分析化学
Print ISSN : 0525-1931
16 巻, 11 号
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  • 吸光光度法によるフェロアロイ中のリンの迅速定量方法(第3報)
    嶋貫 孝
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1135-1140
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    試料を酸分解し,リンを酸化したのち1~1.2N酸性とし,バナジウムおよびモリブデンを加えてリンバナドモリブデン酸を生成させ,メチルイソブチルケトンで抽出し光度定量する方法を検討した.
    リンバナドモリブデン酸の生成条件および抽出条件を検討したのち実際試料としてフェロマンガン,シリコマンガン,フェロシリコンならびにフェロモリブデン中のリンの定量に応用し満足すべき結果を得た.
  • 吸光光度法によるフェロアロイ中のリンの迅速定量方法(第4報)
    嶋貫 孝
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1141-1145
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    リンバナドモリブデン酸-抽出吸光光度法を応用してフェロバナジウム中のリンをバナジウム共存のまま定量することを試みた.
    試料分解後バナジウムを酸化し,酸濃度を調整する.これにモリブデン酸アンモニウムを加えてリンバナドモリブデン酸を生成させ,メチルイソブチルケトンで抽出する.この際フェロバナジウム中に含まれているヒ素の影響を除去するために抽出前に有機酸あるいはチオ硫酸ナトリウムを添加するか,またはあらかじめヒ素を揮散除去することによって好結果が得られた.
  • 堀内 芳蔵, 西田 宏
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1146-1152
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    クロムアズロールS(以下,CASと略記)により,0.1~1.6ppmのガリウムおよび0.4~10ppmのインジウムを定量した.ガリウムは,塩酸,酢酸ナトリウム緩衝液で547mμに吸収極大を示し,pH4.2~4.4,CAS溶液0.4~1mlで,また,インジウムは,ヘキサミン緩衝液で555mμに吸収極大を示し,pH5.45~5.9,CAS溶液0.6~2mlで一定で最高の吸光度を示す.ガリウムはpHを調節してからCASを加え,インジウムはCASを加えてからpHを調節した.検量線から得た分子吸光係数は,ガリウム4.95×104,インジウム7.1×103である.ガリウム:CASは1:2,インジウム:CASは1:1および1:2のモル比の錯体を生成する.ガリウムの定量に対し,ベリリウム,アルミニウム,チタン,ジルコニウム,スズ(IV),モリブデン,インジウムの定量に対し,銅,鉄(III),ベリリウム,アルミニウム,ガリウム,チタン,ジルコニウム,モリブデンが妨害する.
  • 大西 一義
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1152-1155
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ナトリウムイオン濃度計の適用条件を検討し,二,三の化合物中のナトリウムを定量した.sodium-glass electrode(以下,ガラス電極と略記)のナトリウムイオン濃度に対する応答は,被検溶液の酸性度がpH約5.5以下では著しい高値を指示し,また約8以上では低値を指示する.最適pH範囲(6.3~7.3)に調節するためにアンモニアを用いるとpNa(-log[Na+])は一般に高値を示し,かつガラス電極のpNa指示が揺動するが,トリエタノールアミンを用いて調節すると理論値に近似し揺動もほとんどみられない.実際試料(粗製メタチタン酸ナトリウムの場合)の定量結果は変動率6.7%で相対誤差の正誤差,負誤差の最大値はそれぞれ+10.4%,-4.2%であった.
  • 製鋼原材料分析法の研究(第6報)
    梶山 緑郎, 渡辺 正雄, 山口 勝正
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1156-1159
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ニオブはpH4.5の酒石酸アンモニウム溶液からオキシンにより定量的に沈殿し,タンタルと分離することができる.試料をピロ硫酸カリウムで融解し,加水分解法によりニオブ,タンタルを水酸化物として予備分離する.沈殿は水酸化カリウム溶液と過酸化水素水とに溶解し,煮沸して過酸化水素を分解後,酒石酸アンモニウムを加え,一定量に希釈する.適量(ニオブ20~30mg)を分取し,EDTA,酒石酸アンモニウムを加え,溶液のpHを4.5に調整し,オキシンを加えてニオブを沈殿させる.沈殿は塩酸に溶解し,常法により臭素滴定してニオブを定量するが,沈殿の組成はNbO(C9H6ON)3と推定され,臭素酸カリウム溶液(0.1N)1mlは0.7742mgのニオブに相当する.普通共存する不純物,すなわち,7.5%以下のアルミニウム,マンガン,スズ5%以下のチタン,タングステンは,いずれも妨害とはならない.
