ルシゲニンの化学発光反応に対する金属イオンの影響について詳細に検討し,マンガン及び銅イオンがルシゲニンとグルコースとの化学発光反応を選択的に強く抑制することを見いだした.この選択的な抑制効果を利用することにより,従来不適とされてきたルシゲニンの化学発光反応を用いたグルコースオキシダーゼ(GOD)の定量が可能となった.GODの検量域は2.5×10
-19~2.5×10
-13mol/assayであった.更に酵素免疫測定法への応用モデルとして,競合法による尿中エストロゲンの測定法と,サンドイッチ法による尿中人じゅう(絨)毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の測定法について検討した.エストロゲンの検量域は2.5×10
-12~5.0×10
-10g/assay,検体の同時再現性は平均6.8%,日差再現性は平均8.6%,添加回収率は平均99.4%,ラテックス近赤外比濁法(LPIA)との相関はγ=0.972であった.hCGの検量域は1.0×10
-5~1.5×10
-2IU/assay,検体の同時再現性は平均8.1%,日差再現性は平均9.2%,添加加回収率は平均96.1%,ラジオイムノアッセイとの相関は
r=0.975であった.
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