クロムアズロールS(以下,CASと略記)により,0.1~1.6ppmのガリウムおよび0.4~10ppmのインジウムを定量した.ガリウムは,塩酸,酢酸ナトリウム緩衝液で547mμに吸収極大を示し,pH4.2~4.4,CAS溶液0.4~1m
lで,また,インジウムは,ヘキサミン緩衝液で555mμに吸収極大を示し,pH5.45~5.9,CAS溶液0.6~2m
lで一定で最高の吸光度を示す.ガリウムはpHを調節してからCASを加え,インジウムはCASを加えてからpHを調節した.検量線から得た分子吸光係数は,ガリウム4.95×10
4,インジウム7.1×10
3である.ガリウム:CASは1:2,インジウム:CASは1:1および1:2のモル比の錯体を生成する.ガリウムの定量に対し,ベリリウム,アルミニウム,チタン,ジルコニウム,スズ(IV),モリブデン,インジウムの定量に対し,銅,鉄(III),ベリリウム,アルミニウム,ガリウム,チタン,ジルコニウム,モリブデンが妨害する.
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