日本植物病理学会報
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39 巻 , 5 号
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  • 岸 国平, 我孫子 和雄, 高梨 和雄
    1973 年 39 巻 5 号 p. 373-380
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    モモにひだ葉症状を示す未記録のウイルス性病害について実験,観察を行ない,次のような結果を得た。
    1. 本病にかかったモモは,葉の裏面に細かいひだを生じ,葉が奇形化し,枝の節間がつまり,樹は萎縮して生育がわるい。
    2. 罹病樹からは汁液伝染性ウイルスが検出され,このウイルスはC. quinoa, C. amaranticolor,ツルナ,ケイトウ,ゴマなど19種の植物に寄生性を示す。
    3. 発病したC. quinoaとモモ実生とを呼接ぎすることによりもどし接種することができ,もどし接種を受けたモモは,原株と同じ典型的ひだ葉症状を示した。
    4. 本ウイルスは球形,径約33nmであり,C. quinoaの葉汁液中の不活化温度は50-60C, 10分,希釈限界10-4-10-5,保存限界30-40日である。またアブラムシによって伝搬されず,土壌伝染も認められなかった。
    5. 感染したC. quinoaを材料として調製した注射抗原を用い,1,280倍の力価をもった抗血清が得られた。この抗血清とAMV, CLRVおよびstrawberry latent ringspot virusとは反応せず,またRRSV, AMV, TBRVの抗血清と本ウイルスとも反応しなかった。
    6. 以上の結果より本ウイルスを未記録の新ウイルスと認め,和名をモモひだ葉ウイルス,英名をpeach enation virusと命名した。
  • 正子 朔, 細川 孝太, 桂 〓一
    1973 年 39 巻 5 号 p. 381-388
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    疫病に侵された組織における菌交替現象(遷移)を研究するためにその前提となる細菌の随伴について検討を加えた。
    1. P. capsiciと各種細菌との随伴性をオートミール,ブイヨン,ツァペック各寒天培地上で検討したところ一般に運動性細菌が随伴を示した。
    2. 菌および細菌の発育に適する温度(28-32C)において随伴が顕著である。
    3. 培地のpHは中性に近いほど随伴に対し顕著に効果をあらわし,菌糸周縁の水はこの随伴には必要であるが,運動性でない細菌にとってはその意義を認めなかった。
    4. 随伴性の細菌はP. capsiciの菌糸に対して走性を有しており,これは菌糸細胞膜を通して浸出する物質に対する走化性と思われる。
    5. 随伴は寒天のような固溶体の中でも起こるので,寄主体内でこの現象の起こり得ることを示唆している。
    6. 細菌はつねに疫病菌の生長よりやや遅れて随伴する。
    7. 以上の諸事実より疫病菌が寄主組織内に侵入後細菌の侵入,進展について推察を試みた。
  • 吉川 正明, 正子 朔, 桂 〓一
    1973 年 39 巻 5 号 p. 389-395
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. P. capsiciの侵入によるキュウリ果実の軟腐病斑の拡大は組織中の菌糸の進展状態と密接な関係がある。すなわち菌糸は侵入後主として寄主細胞中層を進展し,のちに細胞中層および細胞内に高密度に蔓延しこの部位においてのみ外観的な軟腐症状を呈する。
    2. 軟腐組織抽出液ならびに本菌培養液は植物組織切片に対し強い軟化作用を示した。ジャガイモ塊茎切片に対してはpH 6.2,キュウリ果実切片に対してはpH 7.0付近に最適pHを示した。
    3. 軟腐組織抽出液はペクチン酸に対してはpH 6.2付近,ペクチンに対してはpH 6.5付近および7.0以上に最適pHをもつendo型活性を示した。このpH 7.0以上に認められる活性はendo-PMTEによるものと思われた。一方本菌の培養液にはペクチン酸に対してはpH 5および6.2付近に,またペクチンに対してはpH 3.5, 5.5, 6.5付近および7.0以上に最適pHをもつendo型活性が認められた。ペクチンに対するpH 7.0以上の活性は罹病組織抽出液に認められたのと同様にendo-PMTEによるものと思われた。またペクチン酸に対して最適pHを5.5付近にもつ1種のexo型活性が認められた。PME活性ならびにCx活性はほとんど認められなかった。
