日本植物病理学会報
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26 巻 , 1 号
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  • 達山 和紀
    1961 年 26 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1961/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    滬紙電気泳動法によつて罹病植物のたんぱく構成またはその変化などを追求する場合, 共存する植物病原菌菌体に含まれるたんぱくを無視できない場合もあると考えられるので, P. oryzae など8種類の植物病原菌の泳動たんぱくについて二, 三の実験を行なつた。
    P. oryzae, C. miyabeanus などの菌糸原形質のたんぱくは原点部を含む少なくとも三つの泳動分劃から構成されているが, C. sasakii, S. bambusicola では四つの分劃がみとめられた。
    P. oryzae など3種の菌では, それぞれ菌系統の間に泳動図の質的な差はみとめられない。
    P. oryzae 菌糸の泳動たんぱくは培養が古くなるにしたがつて減少し, 6週間以後は全く消失する。
    10-4モルの重金属溶液 (硫酸銅または昇汞) に20時間接触させた P. oryzae 菌糸の泳動たんぱくは変性を受けて, その泳動図が変化する。
  • 河村 貞之助, 平野 和弥
    1961 年 26 巻 1 号 p. 7-15
    発行日: 1961/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) ツクネイモ (Dioscorea batatas) とキタネコブセンチュウ (Meloidogyne hapla) との間に見られる生活干渉についてその動的推移を考察した。
    (2) 種いもの罹病部におけるキタネコブセンチュウの棲息様相は, その罹病程度によつて異なるが, 多くのものではいもの組織の広い範囲にわたつて各期の幼虫, 成虫, および卵塊が認められ, それらはいずれもそのままの状態で越冬したものと思われる。
    (3) 種いも中で越冬した線虫の組織内での発育はほとんど見られない。また組織内に分布する卵塊中の卵は, 種いも植付け後長い休眠状態を経て, いも組織の腐敗, 崩壊に伴つて随時徐々に孵化, 遊出し, 他への有力な感染源となる。
    (4) 生育初期の間に種いもから遊出した幼虫は, 新いも形成以前にすでに種いもから伸長した不定根あるいは頂芽基部附近から伸長した新根に感染し, 増殖して, 以後のいもに対する感染を助長する。
    (5) 新いもに対する感染は新いも形成後間もなく始まり, いもの肥大生育期間を通じて常に認あられる。新いもにおける幼虫の侵入部位については, いもの形態的特質に並行した一定の傾向は見られない。またいもの根瘤形成部には, 常に多くの侵入幼虫が認められ, 特異な棲息様相を示した。
  • 斎藤 康夫, 高梨 和雄, 岩田 吉人
    1961 年 26 巻 1 号 p. 16-18_1
    発行日: 1961/01/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1) コムギ縞萎縮病, ムギ類萎縮病の両ウイルスをクロロホルム処理, 分劃遠心法によつて純化した。
    2) 両ウイルスの形態を電子顕微鏡観察により比較した。その結果, 両者とも桿状粒子でWYMVは長さ120~180mμ(mode 150~160mμ)が最も多く, WGMVは長さ120~180mμ (mode 170mμ) が最も多い。幅は両者とも25mμで, 両ウイルス間に明らかな形態的差異を認めなかつた。
  • 見里 朝正, 石井 至, 浅川 勝, 沖本 陽一郎, 福永 一夫
    1961 年 26 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 1961/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Blasticidin Sはいもち病菌胞子および菌糸の glucose, pyruvate, succinate, glutamate を基質とした際の基質による呼吸増加率をそれぞれ静菌的濃度 (胞子では1μg/ml, 菌糸では0.1μg/ml) で阻害した。阻害率は胞子の場合前者を基質とした時, 約45%で, glutamate が基質の時, 約60%であり, 菌糸の場合も前3者では約60%, glutamate では80%以上になり, glutamate を基質とした際の呼吸増加の阻害が特に著しかつた。また胞子呼吸よりも菌糸呼吸をより低濃度で阻害したことは本剤のいもち病菌の胞子発芽および菌糸生育に対する阻害効果の傾向と一致した。
    Blasticidin Sはいもち病菌の胞子および菌糸の基質添加による呼吸増加は阻害するが自家呼吸は阻害せず, また薬剤濃度を増加しても阻害率は増加せず, ほぼ一定していたことと, 菌糸ミトコンドリアの電子伝達系に対して阻害がみられなかつたことから, 呼吸阻害は本剤の1次的作用ではなく他の酵素系に対する阻害の2次的作用によるものであると推察される。
  • 見里 朝正, 沖本 陽一郎, 石井 至, 浅川 勝, 福永 一夫
    1961 年 26 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 1961/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1) Effect of Blasticidin S on glycolysis in Piricularia oryzae was-examined by measuring lactic acid according to the method of Backer Sammerson, using the suspension of washed mycelium prepared by the method described previously. The glycolysis was almost not inhibited by Blasticidin S, but was remarkably inhibited by phenyl mercuric acetate and monoiodoacetate.
