日本植物病理学会報
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84 巻 , 3 号
Remark on 100th of JJP Series 7
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会長講演
学会賞受賞者講演
学術奨励賞受賞者研究要旨
原著
  • 一木(植原) 珠樹, 長岡(中薗) 栄子, 山口 真輝, 大橋 美保, 古平 栄一, 小島 正明, 五十嵐 元子, 花田 薫, 菱田 敦之, ...
    2018 年 84 巻 3 号 p. 151-157
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/06
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    ジオウ(地黄)は,わが国では漢方薬の原料として使用されるが,そのウイルス病害の実態は十分明らかにされていない.そこで次世代シークエンサー(NGS)を用いた網羅的遺伝子検査と,指標植物を用いた生物検定を併用して,富山県で栽培されているカイケイジオウおよびアカヤジオウに感染しているウイルスの探索を行った.カイケイジオウではソラマメウイルトウイルス2とキュウリモザイクウイルスの2種,アカヤジオウではアマゾンユリ微斑モザイクウイルス,ソラマメウイルトウイルス2,Citrus leaf blotch virus,オオバコモザイクウイルス,アブラナモザイクウイルスおよびCnidium vein yellowing virus の6種のウイルスの塩基配列断片が検出され,生物検定ではカイケイジオウからソラマメウイルトウイルス2とキュウリモザイクウイルスの2種,アカヤジオウからはソラマメウイルトウイルス2,オオバコモザイクウイルスおよびアブラナモザイクウイルスの3種が分離された.分離されたウイルスを単独でウイルスフリーのカイケイジオウとアカヤジオウそれぞれに接種したところ,カイケイジオウでは軽微な病徴が観察されたが,アカヤジオウは肉眼で判別できる病徴は示さなかった.ウイルスに感染していても,アカヤジオウは病徴を示さない可能性があり,アカヤジオウを栽培管理する際には圃場周辺の作物や輪作作物への二次感染防止にも注意が必要と考えられる.

    またアカヤジオウから分離できなかったアマゾンユリ微斑モザイクウイルス,Citrus leaf blotch virusおよびCnidium vein yellowing virusについても,NGSの結果を基に設計したプライマーを用いて,富山で採集したアカヤジオウを対象にRT-PCRを行い,得られた増幅産物の配列をNucleotide BLASTで解析した結果,それぞれのウイルスがアカヤジオウに感染している可能性が示唆された.モザイク症状を示すジオウからソラマメウイルトウイルス2,オオバコモザイクウイルスおよびアブラナモザイクウイルスが検出,分離されたのは今回の報告が初めてである.これら複数種のウイルス感染により引き起こされるジオウの病名を,ジオウモザイク病と提案したい.また,Citrus leaf blotch virusについてはカンキツ斑点ウイルス,Cnidium vein yellowing virusについてはセンキュウ葉脈黄化ウイルスと和名を提案したい.

病害短信
学会誌創刊100周年記念企画
平成30年度日本植物病理学会大会講演要旨
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