    4. 罹病組織抽出液ならびに本菌の培養液はendo型ペクチン質分解酵素活性に較べて著しく高い植物組織切片に対する軟化作用を示し,またendo型ペクチン質分解酵素活性と植物組織切片に対する軟化力の間に必ずしも相関関係が認められなかった。
  • 土屋 和夫, 平田 幸治
    1973 年 39 巻 5 号 p. 396-403
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    オオムギうどんこ病菌の若い菌叢を,水に濡らした脱脂綿でこすりとったオオムギの葉に,コムギ,カモジグサのうどんこ病菌,キュウリ,カラムシなど49種の双子葉植物のうどんこ病菌を接種して発育を調べた(菌叢をこすりとると,菌糸からちぎれて吸器が表皮細胞内に残るが,この吸器は長期間生存する)。その結果51のうどんこ病菌の中で30は分生胞子を形成し,15は分生胞子を形成しなかったが菌糸を伸ばした。ただし,これらの菌の発育は,こすりとったオオムギ菌の菌叢のすぐ近くだけでみられた。発育程度はうどんこ病菌により様々であったが,コムギ,カモジグサ,キュウリ,ホウズキなどの菌の発育は最もよく,菌糸の伸長,分生胞子の形成状況は,少なくも接種後6日目までは,それぞれの本来の寄主植物上における場合に比べて劣らないと思われる程であった。オオムギ葉上で全然または殆んど発育しなかったものは,ミチヤナギ,シラカシ,キリなどの6菌だけである。自然に発生しているうどんこ病菌の菌叢をこすりとったオオバコ,クコ,マサキ,バラ,ソバの葉に,種々のうどんこ病菌を接種した場合にも,発育程度は様々であるが,発育することが多かった。たとえば,オオバコの葉にキュウリ,ホウズキ,ニワトコの菌が,クコの葉にキュウリ,ソバ,オオムギの菌が発育して分生胞子を形成した。しかしソバの葉にはキュウリの菌もオオムギの菌も発育しなかった。
  • 黄 耿堂, 松沢 安秀, 見里 朝正
    1973 年 39 巻 5 号 p. 404-409
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    自動散布装置を用いて,接種試験を行なった結果,タバコ幼苗(品種キサンチ)に対するTMV感染の最適条件は下記のとおりである。TMV濃度は罹病葉g当たり2,000mlの蒸溜水で稀釈した接種源を,ゲージ圧力(コンプレッサー)4kg/cm2,カーボランダム含量1%(w/v),散布距離20cm,接種時間0.5秒である。この様な条件下での完全感染に必要なTMV稀釈限界濃度は,8,000倍稀釈液である。これは1ml当たり紫外部吸収OD260値の約0.002に相当するウイルス粒子を有することになる。
    同様な条件で,トマトにも適応できるが,供試植物の大小によって,僅かながら,発病率に影響が認められる。数種の薬剤を用いて,TMV感染阻止試験を行なった結果,タバコ幼苗については,従来の摩擦接種と同様の結果を示した。本法は摩擦接種に比して,データの再現がよく,作業の能率も高くなり,汁液伝染性ウイルス防除薬剤の選抜試験には最適と思われる。
  • 菅原 政芳, 小島 誠, 村山 大記
    1973 年 39 巻 5 号 p. 410-416
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ジャガイモ葉巻病ウイルス保毒モモアカアブラムシ(Myzus persicae Sulz.)の磨砕液とその希釈液を無毒虫に注射し,それらの注射虫を検定植物(Physalis floridana Rydb.)にうつしかえ,伝搬能力の比較検討を行なったところ,ウイルス濃度の高い接種源を注射した虫ほど伝搬率が高く,また早期に伝搬能力を示し,かつ伝搬能力の保有期間も長かった。しかし後次第に伝搬能力の低下が見られた。
    罹病P. floridana上で1, 2および4日間獲得吸汁させた後の虫体内におけるウイルス濃度の変化を経時的に注射法で検討した。その結果,長期間吸汁させた虫ほど,吸汁後長期間にわたりウイルスが認められた。しかしながら吸汁期間の長短を問わず,虫体内のウイルス濃度は吸汁後の時間の経過とともに減少する傾向にあった。
    保毒虫体内における本ウイルスの存在部位を調べた結果,消食管と体液とからウイルスが回収できたが,唾腺からは回収できなかった。