  • ガスクロマトグラフィーの応用研究(第2報)
    佐藤 克哉, 松居 正己, 池川 信夫
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1160-1165
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    前報においてトリグリセライドのガスクロマトグラフィーにおける分析条件の影響について報告を行なったが,本報においてはさらに他の分析条件について検討を行なった.
    固定相液体についてはJXR,OV-1,OV-17,Versamid 900などを検討したが,OV-17が耐熱性もよく,すぐれた分離を示すことがわかった.OV-17を使用することにより,従来は同一物と報告されていたバターとマーガリンのグリセライドの各成分は同一物ではないことがわかった.
    充てん剤の作製方法はエバポレーター法よりフィルター法がはるかにすぐれ,試料の損失も少なかった.
    固定相量については2~8%の範囲を検討した結果,固定相量が8%の場合,試料の損失が大きくなることがわかった.
    定量性についてはキャリヤーガス流量調節に質量流量制御弁を用いることにより,良好な結果を得た.
    上記の分析条件により,ラード,牛脂,鯨油などの動物性油脂,バター,マーガリン,チーズなどの食用油脂の直接分析を行なった.
  • 水蒸気をキャリヤーガスとした有機試料の吸着ガスクロマトグラフィー(第1報)
    野中 昭
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1166-1175
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    既報(速報)において本題についての大要を述べたが,この報文では,有機酸,多価アルコールを除いた比較的低分子の含酸素有機物試料について,アルコール類を中心として行なった実験結果を述べる.本実験は100℃以上の水蒸気をキャリヤーとし,吸着ガスクロマトグラフィーの方式で行なうのが特徴である.分離カラム用吸着剤には,耐火断熱れんが粉末をフッ化水素酸処理をして用い,理論段高さ0.4~0.25cmをえて,C1~C6のアルコールは完全に分離した.分離カラム温度は110~210℃で実験し,低温ではピークにテーリングはほとんどないが,高温ではこれがわずかに現われた.試料は,すべて0.01%以下の水溶液として用いたが,試料中の水分による分離の低下,分離カラムの劣化,水素炎イオン化検出器に及ぼす影響などはまったくみられない.操作中の試料の分解,消失なども認められず,微量分析も可能で,アルコール類の0.3ppm(重量)水溶液試料が,1μlの注入で分離・検出が行なわれた.試料の流出は同系統の分子では沸点順になるが,水蒸気をキャリヤーとすることによって吸着ガスクロマトグラフィーがテーリングも伴わないで容易に行なわれるこの機構については,まだ不明の点が多い.
  • 金属キレート陽イオンによる陰イオンの溶媒抽出吸光光度定量法(第25報)
    山本 勇麓, 坪内 正弘, 沖村 一三
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1176-1180
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    1,10-フェナントロリソ-鉄(II)キレート陽イオンは水溶液中に金のクロロ錯イオンが共存するとき,イオン対として有機相に抽出されることを見いだしたので,このような現象に基づく微量の金の吸光光度定量法の基礎的諸条件を検討した.その結果,pH2~6において抽出し,試薬ブランクを対照として516mμで吸光度を測定すれば,水溶液中の金(III)濃度が1.5×10-5~7.5×10-5Mの範囲でベール則が満足され,精度よく金を定量できることがわかった.なお抽出種の組成についても検討し,{[Fe(phen)3]2+・[AuCl4]2-}のようなイオン対として抽出されていることを明らかにした.
