最近MillerおよびHunter,RushおよびYoe,等は陰イオン交換樹脂を使用し,アルミニウム等より亜鉛間分離を報告している.すなわち前者等はAmberlite IRA-400(RCl形)を使用し,塩酸々性溶液でAl,Mg,Cu,Co,Ni,Mn,Cr
3+,Fe
3+,Th
4+,Ti
4+,Zr
4+,V
5+,Be,Ca,より完全に,不完全ではあるがCd,Sn
4+,Sb
3+,Bi,Pb,等より亜鉛を分離出来るとし,後者等は,Dowex1を使用し,Co,Cu,Fe
3+,Ni,等より完全な分離が可能であるとしている.上記の報告よりすれば,アルミニウム合金より亜鉛を分離し,EDTA滴定で定量出来ると思われる.ただし,アルミニウム合金中間元素をCu,Si,Mg,Zn,Fe,Mn,Ni,Cu,Ti,Al稀にPbと考えれば,陰イオン交換樹脂により大部分が分離出来ると思われるが,Pb,Siは分離出来ず,且滴定をも妨害するから,その対策を必要とする.Siは脱水除去法が考えられるから現在のJIS法(硫化水素法,オキシン法)に比較して簡単にアルミニウム合金中の亜鉛が定量できると考え,実験をして,良好な結果を得たのでここに報告する.
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