分析化学
Print ISSN : 0525-1931
9 巻, 8 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 瀬戸 寿太郎
    1960 年 9 巻 8 号 p. 669-671
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    木羽およびその共同研究者によって考案,発展した強リン酸-ヨウ素酸分解法をさらに簡便にして一般分析に応用できるように装置を改良し,±0.5%以内の精度を有する迅速定量法を考案した.本法により従来の強リン酸分解法より短時間で操作ができ,さらに一般分析に必要な連続操作が可能となった.
  • その分析化学への応用
    瀬戸 寿太郎
    1960 年 9 巻 8 号 p. 672-679
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    17種の高純度蛋白質性アミノ酸について旋光分散を測定し,その分析化学への応用について検討した.
    1.各アミノ酸について簡略Drudeの式[M]=A/(λ22c)±B/λ2を求め実測値と比較した.
    2.λ2~1/[M]曲線をつくり,チロシンを除くすべてのアミノ酸が直線となることを示した.また,これを利用してアミノ酸の純度検定のおこなえることを示唆した.
    3.アミノ酸の紫外部吸収スペクトルを測定し,その吸収極大値λmaxと旋光分散より求めたDrude式中のλc(固有振動の波長)の関係を検討した.
  • 安盛 善一, 江口 正
    1960 年 9 巻 8 号 p. 680-685
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    10M硫酸中において銅波と重なる波は,硫酸濃度が低くなるにしたがって銅波よりも陽電位に移動するので5M硫酸中では銅波の測定の妨害とならなくなるが,その波は塩化ナトリウム溶液を添加すると増大することから塩素イオン波であることを確認した。矩形波ポーラログラフ法による塩素イオン波は8~12Mの硫酸では硫酸濃度が高くなるほど減少する傾向にあった.また10M硫酸におけるその波高の温度係数は30℃において約0.6%であった.その検量曲線は直流加電圧のスカニングの速さが0.2V/minであると直線性が悪いが,0.1V/minであると直線性が改善される.10M硫酸中では塩素イオン波と銅波は重なるが,その加成性は完全には成立しない.
  • 旋光法による定量分析法の研究(第1報)
    小玉 数信, 椎尾 一
    1960 年 9 巻 8 号 p. 685-688
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    マンニット溶液の旋光度がホウ酸により変化することを利用して,ホウ素の定量分析を試みた.すなわち0~25mgのホウ素をホウ酸として含む溶液10mlにマンニット1.0gを溶かし,3時間後に水酸化ナトリウム2.0gを加え,冷却後旋光度を測定する.マンニットのみの旋光度との差はホウ素の量に比例し,液長10cmあたりの旋光角0.01°の変化は,ホウ素の量約0.1mgの変化に相当する.
    旋光度差は溶液のpH増加とともにふえる.また他種元素による妨害作用については,1価イオンではほとんど無いが,2価以上のイオンでは作用をうける場合が多い.とくにケイ酸,アルミニウム,タングステン酸の各イオンの影響は大きい.ゆえにケイ素が多量共存している時は蒸留などによる分離が必要である.
    旋光度測定を無機分析に応用したことは最初の試みで,妨害元素のない時は,はなはだ簡単な定量法である.この方法は一方には種々の多価アルコール,糖類,またはオキシカルボン酸を,他方にはホウ酸,タングステン酸,モリブデン酸,ゲルマニウム酸,テルル酸,ウラン酸などの組合わせで,今後大いに発展される可能性があると思う.
  • 金属ウラン中の微量不純物の定量(第10報)
    吉森 孝良, 武内 次夫
    1960 年 9 巻 8 号 p. 689-692
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    金属ウラン中の微量モリブデンの定量方法として,次のような簡単な方法を考案した.すなわち,試料を塩酸と過酸化水素水とで分解後,酢酸ブチルをもちいてモリブデンを有機溶媒層に抽出する.この溶媒層を塩酸で洗浄後,うすい塩酸,チオシアン酸アンモニウム溶液,塩化第一スズ溶液,および過塩素酸溶液を,ふりまぜながら順次加えてゆき,モリブデンを溶媒層中で発色させる。この溶媒層の着色を光電比色計で測定して,モリブデンを定量した.この方法で,実際の金属ウランおよび酸化ウラン中のモリブデンを定量し,満足な結果をえた.