  • 金属キレート陽イオンによる陰イオンの溶媒抽出吸光光度定量法(第26報)
    山本 勇麓, 熊丸 尚宏, 林 康久, 山手 万知子
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1181-1188
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    著者らは無色の有機陰イオンを有色の金属キレートとともに有機溶媒に抽出して,有機相における金属キレートの吸収スペクトルを測定することによって,その陰イオンを定量する方法について系統的な研究を行なっている.本報はその一環として,1,10-フェナントロリン-鉄(II)キレート陽イオンを用いるペンタクロルフェノール(以下,PCPと略記)の定量法を検討したものである。1,10-フニナントロリン-鉄(II)キレートは微量のPCPとともにニトロベンゼンに抽出され,516mμに極大吸収を示す.pH6.5~12の範囲にわたり,一定最大の抽出が得られ,1,10-フェナントロリンー鉄(II)キレートがPCPの2倍モル以上の濃度であれば,この赤色錯体は定量的に抽出され,かつ水中のPCP濃度が10-6~10-5Mの範囲でベール則に従う.テトラクロルフェノール(以下,TeCPと略記)は数パーセント共存すると正誤差を与えるが,その他のクロルフニノール類は等モル共存してもほとんど妨害しない.またPCP中にTeCPが明らかに共存する場合を考慮して,PCPとTeCPの同時定量もあわせて検討し,良好な結果を得た。
  • 藤永 太一郎, 伊豆津 公佑, 沢本 博道
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1188-1192
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    さきに報告したオキシンおよびその誘導体を用いるテンサメトリー滴定の結果を,平衡式を用いて理論的に検討した.滴定反応の平衡式に基づき滴定曲線の一般式を導くとともに,2価の金属イオンについて三つの滴定曲線の型を示した.この際テンサメトリー波の感度限界を考慮して曲線の補正を行なった.なおこれらの理論曲線がそれぞれ実験による結果と一致することを示した.またテンサメトリー波に主として貢献する各誘導体の中性型(フェロンの場合は中性型と酸性型)の存在量を計算した結果として,滴定の可否を予測できることが明らかになった.
  • 穂積 啓一郎, 田村 英夫
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1193-1199
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    多成分系混合ガス中の1成分濃度を差動熱伝導度計で検出するとき,非検出成分の濃度変化にともなって熱伝導度計のブリッジ平衡が崩れると,応答信号はこの不平衡分の干渉を受けるようになる.この不平衡は検出器を構成するカサロメーター対が等しい感度でないとき現われるが,高い精度を必要とするときは単にカサロメーターの幾何学的構造やフィラメント特性をそろえるのみでは完全に等しい感度を期待することができない.ブリッジ回路にセル平衡可変抵抗を入れフィラメント電流を修正することでカサロメーター対の感度平衡をとることができるが,これに関する理論的な解析を試みるとともに,差動熱伝導度法を応用した炭水窒素自動分析計を例にとってセル平衡可変抵抗の平衡点設定に関する実際的方法を適用した.
  • 佐々木 与志実
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1199-1203
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    クペロンを滴定標準溶液,チロンを指示薬,クロロホルムを抽出溶媒とする鉄(III)の抽出滴定を行なった.滴定は,(1)pH3,(2)振り混ぜ後の静置時間各1分,(3)取り出し回数2~3回で行なえる.クペロン溶液は濃度既知の鉄(III)を同じ条件で抽出滴定し,その1mlあたりの鉄当量を求めた.この滴定で27μg/ml以上の鉄(III)が定量でき,また同時に除去できる.滴定条件のpH3と鉄(III)の滴定可能最低濃度は指示薬チロンの性質に基づく.本法を原塩,カリ肥料,塩酸,石灰石中の微量の鉄の定量に適用することを目的として,そのときに共存すると思われる他の金属イオンの影響を調べた.
  • 鎌田 仁, 岩田 幸一, 小鹿原 猪一
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1203-1209
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    アルゴン送気中のアーク融解を用いて金属中のガス成分を一酸化炭素,窒素,水素として抽出し,モレキュラーシーブ13Xを用いたガスクロマトグラフにより,一酸化炭素を窒素および水素から分離し,定量する簡便な金属中酸素分析装置を試作研究した.
    またデータ処理を迅速にし測定精度を上げるために簡単で精度のよいディジタル積分装置を試作し使用した.この積分装置は一安定マルチバイブレーター回路を使用したもので,入力電圧と計数率との直線性はよく,ずれは1%以下であった.
    一酸化炭素を用いて作成した検量線によって得られた鉄鋼中の酸素の定量値は真空融解法による値とよく一致した.分析所要時間は約4.5分であった.
