn are determined graphically. The method can be applied to the determination of Mn and Zn in tap water.
  • 野上 祐作, 藤村 満, 森井 博一, 橋本 芳一
    1980 年 29 巻 11 号 p. T85-T90
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    けい光X線分析法により,大気エアロゾル中の重金属成分を分析するための標準試料として,金属錯体のフィルターケーキを適用することを考え,その作製条件及び濾材について検討した.微量の鉄,マンガン,亜鉛,鉛,銅及びニッケルをコバルトのキャリヤーとともに,ジエチルジチオカルバミン酸(DDTC)錯体としてフィルター上に捕集した結果,各重金属成分の回収率は95%以上で,検量線の直線性も良好であった.本法による大気エアロゾル試料の分析値と原子吸光分析法による値とのクロスチェックを行った結果,大気エアロゾルを 47mmφ フィルター上に数mg (数百 μg/cm2) 程度, 薄膜状に捕集した状態では, マトリックス効果などの補正をしなくとも実用上十分な精度で定量できることが判明した.
  • 久我 和夫
    1980 年 29 巻 11 号 p. T90-T94
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    バナジウムをN-ベンゾイル-N-フェニルヒドロキシルアミン(BPA)キレートとし,これを溶媒抽出して黒鉛炉原子吸光法で定量する方法を検討した.有機溶媒抽出試料は黒鉛管へのしみ込みと,広がりによって測定値のばらつきが大きく低感度であったが,改良黒鉛管を作製し,パイロリティックグラファイト(P.G.)処理を行うことによって,感度及び精度を向上させることができた.P.G.処理は10%のメタンを含むアルゴンふん囲気において2200℃で3分間行い,バナジウムの試料溶液は,塩酸酸性(3~5)NにおけるBPA-トルエン抽出系を用いることによって好結果を得た.
    本法によるバナジウムの検出下限(S/N=2)は0.05ngであった.又,鉄鋼中のバナジウムの定量に適用し,満足する結果が得られた.
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