    罹病植物上で1, 2, 4および8日間吸汁させた後の虫の体液中のウイルス活性を比較検討した。その結果,保毒虫の磨砕液を用いた場合と同様に,長期間吸汁させた虫ほど獲得後長い間体液からウイルスが回収できた。
    保毒虫の磨砕液(100頭/1ml)および体液を無毒虫に対し継代接種を行なったところ,ともに最初に注射された虫のみに伝搬が認められたにすぎなかった。しかしながらウイルス濃度の高い磨砕液(300頭/0.1ml)を接種源とした場合,2代虫までは認められた。注射虫の場合でも,体液からのウイルス回収は注射後の時間の経過にともない減少していた。
    以上のことから本ウイルスは虫体内で増殖せず,単に循環しているように思われる。なお,伝搬能力の保有は体液中のウイルス量に依存しているものと考えられる。
  • 大内 昭, 富永 時任
    1973 年 39 巻 5 号 p. 417-424
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    腐敗病に罹病した宿主個体で観察される,ペクチン質成分の特異的消失を解明するために,Ps. marginalisのペクチン質分解酵素を検索した。N-6122およびN-6301株の培養液より調整した粗酵素液は,いずれも顕著なPATE活性を示し,わずかなPE活性も検出された。N-6301株では,さらにPTE活性と痕跡程度のPG活性が見出され,菌株間における酵素系の差異が明らかとなった。PATEおよびPTEはいずれも8.0∼8.3に至適pHをもつが,基質特異性,反応速度および塩類の影響などにおいて,両者の性質は明らかに異なっていた。
    N-6122株の粗酵素液はダイコンの根部組織を崩壊するが,その物理的性質がPATEによく一致するため,該酵素による組織の崩壊が推測された。
    腐生性細菌,Ps. fluorescens 2株の粗酵素液では,PE, PG活性は全く検出されず,トランスエリミナーゼ活性も,きわめて微弱であった。このことから,本細菌は病原細菌に比べペクチン質分解酵素の諸活性がきわめて低いと判断された。
  • 佐藤 守, 高橋 幸吉
    1973 年 39 巻 5 号 p. 425-428
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Rough colony type mutant was obtained from an isolate, S 6914-1 of Pseudomonas mori. The cells of the mutant grew as long filaments, being 200μm in length. No difference was observed in the mutant and the wild type on main physiological characteristics, pathogenicity, agglutination reaction and lysotype. The isolate, S 6914-1 differed from the other on properties, such as non-motility, non-flagellated, and chemical characteristics on hydrolyzation of arbutin.
  • Narayan RISHI, 奥田 誠一, 荒井 啓, 土居 養二, 與良 清, K.S. BHARGAVA
    1973 年 39 巻 5 号 p. 429-431
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 木村 郁夫
    1973 年 39 巻 5 号 p. 432-434
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 次雄
    1973 年 39 巻 5 号 p. 435-437
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 原田 竹雄, 美濃 羊輔
    1973 年 39 巻 5 号 p. 438-440
    発行日: 1973/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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