分析化学
Print ISSN : 0525-1931
9 巻, 4 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
  • 有機試薬を用いる化学分析の研究(第4報)
    真島 美智雄
    1960 年9 巻4 号 p. 269-271
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ο-アミノベンツアルデヒドエチレンジイミンはニッケルとpH9.6以上のアルカリ性で定量的に赤色の沈殿を生成し,これはベンゼンに可溶で水層から抽出できる.これを利用してニッケルの比色分析を試みた.ベンゼン溶液の極大吸収は486mμ,この波長を用いた検量線はベールの法則にしたがう.酒石酸の共存する水酸化ナトリウムアルカリ性では多量の鉄の妨害をうけずにニッケルを定量できる.
  • 有機試薬を用いる化学分析の研究(第5報)
    真島 美智雄
    1960 年9 巻4 号 p. 272-275
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    鉄鋼中の銅およびニッケルの分析に使用した.その結果銅はアンモニウム塩の多量に存在しないアンモニアアルカリ性溶液または酒石酸の共存する水酸化ナトリウムアルカリ性溶液より試薬のベンゼン溶液で抽出して定量できる.ニッケルの共存は補正できる.ニッケルは酒石酸の共存する水酸化ナトリウムアルカリ性溶液より試薬のアルコール溶液で一度沈殿を生成せしめ,その沈殿をベンゼンで抽出して定量できる.銅の共存は補正できる.また鉄の共存する時の銅の重量分析を試み,酒石酸の共存する水酸化ナトリウムアルカリ性で沈殿させ,強熱して酸化物として定量できた.
  • 井樋田 睦
    1960 年9 巻4 号 p. 276-281
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    鋼中の微量アルミニウムをリトロー型水晶分光写真機を用い,交流断続弧光法によって正確に定量するために,弧光電流,電極間隙,露光時間および断続比の影響を検討し,最適条件を求めた。これらの要因のうち分析にもっとも影響のあるのは弧光電流で,ついで電極間隙,露光時間の順序で,断続比の影響は認められなかった.
    つぎに分析線について検討し,他元素との同時定量のためには3092.71Åまたは3082.16Åが便利なこともあるが,0.01%以下の微量域においては,3961.53Åを用いる方が感度および精度も優れていることを明らかにした.
  • 高本 進
    1960 年9 巻4 号 p. 281-284
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    ナトリウムをアンチモン酸塩として沈殿させる際に,他の多くの金属イオンが妨害するので,これらをEDTAとdihydroxyethylgyycineとの混合溶液を用いて遮蔽し,ナトリウムの簡単な定性分析法を試みた.pH11において遮蔽できる金属は:銅,ニッケル,コバルト,鉄(II),鉄(III),水銀(II),マンガン,鉛,スズ(II),アルミニウム,カドミウム,亜鉛,バリウム,ストロンチウム,カルシウム,マグネシウム,リチウムで,もし鉄(III),水銀(II),マンガン,マグネシウムがなければ,さらにpHを上げてスズ(IV),クロム(III)も遮蔽可能となる.ナトリウムの検出限界は通常0.3mg/mlで,遊離の遮蔽剤やカリウム塩,アンモニウム塩の大過剰はナトリウムの沈殿の過飽和を助長して鋭敏度を低下させる.
  • 若松 茂雄
    1960 年9 巻4 号 p. 284-288
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    バナジウム(V)は過硫酸アンモニウムの共存するpH3.0~4.0の溶液においてα-ピリジル-β-アゾナフトールと作用して,560mμの波長に吸収極大をもつ安定性のある呈色を示す.この波長における吸光度はベールの法則にしたがい,これによってバナジウムの吸光光度定量が可能である.しかも,感度は鋭敏であるから微量のバナジウムの定量に適している.これを鉄鋼中のバナジウムの定量に利用した.本法では鉄,銅,ニッケル,クロム,コバルト,ビスマス,ウラン,インジウムなどが妨害となる.しかし,鉄鋼中のバナジウムの定量に応用する場合,バナジウムと共存する可能性のある妨害成分は,すべて磁気水銀陰極電解法によって容易に除去できるから障害とならない.