  • 金属錯体中の金属のけい光X線分析(第1報)
    庄野 利之, 田中 稔, 新良 宏一郎
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1209-1212
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    銅錯体中の銅の定量を行なうためにポリ塩化ビニルフィルムあるいはポリエステルフィルム中に銅錯体を分散または溶解させ,けい光X線強度を測定する方法を検討した.標準試料として純粋なアセチルアセトン銅を分散させたフィルムを用いて検量線を作成し,検量線法により数種の銅キレートおよびキレートポリマー中の銅の定量を行ない満足できる結果が得られた。この方法は微粉化しうる銅錯体または可塑剤を含むポリ塩化ビニルフィルムに溶解する銅錯体およびキレートポリマーのように微粉化できないが,フィルム状に成形しうる試料中の銅の定量法として簡便な方法であることを認めた.
  • 内海 喩, 伊藤 舜介, 町田 弥, 磯崎 昭徳
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1213-1218
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    水の中のアルキルベンゼンスルホン酸(以下,ABSと略記)を迅速,簡易,正確に定量する方法を研究した.メチレンブルー・ABS錯体は1,2ジクロルエタン,1,1,2-トリクロルエタンロクロロホルムによく抽出され,この有機層の吸光度を吸収極大の波長で測定することによりABSを定量することができる.抽出溶媒の3者について比較検討した結果,感度は多少劣るが,有機層を酸性メチレンブルー溶液で1回洗浄すると妨害物質の除去が簡単にできるクロロホルム抽出法が河川水中などの微量ABSの定量法として適していると判断した.試水10mlを硫酸で酸性にし,メチレンブルー溶液を加え,クロロホルム10mlで1回抽出し,有機層を1回洗浄する簡単な操作が実用的であり,本法で0.1~4ppm ABSが迅速に定量できる.
  • キレート置換反応を用いるく形波ポーラログラフ法による微量金属の定量(第5報)
    萩原 一芳
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1219-1224
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    キレート置換反応を用いる金属のく形波ポーラログラフ定量法を検討する目的で,Cd-EDTAとクロム(III)の置換反応について検討した.Cd-EDTAから解離するカドミウムの量はpHの上昇につれて当然減少するが,pH4以上においてはその減少量はきわめてわずかであり,一方Cd-EDTAとクロムの置換反応はpH3~4においてほとんど定量的に進行することを認めた.したがってpH3~4においてまず置換反応を行なわせ,次にpH4以上において置換カドミウム量を測定することが望ましいと考えられた.また本置換反応の反応速度は温度の影響を受け,100℃において45分間以上加熱することによって反応が定量的に進行することを認めた.
    検量線はクロムの5×10-6~3×10-5Mの範囲で良好な直線性を示した.モリブデンが共存する場合はマンニットの添加により,また鉄,アルミニウムが共存する場合はアセチルアセトン-クロロホルム抽出法によりこれら元素の妨害を除くことができた.
  • 鈴木 孝範
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1224-1233
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    高炭素低合金鋼の発光分光分析においては,試料のや金履歴によって分析値に著しい影響がある.本研究はカントレコーダにより鉄鋼を分析する際に生じ,マトリックス効果といわれている鋼の金属組織と発光との関係を調査し,その影響を取り除くことを目的として実施した.得られた結果の概要を次に示す.
    (1)高炭素低合金鋼中のケイ素およびマンガンの定量において,化学分析と分光分析との間で生ずる大きな誤差は,急冷によって生ずる残留オーステナイトおよびマルテンサイトによるものである.しかし,その誤差の原因は試片を焼きもどすことによって取り除くことができる.
    (2)放電こんの調査によれば,高炭素低合金鋼の粒界に生ずる炭化物は選択的に放電する.それらは,炭化物形成元素であるマンガン,クロム,モリブデンなどのスペクトルライソの強度を増加し,これらの元素に高値を与える.しかしながら,それは熱処理によって解決することが可能である.