    2) Eflect of Blasticidin S on succinic dehydrogenase in cell free extract of the mycelium of Piricularia oryzae was examined by the method in which TTC reduction was measured by the Thunberg technique. Blasticidin S had no significant influence on the succinic dehydrogease.
    3) Effect of Blasticidin S on the oxidative phosphorylation by mitochondrial fraction from rat liver was examined. Oxygen consumption was measured manometrically and phosphorylation was estimated by the determination of inorganic phosphate. The oxygen uptake and the oxidative phosphorylation by the rat liver mitochondria were not affected by Blasticidin S, but both reactions were inhibited by phenyl mercuric acetate and Blastmycin.
    4) Effect of Blasticidin S on the turnover of inorganic phosphate by respiring mycelium of Piricularia oryzae was studied with the aid of exogenous inorganic phosphate labelled with 32P. 32P from labelled phosphate in the medium was taken up more into the nucleic acid fraction than into the phospholipid or the protein fraction of the mycelium. Each fraction was isolated by the method of Schneider. It was found that the incorporation of 32P into each of the fractions was not influenced by Blasticidin S.
    5) Addition of 14C-glutamic acid to the suspension of the mycelium above mentioned resulted in the incorporation of 14C into the mycelium. Since 14C-glutamic acid was incorporated more into the protein fraction than into the nucleic acid or the phospholipid fraction, the incorporation was taken as a measure of examinig protein synthesis. The incorporation into the protein fraction of the mycelium was strongly inhibited by Blasticidin S at a concentration of 1μg/ml. Because this inhibitory concentration was almost equal to the minimum growth inhibitory concentration (0.1-1.0μg/ml), it seemed that the inhibition of protein synthesis was a primary effect of Blasticidin S on the metabolism of Piricularia oryzae.
  • 小倉 寛典, 赤井 重恭, 佐藤 徹
    1961 年 26 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 1961/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Pellicularia filamentosa の38菌株を用い, 培養液中ならびに菌体内に生産される遊離アミノ酸および糖をペーパークロマトグラフィによつて検出し, 病原性との関係を検討した。
    12種のアミノ酸が検出されたが, そのうち lysine と methionine は菌体内のみに見出された。未確認アミノ酸 (Rf=0.42) を菌体の内外に生産する菌株は強い病原性を有する場合が多い。また alanine, leucine および threonine を菌体内にもつ菌株にも強い病原性をもつものが多い。糖は7種検出されたが, 菌体内に sucrose を, 菌体外に未確認糖 (Rf=0.43) を生産しないものは病原性が弱い。しかしてこれらの菌株の多くは fructose を菌体内に生産する。なお生産されるアミノ酸および糖の種類は菌体の内外で必らずしも一致しない。
    P. filamentosa は, アミノ酸および糖の生産の面では明確な分化型を示さない。
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