  • ジチゾン誘導体の合成とその分析化学的研究(第3報)
    武井 信典
    1960 年9 巻4 号 p. 288-294
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    題記試薬をBamberger法により合成し,その四塩化炭素溶液を用い,基礎的性質を検討した.試薬溶液の吸収スペクトルはエノル型によるといわれる450mμ付近の吸収を示さず,また,ケト型によるといわれる620mμ付近の吸収がいちじるしく長波長側に移行している.金属錯塩溶液の極大吸収波長はジチゾン錯塩溶液のそれに比しいずれも長波長側にある.ただし,Ag+,Cd2+錯塩は四塩化炭素に不溶性である.試薬,Hg2+錯塩,Cu2+錯塩溶液の各極大吸収波長における分子吸光係数としてそれぞれ,49.3×103,51.5×103,66.3×103を,また,Hg2+,Cu2+錯塩の抽出係数としてそれぞれ22.14,8.31を得た.本試薬はAg+,Hg2+,Cu2+に対する反応選択性が高く,それぞれの分析試薬として用い得ると考えられる.
  • ジチゾン誘導体の合成とその分析化学的研究(第4報)
    武井 信典
    1960 年9 巻4 号 p. 294-298
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ジ-(α-ナフチル)チオカルバゾンがHg2+,Cu2+に対し高い反応選択性を有する点を利用し,本試薬が微量のHg2+,Cu2+の分析試薬として用い得るかいなかを検討した.Hg2+定量用としては多量の塩素イオンの共存の影響を受けず,またCu2+その他の金属イオンの妨害の除去はきわめて容易であり,ジチゾンより優れた試薬として用い得る.Cu2+定量用としてはエノル型錯塩を生じにくく,感度が高く,妨害イオンが少なく,ジチゾン同様に優れた試薬として用い得ることを認めた.ただし,多量の金属塩が共存するときはCu2+の抽出率は低下し,その程度は金属イオンおよび塩の種類により異なる.
  • 金属ウラン中の微量不純物の定量(第5報)
    斎藤 謙, 石井 大道, 武内 次夫
    1960 年9 巻4 号 p. 299-305
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ジチゾン-四塩化炭素溶液を用い,核燃料用金属ウラン中の2~0.05ppm程度の微量カドミウムの吸光光度定量法を研究した.試料中に含まれる銅は試料液のpH1~2の処でジチゾン抽出により除き,つぎにニッケルはジメチルグリオキシム-クロロホルム抽出により除く.つぎにヒドロキシルアミンにより還元し多量のアンモニア水を加えてジチゾン-四塩化炭素溶液でカドミウムを抽出して共存するウラン,鉄を水層に残して分離する.つづいて水酸化ナトリウム溶液で四塩化炭素層を洗浄して鉛,亜鉛などを除き,さらに希塩酸溶液によってカドミウムを逆抽出し,ジチゾンの酸化生成物を四塩化炭素層に残して除去する.このようにして他の元素から分離したカドミウムは約1規定の水酸化ナトリウム溶液からジチゾン-四塩化炭素溶液により抽出し,520mμの吸光度を測って定量する.さらに115mCdを用いて全操作にわたってカドミウムの抽出率について検討をおこなった.
  • 水銀の酸化について
    粟屋 裕
    1960 年9 巻4 号 p. 305-309
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    微量の水銀の定量にはジチゾン抽出分析がもっともすぐれた方法と考えられるが,ジチゾン抽出するためには,水銀が完全にHg2+の形でなければならない.そこで水溶液中の水銀を酸化するための研究をおこなった.
    水銀法電解ソーダ工業における水銀の分析には,試料に濃塩酸-塩素酸カリウムを加えて酸化すれば十分である.酸化された試料溶液はpH4.6~5.2に調節して,EDTAを添加することにより,多量の塩化物,重金属をマスクし,さらに塩酸ヒドロキシルアミンを加え,過剰の酸化剤を分解し,ジチゾン-四塩化炭素をもって,水銀を抽出分析する.