  • 浜口 博, 戸村 健児, 小沼 直樹, 樋口 英雄, 須田 和男
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1233-1238
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    ケイ酸塩岩石中に含まれる極微量のインジウムの信頼すべき定量値はきわめて少なく,インジウムの地球化学的挙動に関しては疑問点が多い.そこで分析試薬からの汚染がなく,インジウムの極微量分析に対してきわめて有効な手段である中性子放射化分析法を適用することを意図した.116mIn核種(半減期54m)を用いて,迅速かつ簡便なインジウムの放射化分析法を確立し,花こう岩,安山岩,輝緑岩,玄武岩,かんらん岩などの岩石試料に適用した.国際標準岩石試料G-1,W-1の定量値はそれぞれ0.025±0.002,0.055±0.004ppmInで,文献値とよく一致する。また岩石中のインジウム含有量は,酸性岩,超塩基性岩に少なく,塩基性岩に多い傾向が得られた.
  • フェロアロイのけい光X線分析法に関する研究(第1報)
    奥田 欽之助
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1239-1243
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    けい光X線分析に適したフェロアロイの粉砕法について研究した.鉄-マンガン,ケイ素-マンガン,鉄-クロム,ケイ素-クロムおよびカルシウム-ケイ素の各品種について200μに粉砕した試料を,さらにルーレット・ミルで炭酸ガスふんい気のもとで粉砕した.その結果,最適条件として炭酸ガス流量毎分2lのもとで,試料重量30~40g,粉砕時間30秒が得られた.この条件のもとで,粉砕後の試料粒度は4~8μでほぼ一定であった.化学成分は大部分の品種では変化しなかったが,一部の品種では,マンガン,クロム,カルシウム,ケイ素の各成分で約0.5%の減少がみられた.この成分減少を防ぐため,真空下でルーレヅト・ミルの粉砕を行なったが炭酸ガスふんい気下の結果とほとんど変わらなかった.真空下の実験は,手順が複雑であるので今後は炭酸ガスふんい気下の粉砕を採用していくことにした.
  • 舟阪 渡, 藤村 一美, 花井 俊彦
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1244-1248
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    セルロースイオン交換体を固定相とする糖ならびに糖リン酸混合物のクロマトグラフ分離法について検討を行なった.その結果,ホウ酸形としたDEAEセルロースの250mm×13mmφのカラムを使用し,20℃において,ホウ酸ナトリウム水溶液,ホウ酸ナトリウム-塩化アンモニウム混合水溶液,塩化アンモニウム水溶液,塩化ナトリウム-塩酸混合水溶液を順次切り替えて使用する段階溶離法を適用すれば,fructose, glucose, glucose-1-phosphate, glucose-6-phosphate, fructose-6-phosphate, fructose1,6-diphosphate, AMP, ATPが良好に分離できた.
    糖ならびに糖リン酸がDEAEセルローに捕集された場合にはFreundlichの吸着等温式が適用できることが認められた.
  • 後藤 秀弘, 柿田 八千代, 一瀬 典夫
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1249-1251
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    A recommendable spectrophotometric method has been developed for the determination of traces of gallium and indium by the extraction of the oxinates with benzene. Gallium and indium are transferred to benzene layer as yellow oxinates, which are produced in an aqueous medium at pH 5 initially, and they are measured spectrophotometrically. The maximum absorption of the oxinate of both gallium and indium in the extract is found to be at around 400mμ. Using 1-cm cuvettes, the optimum concentration range for the accurate determination is found to be from 1 to 40μg for gallium and 2 to 70μg for indium per 10 ml of organic solvents respectively. The molar extinction coefficient is calculated to be 7.18×103 in the case of gallium oxinate and 7.00×103 in that of indium oxinate.
  • 山下 喜一, 石塚 芳久, 落合 昭吾, 才木 義夫, 新倉 治
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1251-1253
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    Recently, withering of trees due to the waste gas exhausted from the factories and automobiles gives public a serious problem. The authors examined a relationship between air pollution and sulfur contents in leaves in Yokohama and Kawasaki cities analytically. Consequently, it was found that sulfur contents in leaves were almost proportional to the degree of air pollution by sulfur dioxide. Sulfur contents in leaves at the air pollution zone, i.e. coastal industrial zone, were found to be 0.39% for chamaecyparis obtusa, 0.43% for cryptomeria japonica and 0.50% for chamaecyparis pisifera, and they were three times, four times and two times as much as that of non-air pollution zone, respectively.
  • 西岡 篤夫
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1254-1258
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 細川 巌
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1259-1265
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 南 哲雄
    1967 年 16 巻 11 号 p. 1276-1277
    発行日: 1967/11/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
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