  • 金属ウラン中の微量不純物の定量(第1報)
    石井 大道
    1960 年 9 巻 8 号 p. 693-697
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    核燃料用金属ウラン中に微量不純物として含まれる鉄の定量方法として1,10-フェナントロリンによる吸光光度定量について研究した.この方法によるときの共存ウランの影響について検討し,ウラン共存のまま定量する方法および鉄を分離したのち定量する2方法について定量操作を定めた.試料を塩酸および過酸化水素で分解後,塩酸ヒドロキシルアミンで鉄を還元し,酢酸および酢酸アンモニウムの存在下で1,10-フェナントロリンで発色させると金属ウラン中10~300ppmの鉄がウラン共存のまま定量可能である.ウランから微量の鉄の分離方法として,鉄をチオ硫酸ナトリウムで2価に還元した状態で塩酸溶液よりTBPによってウランを抽出除去後,鉄を過酸化水素で3価に酸化して鉄をTBP抽出する方法について55+59Feを用いて研究しこの方法が良好であることがわかった.この分離法を併用することによって金属ウラン中2~60ppmの鉄の定量が可能となった.
  • 金属ウラン中の微量不純物の定量(第2報)
    石井 大道
    1960 年 9 巻 8 号 p. 698-700
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    核燃料用金属ウラン中に微量不純物として含まれるマンガンの定量方法として過マンガン酸法による吸光光度定量を研究した.試料を塩酸で分解し,硝酸を加えて蒸発して塩酸を除去したのち,硝酸濃度4~6N溶液よりTBPの四塩化炭素溶液を用いてウランを抽出除去し,硫酸を加えて加熱し白煙発生後,水,硝酸銀,過硫酸アンモニウムを加えて煮沸し過マンガン酸に酸化する.525mμにおける吸光度を測定してマンガンを定量する.
    本法により,試料2gを用いて,発色後の液量を10mlとしたとき,試料中の2ppm以上のマンガンを定量することが可能である.
  • ベンゼン抽出分離法によるヒ素の分析化学的研究(第2報)
    田中 克
    1960 年 9 巻 8 号 p. 700-704
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    銑鉄および炭素鋼試料を硝酸に溶解,過塩素酸を加え加熱して硝酸を除去する.塩化チタン(III)と濃塩酸の1:1混液で分液ロートに洗い移してから約0.5Mになるようにヨウ化カリウムまたはヨウ化水素酸を添加し,ヒ素をヨウ化物としてベンゼンで抽出する.つぎにこれを水で逆抽出して臭素水で酸化しモリブデン青法によって光度定量する.
    本法では1回の操作でほとんど全部のヒ素がベンゼンに抽出され,モリブデン青発色の妨害となるリン,ケイ素,塩類などから完全に分離される.0.5gの試料で10-2~10-3%のヒ素が精度よく所要時間1時間半で定量できる.
  • 1960 年 9 巻 8 号 p. 704
    発行日: 1960年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 中村 武次郎
    1960 年 9 巻 8 号 p. 705-706
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    Conwayらは体液中のエタノールの定量に微量拡散法による滴定法を用いたが,著者は食品にこれを改良適用し比色法が滴定法より能率もよく実用的であることを認めた.
    原理:検液中のエタノールを重クロム酸カリウム酸性溶液中に拡散回収すればエタノールは定量的に酢酸まで酸化される.定量的に残った過剰の重クロム酸を,滴定法ではヨードメトリーにより,比色法ではそのまま光電比色計を用いて測定する.
  • 19600113
    松尾 力, 菅原 昌宏
    1960 年 9 巻 8 号 p. 706-707
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 正巳, 武内 次夫
    1960 年 9 巻 8 号 p. 708-709
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    さきにジメチルグリオキシム錯化合物のクロロホルム抽出液の近紫外部吸収を測定する金属ウラン中の微量ニッケルの定量方法を報告したが,その際ジンチルグリオキシムはアルコール溶液を使用した.その後,著者らはジメチルグリオキシムナトリウム塩を入手したので,これを使用してジメチルグリオキシムアルコール溶液との比較研究をおこない,アルコールが錯化合物の生成ならびにその抽出におよぼす影響を知ることができた.また著者らが前回発表した方法では銅がニッケルと同量以上に共存すると正の誤差を生じたが,ジメチルグリオキシムナトリウム塩溶液を用いると銅の影響が軽減され,さらに多量の銅が共存する場合にも,その妨害を除去する方法を見出すことができた.以下にこれらの結果を報告する.ニッケルジメチルグリオキシム錯化合物の近紫外部吸収を利用する方法についての報告は若干はあるが,いずれもジメチルグリオキシムアルコール溶液が用いられ,ジメチルグリオキシムナトリウム塩溶液を用いた報告は見当らないようである.
  • 垣花 秀武, 村瀬 武男
    1960 年 9 巻 8 号 p. 719-724
    発行日: 1960/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
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