  • 長沢 佳熊, 樫田 義彦, 城戸 靖雅
    1960 年9 巻4 号 p. 310-316
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    昭和33年10月,太平洋海域で漁獲した汚染度のいちじるしいマグロ類肝臓を入手したので,これらのうちの4検体についてTomskinsのイオン交換樹脂法および沈殿法によつて放射性核種を分離し,半減期,吸収およびエネルギーの測定によって59Fe,65Zn,115mCdおよび90Sr+90Yを確認し,さらにそれぞれを定量した.
    65Znならびに59Feは,55Feとともにビキニ海域で漁獲された魚類からすでに検出されている.また113Cd,113mCdおよび115mCd9がマグロ類から定性的に検出されているが,今回は115mCdのみを確認し,定量をおこなった.
    65Znおよび59Feは明らかに誘導放射性核種であり,また115mCdはfission product中の生成率はきわめて少ないと考えられるにもかかわらず,これらが汚染の主要原因となっていることは興味深い.
    今回分析に供した以外の生肝臓数検体についてγ線スペクトルを測定した結果,65Znおよび59Feはいずれの検体についても共通に認められたが,さらに未確認ではあるが54Mnと思われるピークを認めた.
  • 野崎 亨, 真鍋 完
    1960 年9 巻4 号 p. 316-319
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    陽イオン交換樹脂を用いてリチウム,ナトリウムおよびカリウムを分別溶離し,それらのフラクションを蒸発乾固したのち,対イオンの塩素イオンを比色する簡易な間接比色を試みた.ナトリウムでは30γ以上が10%以内の誤差で,カリウムでは時には大きな誤差が出たが,30γ以上,リチウムでは20γ付近以上が定量できた.本法を天然水中のナトリウムおよびカリウムの定量に応用して,炎光光度法による結果と大体一致した.
  • 金属有機錯化合物の分析化学的研究(第9報)
    菅野 卓治
    1960 年9 巻4 号 p. 319-324
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ケルセチンスルホン酸を用いて微量のトリウムの比色定量をおこなった.試薬濃度を4.8×10-4M以上としpHを5.0~5.5とすれば一定の吸光度をあたえ1~7γ/mlのトリウムが定量できる.この条件で生成するキレートは約438mμに吸収極大点を有する.435~460mμにおいて検量線は少なくとも6.76γTh/mlまでよくベールの法則にしたがい,435mμにおける分子吸光係数として33,100を得た.トリウム-ケルセチンスルホン酸キレートには2種類存在することが認められ,それぞれ約412mμおよび438mμに吸収極大点を有する.連続変化法によりこれらキレートの組成を求め,約412mμに吸収極大点を有するキレートの組成は,Th/R=1/1で,約438mμに吸収極大点を有するキレートの組成はTh/R=1/2であることを知った.
  • 仁木 栄次, 正藤 和男
    1960 年9 巻4 号 p. 324-328
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    チタンカーバイドおよびそのサーメット中の炭素を,試料の燃焼によって生成した炭酸ガスを液体窒素によって冷却凝縮して捕捉する方法を用いて分析した.ふたたび気化させたときの炭酸ガス量の測定は,微量の場合には一定容積の圧力を測定し,やや多量の場合には大気圧下の容積を測定した.
    遊離炭素と結合炭素との分離は,試料中の結合炭素が硫硝酸に容易に溶解することを見出したため,これを検討した.この方法(以下硫硝酸法という)はフッ硝酸によつて試料を処理する方法(以下単にフッ硝酸法という)に比して,使用上はるかに便利で容易であった.
    不溶解の遊離炭素のロ別にはガラス綿を用いたが,操作上および空試験の数値において,アスベストを用いる場合よりもよかった.
  • 小田 仲彬, 久保 正二, 山岸 忠彦
    1960 年9 巻4 号 p. 329-333
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    四塩化チタン中の全炭素,全水素の分析法につき,まず炭素に対する湿式酸化法の適用困難を認め,乾式法による炭素,水素の同時定量法を研究した.その主なる問題点は(1)試料採取法,(2)酸化チタンによる酸化系の閉塞など,(3)塩素除去,(4)低沸点物質の逸散などである.研究の結果(1)と(4)は既報の酸素分析の装置や対策が適用でき,(2)は反応管に石英スパイラルを挿入し,1100~1200℃にすることによりさけられる.(3)は銀網では吸収能が悪く不適であるが銀線は実用に適する.
