著者らが開発した方法を中心として,各種生体成分の蛍光分析法に関する総説を試みた.主な内容は下記のとおりである.
1. 硫黄化合物:インドフェノールブルーによる亜硫酸水素イオン及びBunte塩の蛍光定量,ポストカラム亜硫酸分解とオルトフタルアルデヒド(OPA)-タウリン試薬を用いるチオールとジスルフィドの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による同時蛍光定量.
2. α-オキソメチレン化合物(R-CH
2-CO-R'):
N1-メチルニコチンアミドクロリド(NMN)による各種α-オキソメチレン類の蛍光定量,NMNをプレカラム試薬とするα-オキソメチレンのHPLC蛍光定量,NMNをポストカラム試薬とする環状ケトン,フェノン,α-ケト酸のHPLC蛍光定量.
3. トリプトファン及び3-置換インドール化合物:過塩素酸スプレー試薬による3-置換インドール類の薄層クロマトグラフィー(TLC)による蛍光検出,過塩素酸による生体内インドールの蛍光定量,過塩素酸をポストカラム試薬とする生体内5-ヒドロキシ及び5-メトキシインドール類のHPLC蛍光定量,蛍光性Koshland試薬のタンパク質化学への応用.
4. アミノ化合物:OPA-チオール試薬をポストカラム試薬に用いる脳内第一アミノ基化合物の蛍光定量,ポストカラム次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)分解/OPA-チオール法による第二アミンのHPLC蛍光定量,フルオレサミン(FLA)による第一アミノ基化合物のTLC蛍光検出,FLAとメンブランフィルターを用いるタンパク質の蛍光定量,FLAと強酸を用いるインドールアミン,イミダゾールアミン,カテコールアミンの特異的蛍光分析,FLAによる第二アミンの蛍光分析,2-メトキシ-2,4-ジフェニル-3(2
H)-フラノン(MDPE)による第二アミンの蛍光定量,MDPFをプレカラム試薬とする第一アミンと第二アミンのHPLCによる同時蛍光定量.
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