    本法は四塩化チタン中の各種不純化合物に由来する全炭素,全水素の分析に適し,分析の正確度や精度はいずれも良好,定量下限は炭素,水素ともに0.001%.
  • ケイ酸塩の定量分光分析法に関する研究(第9報)
    松本 忠恕
    1960 年9 巻4 号 p. 334-339
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    ケイ酸塩のガラスの定量上の問題として熱処理にともなう輝線強度の変化を追求し,種々異なった温度域で熱処理をおこなうことにより輝線強度,分析線対比,限定線対比に変化があることを確認した.本報において用いた試料は板ガラス,ホウケイ酸ガラス,高ケイ酸ガラスである.
    本実験の主要点を要約すると,
    (1)板ガラス組成の急冷試料,徐冷試料について検討した結果,network modiferであるNa+は熱処理の影響を受けることを認めた.
    (2)ホウ酸ソーダガラスについて急冷(1000℃),550℃6時間,650℃6時間の熱処理を施して検討した結果,network former(Si4+,B3+)およびnetwork modifier(Na+)ともに熱処理の影響を受けることを認めた.
    (3)porousガラス,shrunkガラスについて影響をしらべたところ,porousガラスのようにSi-O結合が緩んでいると想像するならば気化されやすいと考えられるが,むしろ本実験結果では気化,励起されにくいのは多孔質構造にもとづくものであろう.しかし直流弧光によるとこれらの熱履歴の差にもとづく輝線強度の変化は認めめられなかった.
  • 横須賀 繁, 森川 文樹
    1960 年9 巻4 号 p. 340-344
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    金属コバルト中の純分を電解分析によって定量する方法を検討した.電解液としてピロリン酸ナトリウム-マンモニア溶液または炭酸アンモニウムアンモニア溶液を用いればコバルトの酸化物の析出にもとづく過大の誤差が生じることなく0.01%程度の誤差で定量が可能である.
    電流密度は0.25amp/dm2,電解温度は45~60℃,電解時間は約20時間,試料秤取量は1gにするを要する.電流密度が高くなったり,電解温度が低くなると,異常析出がおこり電着物が黒色となる.
  • 分析試薬としての2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシフェニルアゾ)-4-メチルチアゾールの研究(第5報)
    柳原 正, 俣野 宣久, 川瀬 晃
    1960 年9 巻4 号 p. 344-348
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシフェニルアゾ)-4-メチルチアゾールは第一鉄イオンと反応し,水に難溶性の菫色キレート化合物を生成する.これはイソアミルアルコール,ベンゼン,クロロホルムなどの有機溶媒に可溶でそれらの溶液は菫色を呈する.イソアミルアルコール溶液は777,559,391mμに極大吸収を有し,777mμにおける吸収は吸光光度定量に都合がよい.
    鉄キレート化合物はpH5.5~7.0では安定でイソアミルアルコールに抽出され一定の吸光度を示す.その感度は0.004γ/cm2である.試薬・第一鉄系のpH6.5におけるイソアルミアルコール抽出液の吸収曲線は513mμ付近で1点に集まり,この条件ではただ1種のキレート化合物が生成していると考えられる.このキレート化合物は鉄と試薬が1:2の割合で結合していることが連続変化法,傾斜比法により明らかである.
    銅,ニッケル,コバルトの妨害は大きく,リン酸も妨害するが,酒石酸は妨害しない.
  • 赤外線吸収スペクトル分析の医薬品試験における応用(第8報)
    大場 琢磨
    1960 年9 巻4 号 p. 348-351
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    噴霧殺虫剤を噴射させたときの気体成分と殺虫成分とを適当な方法で完全に分離捕集し,赤外線吸収スペクトル法を応用して,両成分の定性分析を試みた.従来この製品の分析はきわめて複雑でそのうちの一成分のみでも非常に大きな時間と労力が必要とされるが,赤外法ではなんらの分離,抽出などの手段を必要とせず,かつわずかの試料で迅速簡単に確認できた.すなわち,気体成分(噴射剤)は長さ10cmのガスセルに入れて測定し,また殺虫増強剤は岩塩板のあいだに厚さ約0.03mmの鉛板とともに挾んで測定し,各標準物質の赤外線吸収スペクトルと比較して含有成分の定性をおこなった.最後に市販品11種についても同様の試験をおこなった結果,そのうち4種は表示と異なっていた.
  • 有機分析(第21報)
    百瀬 勉, 上田 陽, 向井 良子
    1960 年9 巻4 号 p. 352-354
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ナトリウムアミドはほとんどすべての種類の有機化合物および無機化合物中の炭素と反応してシアン化ナトリウムを生ずる.したがってシアンイオンをベルリン青として検出し,微量の炭素の検出が可能である.
    この検出法を確実におこなうためには検体にナトリウムアミドのほかに塩化ナトリウムと亜鉛末を添加して加熱する必要がある.これら添加物によりシアン化ナトリウムが加熱により分解し,また炭素が炭酸ガスとして逃出することが防げる.この方法による確認限度は炭素として35~75γであった.
    この検出法における障害物を検討した結果,イオウを含む化合物は50倍まで,他の多くの化合物は数百倍まで共存しても障害しなかった.
  • 金属ウラン中の微量ホウ素の比色定量法
    吉森 孝良, 武内 次夫
    1960 年9 巻4 号 p. 354-359
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    クルクミンによる微量ホウ素の比色定量法として,従来発表された各種の発色方法を比較検討した。1γ以下のホウ素の定量法としてLukeが提案した方法は,さらにくわしく検討した結果,アルカリ塩と水の影響がはなはだ大きいことがわかった.またSilvermanらの方法においては,ホウ素量1γ以下の場合についてあまり検討されていないようであったので,このような場合に適するように二,三の点を改良した.またこの他の方法では結果は思わしくなかった.これらの結果を金属ウラン中のホウ素の定量に応用した.すなわち金属ウランを陽イオン交換樹脂で除き,通過液中のホウ素を比色定量してSilvermanらの方法の改良法によってほぼ満足な結果を得た.
  • 有機分析(第22報)
    百瀬 勉, 上田 陽, 向井 良子
    1960 年9 巻4 号 p. 360
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    著者らは前報でナトリウムアミド溶融法により有機物または無機物中の炭素を検出する方法につき報告した.本法は有機物または無機物中のハロゲンおよびイオウの検出にも応用できることを知ったのでここに報告する.その方法は試料をナトリウムアミドと混和して加熱溶融し,蒸留水を加えて温めてロ過し,ロ液について各種ハロゲンおよびイオウの定性試験をおこなうのである.ナトリウムアミドは従来この目的に用いられているナトリウムよりも危険性が少なく,取扱いやすい利点があるが,炭素を含む試料では前報のように同時にシアン化物を生成することに注意しなければならない.
  • 医薬品分析におけるイオン交換樹脂の応用(第5報)
    渡辺 兵蔵
    1960 年9 巻4 号 p. 360a-363
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 相場 克巳, 谷 武雄
    1960 年9 巻4 号 p. 363-365
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    バナジウムの吸光光度法にジフェニルアミン飽和溶液が使用されているが,同一濃度の溶液が得られないため調製するたびに測定値にバラツキを生ずる.その溶解度は0℃で0.003,85℃で0.032で室温および冷却水の温度により大きな差を生ずる.一定濃度の水溶液を得るためおよび鉄の妨害を少なくするため,酸化還元電位の高いジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを使用する方法が報告されているが,国産の試薬になお一抹の不安が残っているため,著者らは希エチルアルコール溶液とすることにより同一濃度の呈色の安全度も勝れているジフェニルアミン溶液を調製した.
  • 石沢 敬子
    1960 年9 巻4 号 p. 366-373
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 島尾 和男
    1960 年9 巻4 号 p. 374-380
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
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